2018年10月期作品。「転生スライム」や「イングレス」など10作を解説

【 DOUBLE DECKER! ダグ＆キリル 】

(C) SUNRISE/DD PARTNERS

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【あらすじ】
都市国家リスヴァレッタ。二つの太陽が昇るこの街には、人々が平穏な生活を営むその影で、犯罪や違法薬物がはびこっている。

中でも致死率の高い危険な薬物「アンセム」は街に暗い影を落としていた。SEVEN-O特殊犯捜査係──「アンセム」を専門に取り締まるこの捜査機関は、二人一組のバディで行動する捜査体制「ダブルデッカーシステム」を敷き、その対応に当たっていた。

経験豊富な捜査員ダグ・ビリンガム、そして彼の元へとやってきた実力未知数の捜査員キリル・ヴルーベリ。飄々とした掴みどころのないベテラン刑事と、やる気だけが空回りする新米刑事。型破りな二人の刑事の物語が今はじまる。
【編集Yの解説】
「ウイングマン」や「電影少女」などで知られる漫画家の桂正和がキャラクター原案を担当、サンライズがアニメを手掛けたヒット作「TIGER & BUNNY」。その桂正和×サンライズが、再びタッグを組んだ新作が「DOUBLE DECKER! ダグ＆キリル」だ。「TIGER & BUNNY」から続く、“バディシリーズ”の作品としても位置づけられている。

今回はヒーロー物ではなく、ベテラン刑事とやる気だけは一人前の新米刑事という設定。YouTubeで第1話も公開されている。

【 転生したらスライムだった件 】

(C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

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【あらすじ】
サラリーマン三上悟は通り魔に刺され死亡し、気がつくと異世界に転生していた。ただし、その姿はスライムだった!

リムルという新しいスライム人生を得て、さまざまな種族がうごめくこの世界に放り出され、「種族問わず楽しく暮らせる国作り」を目指すことに……
【編集Yの解説】
異世界に転生し、勇者として大活躍……というライトノベルや、それを原作としたアニメが盛況な昨今。それと同じような作品……と思いきや、本作は転生したらなんとスライムだった!

スライムに転生しても、そのまま序盤のザコ敵として異世界の勇者に一撃で倒されてアニメが終わってしまいそうだが、心配ご無用。体内に取り込んだものを解析したり、その姿を再現して人のように変化するスキルのおかげで、物語は大きく進んでいく。

異世界で出会うドラゴン、ゴブリン、ドワーフ、オーガなど、多様な種族。そして、彼らが織り成す世界。そしてその先に待つ魔王。ユニークなスキルを武器に、果たしてスライムの冒険はどこまで広がっていくのか!?

【 風が強く吹いている 】

(C)三浦しをん・新潮社/寛政大学陸上競技部後援会

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【あらすじ】
寛政大学4年の清瀬灰二(ハイジ)は肌寒い三月、類まれな「走り」で夜道を駆け抜けていく蔵原走(カケル)に出くわし、下宿の竹青荘(通称・アオタケ)に半ば強引に住まわせる。

ハイジには「夢と野望」があった。高校時代の怪我による挫折。でももう一度、走りたい、駅伝の最高峰・箱根駅伝に出て、自分の追求する走りを見せたい。その「夢と野望」を「現実」にするにはあと一年しかない。そしていま強力な牽引者が彼の目の前に現れたのだ……。
【編集Yの解説】
日本の正月に欠かせないイベントとなっている箱根駅伝。その頂上を目指す大学生達を描いた、直木賞・本屋大賞受賞作家・三浦しをんの名作小説がアニメ化される。

舞台となる竹青荘は、特異な才能に恵まれた男子学生の巣窟だ。ハイジをはじめ、大学に5年在籍している25歳ヘビースモーカー、双子の兄弟、留学生、実家が山奥のど田舎にある神童、司法試験に合格済の音楽フリーク、金と時間のすべてを漫画に捧げる男などなど……。ハイジは個性豊かなメンバーを脅しすかし、奮い立たせ、“箱根”へと挑む。

