Sponsored by アイ・オー・データ機器
NAS直接録画対応のネットワークチューナ「GV-NTX1」を試す
外付け式でHDDの選択肢は無数、リモート視聴も便利
(2016/4/25 08:00)
テレビ関連の視聴・録画機器ブランド「テレキング」を展開するアイ・オー・データ機器から、また新たな製品が発売された。その名も「GV-NTX1」。スマートフォンやタブレットを使って、テレビ番組を自宅の内外で視聴するためのテレビチューナだ。
録画用のHDDは別売、さらにシングルチューナ構成とすることで、直販サイト限定販売モデルながら、税込で19,800円という低価格を実現したのも大きな魅力だ。この製品の実力を探っていこう。
まさにネットワーク特化型チューナ。HDMIも赤外線リモコンもなし
まずはGV-NTX1の外観と端子類をチェックしていこう。筐体は横置きの金属製。テレビやPCの周辺に難なく設置できるサイズ感だ。ちなみに、同じくアイ・オーから発売中のダブルチューナ機「GV-NTX2」とは内蔵チューナ数こそ異なるものの、見た目はソックリで、まさに兄弟機といえる。
詳しくは後述するが、GV-NTX1は一度セットアップを完了させてしまえば、後はそれほど頻繁にボタン類を操作する必要はない。現にボタンは電源スイッチ1つだけ。その他には、本体正面に動作ステータス確認用のLEDが合計4つある。
背面には、地デジとBS/110度CSのアンテナ端子が入力・出力の合計で4つ。録画用HDDを接続するためのUSB端子と、ネットワーク接続用の有線LAN端子がそれぞれ1つずつある。GV-NTX1は、テレビ番組を視聴するのに必ずネットワークを経由する。無線LAN機能は非搭載なので、必然的に有線LANケーブルでルーターと接続する点があることはお忘れなきよう。
仕様上のトピックは「録画用USB HDDが別売」である点だ。動作確認済みのHDDとして、アイ・オー・データ製品が推奨されているが、基本的には大抵のUSB HDDが動作するはずだ。PCを自作する方なら、余っているHDDの1台や2台は必ずあるはず。それをHDDケースに組み込んで接続すれば再利用できる。もちろん、長時間録画のために大容量HDDを新調するのもOK(スペック上は6TBのHDDまでUSB接続可能)。この自由さは、何にも代えがたい。
このほかにも、テレビ接続用のHDMIが非搭載であったり、赤外線リモコンも付属しないなど、一般的なテレビチューナとはかなり構成が異なる。一方、電源を内蔵している点はコンセント周辺部がゴチャゴチャしがちな筆者宅にあっては大変有り難い。
セットアップは「テレリモ」「テレプレ」アプリを利用
HDMIも赤外線リモコンもないことから分かるように、セットアップはLAN経由で行なう。この際、「テレリモ(テレキングリモート)」「テレプレ(テレキングプレイ)」の2つのアプリを使う。iOS/Android用のほか、Windowsストアアプリも公開されており、利用はいずれも無料。番組視聴や録画予約にも使うアプリなので、どちらも必ずインストールしておこう。
具体的なセットアップ例は、スクリーンショットでご確認いただきたい。本稿では、特記なき限りAndroid 6.0インストール済みのNexus 6での画面を紹介していく。
基本的な流れだが、GV-NTX1にアンテナケーブル、LANケーブル、USB HDDなどを繋いで電源を入れ、アプリを起動すれば、あとは画面表示をワンステップずつ確認していけばOK。後述するリモート視聴のための設定も、ここでまとめて完了させられる。
基本の視聴機能をチェック! まずは自宅内で放送中番組を見よう
「GV-NTX1」がユニークなのは、LAN経由で番組を配信するため、“テレビに繋がない”という点。だから、家族間の“チャンネル争い”とは無縁で、家族が別の番組を見ている時でも「自分専用のチューナレコーダ」として利用できる。
