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アンカー新イヤフォン・ヘッドフォン4機種、全部聴いてみた

プレス発表会「Anker Power Conference 2024」で発表された「Soundcore Liberty 4 Pro」

アンカー・ジャパンが10月3日に開催したプレス発表会「Anker Power Conference 2024」。そのなかでベストセラーの完全ワイヤレスイヤフォン最上位モデルや初登場のイヤカフ型イヤフォンなど、オーディオ新製品が多数発表された。今回、発表会場で注目製品をまとめて試聴したのでミニレビューをまとめてお届けする。

イベントで発表されたのは、Soundcoreブランドの人気完全ワイヤレスイヤフォン「Liberty 4」シリーズ最上位モデルで、音質やノイズキャンセリングの強化に加え、充電ケースにディスプレイを搭載した「Soundcore Liberty 4 Pro」、ブランド初のイヤカフ型「Soundcore C40i」、耳掛け式イヤフォン「Soundcore AeroFit 2」、そしてワイヤレスヘッドフォンの最上位機種「Soundcore Space One Pro」の計4製品。

このうちLiberty 4 Proは10月3日に販売がスタート。そのほか3機種は予約受付がスタートしている。各モデルの詳細は別記事を参照してほしい。またイベントではNebulaブランド初のDolby Vision対応プロジェクター「Nebula Cosmos 4K SE」なども発表されている。

Soundcore Liberty 4 Pro

ケースにディスプレイを搭載。バッテリー残量などが表示される

最大の特徴は、やはり充電ケースにディスプレイとタッチバーを搭載したこと。ケースの蓋を開くとイヤフォン/ケースのバッテリー残量が表示されるので、いちいちアプリを立ち上げずにバッテリーの状態を確認できるのは嬉しいところ。

タッチバーを操作してANC/外部音取り込みの強度を変更できる

またタッチバーを使えば、アクティブノイズキャンセリング(ANC)/外音取り込みモードの強度を1~10の間で調整可能。ペアリングしたスマホを取り出す手間なく、タッチバーを指でなぞるだけで操作できるので、こちらも便利な機能に感じられた。ただ、今回試した限りではタッチバーの感度がそこまで高くなく感じられ、慣れるまでは微調整が難しそうな印象だった。

音質面では、2基のダイナミックドライバーをひとつのモジュールに統合して同軸配置した独自の音響構造「A.C.A.A」が4.0に進化。ふたつのドライバーそれぞれに最適な音の信号を送るデジタルクロスオーバーテクノロジーを初搭載し、「高音は繊細ながらもマイルドに、そして低音は力強くてリッチながら明瞭に、あらゆる音域で歪みの少ないランスの取れた音質を実現した」という。

実際に音を聴いてみると、従来のLiberty 4では耳に刺さるような傾向だった高域のトゲが少なくなり、丸みを帯びた印象。またズンッと強烈に沈み込む印象だった低域も、従来のLiberty 4よりも沈み込みが薄くなりつつ、より締まりのあるサウンドになっていて、全体的にバランスが整った音質に感じられた。

独自の“ウルトラノイズキャンセリング”の最新バージョン「3.5」を搭載したANCも、強度MAXの状態で音楽を流すと、真横の人の話し声が一切聞こえなくなり、音楽に集中できる。外音取り込みモードも、いかにもマイクで外の音を拾っているようなホワイトノイズもほとんどなく、自然な状態に近く感じられた。

Soundcore C40i

「Soundcore C40i」

ブランド初のイヤカフ型を採用した「Soundcore C40i」は、「耳をふさがずに音楽を楽しみたい、ファッションアイテムとしても使いたい」という声に応えたというモデル。競合他社のイヤカフ型イヤフォンと比べると、イヤフォン本体がやや大きめに感じられたが、このあたりもアクセサリーとしての用途を兼ねている要素に感じられた。

イヤフォンは耳たぶにスライドさせるようスッと装着できる。会場で試した限り、頭を軽く左右に振った程度で落ちることはなかった。ただ、イヤフォンに着いているボタンを操作しようとした際、耳からポロッと落ちてしまうことが1度だけあった。製品には装着安定感を増すというイヤーカフキャップが付属するので気になる人は併用したほうが良いかもしれない。