【 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない 】

(C)2018 鴨志田 一/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/青ブタ Project

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【あらすじ】
思春期症候群……不安定な精神状態によって引き起こされるとネットで噂の不思議現象。梓川咲太、高校2年生。藤沢の高校に通う彼は、この年、様々な“思春期症候群”を引き起こした少女達と出会う。

たとえばそれは、図書館で出会った野生のバニーガール。彼女の正体は、高校の上級生にして活動休止中の女優、桜島麻衣先輩。魅惑的な彼女の姿は、何故か周囲の人間の目には映っていなかった。彼女はなぜ見えなくなってしまうのか……。

謎の解決に乗り出した咲太は、麻衣と過ごす時間の中で、彼女の秘める想いを知る。
【編集Yの解説】
「さくら荘のペットな彼女」の鴨志田一と溝口ケージが再びタッグを組んだ本作は、思春期特有の感情が不思議現象として現れるという『思春期×ファンタジー』を特色とする青春ドラマ。アニメ制作は、「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」などで知られるA-1 Picturesの新ブランド、『CloverWorks』が担当。監督は増井壮一、構成・脚本、横谷昌宏など実力派スタッフが集結。繊細なストーリーや感情表現を豊かに描き上げる。

【 とある魔術の禁書目録III 】

(C)2017 鎌池和馬/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/PROJECT-INDEX III

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【あらすじ】
東京西部に位置する巨大な『学園都市』。総人口230万人を数え、その約８割を学生が占めるこの都市では、超能力開発のための特殊なカリキュラムが実施され、学生たちの能力は『無能力(レベル0)』から『超能力(レベル5)』までの6段階で評価されていた。

とある高校生・上条当麻(かみじょう・とうま)も、学園都市に住む学生のひとり。彼は自分の右手に宿る力、異能の力なら神の加護すら打ち消す“幻想殺し(イマジンブレイカー)”のため、落第寸前の『無能力』の評価を受け、不幸まっしぐらの人生を送っていた。

そんな上条の学生生活は、夏休みのはじめに空から降ってきた純白のシスターによって、大きく変わってしまう。「魔術」の世界から逃げてきたという彼女・禁書目録(インデックス)との出会いに始まって、さまざまな事件に巻き込まれていく上条。

学園都市を統べる「科学」サイド、インデックスに連なる「魔術」サイド双方の事件を綱渡りで解決していくうちに、少しずつ人の輪を広げていくことに。そして、ついには魔術サイド、十字教最大宗派のローマ正教が、上条の存在に目を向けることになってしまう……。
【編集Yの解説】
「とある魔術の禁書目録」は、シリーズ累計発行部数3,000万部を超えるKADOKAWA・電撃文庫のライトノベル。著者・鎌池和馬による、科学と魔法が交差する世界「学園都市」を舞台にした物語で、2008年にテレビアニメ化。2010年にテレビ2期、2013年には劇場版も公開。さらに、スピンオフ作品「とある科学の超電磁砲」、「とある科学の一方通行」も生まれている。そして久々となる、「とある魔術の禁書目録」本編の新作アニメが10月よりスタート。

上条当麻は、困っている人を見過ごせない性格から、科学と魔法、どちらの世界の人間とも関わり合いを持ち、両世界から慕われる存在となる。それゆえ“上条勢力”は科学と魔法の間で揺れ動くのような立ち位置になり、対立が激しくなった両世界の争いに否応無しに巻き込まれてしまう。

そんな彼を支えるのが、これまでの物語で登場し、当麻との出会いによって大きく運命を変えた科学・魔術それぞれの“ヒーロー”達。科学と魔術が三度交わるとき、物語は大きく動き出す!!