イヤカフ型ながら本格的な音質にもこだわったとしており、12×17mmの大型ドライバーを搭載する。「Ado/唱」を聴いてみたところ、Adoのボーカルがクリアに聴こえつつ、低域もしっかりと迫力を持って耳に届く。過去にambieやファーウェイのイヤカフ型イヤフォンを使ったことがあるが、それら競合製品と比べても、もっとも低域に迫力があるモデルに感じられた。

Soundcore AeroFit 2

「Soundcore AeroFit 2」

2023年11月に発売されたイヤーフック型イヤフォン「Soundcore AeroFit」の後継機。約0.7mmの超極細ワイヤーやリキッドシリコンを使うことで、耳への負担軽減、なめらかな触り心地を実現したという。

筆者はふだん、Web会議などで「Soundcore AeroFit Pro」を使っているが、AeroFit Proは長時間着けていると耳の付け根部分に痛みを感じることが何度かあった。新モデルのAeroFit 2では、その耳の付け根に当たる部分が極細ワイヤーになっているので、長時間の装着でもストレスは少なそうに感じられる。

またワイヤーが細くなったことで、メガネと干渉しにくくなったのも特徴。今回は花粉症対策のマスク+ツルが太めのメガネという組み合わせで使ってみたが、その状態でも耳に違和感を感じることはなかった。

肝心のサウンドは“現代的ドンシャリ”とも言える仕上がりで、クリアなボーカルと、ドンッと適度な量感のある低域が楽しめる。なにか作業をしながらBGMとして音楽を楽しむイヤフォンとして、音質・装着感のバランスが整ったモデルと言える。

Soundcore Space One Pro

「Soundcore Space One Pro」

今回発表された新製品のなかで、唯一のヘッドフォンモデルが「Soundcore Space One Pro」。「ウルトラノイズキャンセリング 3.5」の採用や三層構造の40mm径ダイナミックドライバーの採用、丸めるように折りたたむコンパクト設計などを盛り込んだ、Soundcoreヘッドフォンの最上位モデルと位置づけられている。

装着感は、低反発クッションを使ったイヤーパッドがもちもちとした触感で耳触りは良好。側圧はやや強めで、多少首を振った程度では位置がズレない安心感があったが、人によっては長時間の装着でストレスを感じるかもしれない。このあたりは好みが分かれるポイントだろう。

試聴では「tuki./晩餐歌」を聴いてみると、低域がズシンと響きながら、tuki.のボーカルが広めのサウンドステージにスッと広がっていく。低域も適度に締まりがあるので、ボーカルを邪魔せず、高域やサ行の刺さりも特に感じられなかった。

ノイズキャンセリングは上述の「Liberty 4 Pro」と同じく“ウルトラノイキャン 3.5”を採用したこともあり、こちらも音楽を流してしまえば真横で繰り広げられる会話が一切耳に届かなくなる。外音取り込みの音も自然で実用性も高そうだった。

また、このSpace One ProはDolbyのアルゴリズムを使った臨場感ある3Dオーディオが楽しめるのも特徴。3DオーディオはアプリからON/OFFを設定できる。聴き比べてみると、3DオーディオをONにすると、ボーカルが1~2歩前に出てきたようなサウンドを味わえた。

ピカチュウデザイン充電器やコクヨ共同開発のポーチなども登場

そのほかイベントでは、ピカチュウデザインをあしらった充電器やUSBケーブル、ポーチ、コクヨと共同開発したガジェットポーチなども発表された。

ピカチュウデザインの充電器たちは、2022年に登場したピチュー/ピカチュウ/ライチュウデザインのUSB急速充電器に続く、ポケットモンスターコラボの第2弾で、スマホ・Apple Watch・ワイヤレスイヤフォンのワイヤレス充電器をひとつにまとめた「Anker マグネット式ワイヤレス充電器 ピカチュウモデル」など計4製品をラインナップしている。

「Anker マグネット式ワイヤレス充電器 ピカチュウモデル」
「Anker USB付き電源タップ ピカチュウモデル」
「Anker タイプCケーブル (1.8m)ピカチュウモデル」
2022年に登場したピチュー/ピカチュウ/ライチュウデザインのUSB急速充電器。こちらの販売は継続される
コクヨ共同開発のガジェットポーチ「Anker Smart Pouch supported by KOKUYO」
モバイルバッテリーなども多数展示されていた
酒井隆文