【 ソードアート・オンライン アリシゼーション 】

(C)2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

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【あらすじ】
ルーリッドの村で育った少年・キリトは、幼馴染のユージオとともに巨大な黒樹・ギガスシダーを倒すという天職を背負っていた。今日も巨木を倒すべく斧を振るっていると、幼馴染のアリスが手作りのパイを差し入れにやってくる。昼食のさなか、3人はおとぎ話にでてきた“果ての山脈”の洞窟へと遠出することを決める。

世界の掟である禁忌目録に違反しないか不安がるユージオに、キリトとアリスは大丈夫だと口々に言い、出発の日を迎えるのだが……。
【編集Yの解説】
頭部に装着するデバイス「ナーヴギア」で、現実さながらのリアルなネットワークゲームがプレイできるようになった世界。そこで、オンラインゲームでの死が、現実のプレーヤーの命を奪うという事態が発生。ゲームが得意な少年キリト(現実世界では和人)が、様々な試練をくぐり抜け、そのゲームを創り出した天才プログラマーと対峙する物語「ソードアート・オンライン」。

そのTVアニメシリーズ第3期が「ソードアート・オンライン アリシゼーション」だ。新たな仮想世界で目覚めたキリトが、まるで人間のように豊かな完成を持つNPC達と交流しながら、ゲーム世界からのログアウトを模索していく。

この「アリシゼーション」は、原作小説9巻から18巻に渡る長編だが、なんとアニメでは全4クール(!)ですべてが映像化される予定。壮大な物語の果てに待つ、驚きの展開に注目だ。

【 ゴブリンスレイヤー 】

(C)蝸牛くも・SBクリエイティブ/ゴブリンスレイヤー製作委員会

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【あらすじ】
辺境のギルドには、ゴブリン討伐だけで銀等級(序列三位)にまで上り詰めた稀有な存在がいるという……。

冒険者になって、はじめて組んだパーティがピンチとなった女神官。それを助けた者こそ、ゴブリンスレイヤーと呼ばれる男だった。

彼は手段を選ばず、手間を惜しまずゴブリンだけを退治していく。そんな彼に振り回される女神官、感謝する受付嬢、彼を待つ幼馴染の牛飼娘。そんな、彼の噂を聞き、森人(エルフ)の少女が依頼に現れた……

【編集Yの解説】
原作は普通の小説ではなく、ネット上で公開されたAA(アスキーアート)で構成されたスレッド。それを小説化し、人気を集め、今回のアニメ化が実現した。

ゴブリンと言えば、スライムなどと同じように、RPGの序盤に登場するザコ敵のイメージがある。作品の世界でもそれに似た存在ではあるが、群れを作って襲ってくる事もあるため、舐めてかかると手練の冒険者でも命を落とすやっかいな相手でもある。

そんな、他の冒険者が毛嫌いするゴブリンのみを狩る、一風変わった冒険者が、主人公のゴブリンスレイヤーだ。ゴブリンの生態に詳しく、ゴブリンを倒す事に特化した装備で、他のモンスターには目もくれず、ひたすらゴブリンを倒す。魔王を倒すわけでもないので名声は得られないが、そんな事は気にしない。いったいなぜ彼はゴブリンだけに固執するのか!?

一風変わった冒険ファンタジーを描くのは、尾崎隆晴監督。シリーズ構成は倉田英之、脚本は倉田英之・黒田洋介が担当している。

【 からくりサーカス 】

(C) 藤田和日郎・小学館/ツインエンジン

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【あらすじ】
小学5年生の才賀勝(さいがまさる)は父親の事故死によって莫大な遺産を相続したことをきっかけに命を狙われていた。

そんな折、青年 加藤鳴海(かとうなるみ)は偶然にも勝と出会い、手を差し伸べることを決意する。

しかし、勝を追ってきたのは人間ではなく高い戦闘能力を持つ“人形使い”達であった。窮地に陥った二人は突如姿を現した懸糸傀儡(マリオネット)を操る銀髪の少女しろがねに助けられる。こうして、日本で出会ったこの3人は、数奇な運命の歯車に巻き込まれていく……
【編集Yの解説】
「なつかしい!!」と感じる方も多そうだ。小学館の週刊少年サンデーで、1997年から連載された藤田和日郎による名作コミックがテレビアニメ化。莫大な遺産を相続した事で、命を狙われる事になった少年・勝。武術の使い手で、頼れる熱血漢・鳴海と、懸糸傀儡(マリオネット)を操る美女・しろがねと共に、追っ手と壮絶な戦いを繰り広げていく。比較的早期に訪れる衝撃的な展開や、困難を乗り越えて大きく成長していく勝の姿を描いた大作。映像的には、強力な戦闘の力を持つ懸糸傀儡(マリオネット)=あやつり人形達が繰り広げるバトルが見所だ。

【 ツルネ ―風舞高校道部― 】

(C)綾野ことこ・京都アニメーション/ツルネ製作委員会

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【あらすじ】
地元の公立高校・風舞高校へ入学した鳴宮湊。入学早々、顧問のトミー先生から弓道部に勧誘され、幼馴染の竹早静弥、山之内遼平は入部を快諾する。

とある思いから入部を断っていた湊だったが、遼平に押し切られる形で弓道部の説明会へと足を運ぶと、そこには如月七緒、小野木海斗らの姿もあった。

貴重な弓道経験者ということで、トミー先生の指名によって湊は急きょ、参加者の前で射を披露することになるが、矢は的には当たらない。湊は弓引きにとって重大な病を抱えていた……。

湊、静弥、遼平、七緒、海斗。弓道によって5人が出会い、そして、美しくもビターな青春の中をもがき続けた先、少年たちが手に入れたものとは……。
【編集Yの解説】
作品名の「弦音」(ツルネ)は、矢を放ったときに鳴る弦の音。「射手にとって美しい弦音を響かせることは喜びであり、その美しい音は人の心をとらえて離さない」そうだ。

珍しい“弓道”を題材としたアニメで、第7回京都アニメーション大賞小説部門審査員特別賞を受賞した小説が原作。アニメ化を担当するのはもちろん、京都アニメーション。監督は山村卓也。シリーズ構成は横手美智子。

若葉のように瑞々しい高校1年生の少年たち。彼らは弓道を通してかけがえのない経験をし、“仲間”を手に入れていく。

【 イングレス 】

(C)「イングレス」製作委員会

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【あらすじ】
誠は幼い頃から、触れた物の記憶を読む、奇妙な力を持っていた。制御できないその力を隠しながら警察の特殊捜査官として働く彼は、未知の物質「XM」の研究所爆発事故現場で不可解な記憶を見る。

事故の唯一の生存者、サラの指環に残されていた記憶。それは人が赤い光に飲み込まれ、消失する光景だった。

巨大な陰謀に巻き込まれていく誠。人間の精神に影響する物質「XM」を巡る戦いが、始まる……。
【編集Yの解説】
2013年、スイスの原子核研究機構『CERN』。ヒッグス粒子発見の影で、ある秘密プロジェクトが発足した。そのプロジェクトの名前は『ナイアンティック計画』。目的は人間の精神に干渉する未知の物質を研究することにあった。

『エキゾチック・マター(XM)』と呼ばれる事になるその物質は、古来より人々の精神・能力に感応し、人類の歴史にさえ大きな影響を与えてきたのだった。

世界各国の機関が、秘密裏にその研究に取り組んだ。XMは、人類の希望または脅威とされ、大国や巨大企業による争奪戦が勃発。XMの力を受け入れ、人類の進化に利用しようとする『エンライテンド』。XMを脅威と見なし、コントロールしようとする『レジスタンス』。世界はふたつの陣営に別れ、今も争い続けている……。

ご存知、Googleから独立したナイアンティックが手掛ける、スマホ向けゲーム「Ingress」のアニメ化だ。なお、アニメ化以前から、アニメ本編と同じ時間軸で進行する「リアルタイム・ストーリー」が展開。アニメ版の脚本を手がける月島総記書き下ろしのもので、メインキャラクター誠、サラ、ジャックの、アニメ放送当日までの軌跡を追う物語。複数に分割されたストーリーの断片がIngressゲーム内の様々な地域のポータルに埋め込まれ、プレイヤーはそれらを協力して集め、ストーリーを完成させる。現実世界、ゲーム世界、そしてアニメが連携するのも、この作品の魅力と言えるだろう。