さて、ここからは実際の利用シーンを見ていこう。まずは「ライブ視聴」。テレビで今まさに放送されている番組を視聴するための機能だ。風呂に入りながら防水スマホでスポーツ中継の延長戦を見たい……といった場面に重宝するだろう。
GV-NTX1用のアプリは2つあるが、普段の操作はテレリモのほうを活用しよう(実際には、バックグラウンドでテレリモともシームレスに連携している)。Android版アプリでは画面下部にアイコンが並んでいるので、ここから「視聴」をタップ。続いて放送波→チャンネルと選択していくと、認証およびバッファリングのメッセージを経て、画面が表示される。このチャンネル切り換えにかかる時間はおよそ10秒といったところ。端末スペックやネットワーク環境にも依存するが、一般的なテレビよりは待ち時間が長い。電波としての受信した放送を、GV-NTX1がLAN用に一旦変換してから配信するという構造のためだ。
肝心の表示画質は、ネットワーク環境に応じて選択できる。自宅内などでGV-NTX1とスマホを同一LANに接続していれば、よほどのことがない限り、最上位画質であるビットレート約7.6Mbps設定で問題ないだろう。これだと画質は1,280×720ドット。コマ落ちの感覚もほとんどなく、極めて快適に番組を閲覧できる。電波の届きにくい場所(トイレとか?)などでは、その下の画質モードを選んでみよう。放送中画面左上のアイコンから簡単に変更できる。
また、テレリモには番組表機能が搭載されている点も見逃せない。番組の視聴画面からもサブメニュー経由で呼び出せる(ただし、音声再生は中断される)。縦軸が時間、横軸がチャンネルという、新聞テレビ欄そのものの配置なので、なにかと見やすい。ちなみに、上部のチャンネル名をクリックすると、その局だけの週間番組表表示に切り替わる。
リモート視聴機能で移動中にもテレビ
さて、GV-NTX1の魅力と言えば、リモート視聴機能だろう。GV-NTX1を設置してある自宅LANにスマホから3G/LTE回線経由で接続。屋外、それこそ電車での通勤・通学中にも、番組が楽しめる。時差の関係で、注目カードが深夜・早朝に集中しがちな国際スポーツ大会をリアルタイムで楽しむには、まさに必須の機能だ。
GV-NTX1とスマホが同一ネットワーク上にない状態でテレリモを起動すると、自動でリモート接続が実行される。あとは普段どおりにチャンネルを選択するだけ。さすがにチャンネル切り換え時の待ち時間などは宅内視聴時に比べると長くなるが、やはりスマホで番組をリアルタイム視聴できるのは便利だ。
なお、画質については、リモート接続に適したものへ自動的に変更される。最も低い約0.6Mbpsモードは320×180ドット表示のため、小さなテロップなどは流石に見づらい。
ただ、テレビと言えどもやっぱり重要なのは音。アナウンサーや出演者の発言内容が把握できれば、意外と不便と感じなかったりする。0.6Mbpsモードでもその点は心配ない。もちろん、LTE接続を考慮した1.4Mbpsモードなどもあるので、パケット残量などを考慮して適宜選びなおすのもいい。
録画番組も自宅&屋外で楽しめる。テレビに繋がない自分専用チューナ
続いては、録画機能について見ていこう。GV-NTX1は、接続した別売HDDへ番組を録画できる。もちろん、録画した番組は宅内でも屋外からのリモート接続時でも視聴できる。ただし、GV-NTX1はシングルチューナ機のため、2番組同時録画や視聴中の裏番組録画などには非対応となっている。
まずは録画予約の方法だが、使うアプリはやっぱりテレリモ。先ほど説明した番組表を見ながら予約ができる。この際、同一ネットワークに接続しておく必要はなし。会社の昼休み中、口コミで知った新番組でも、即座に予約を済ませられる。
番組表で目的の番組を選択した後、最低限の確認作業を行なえば予約は完了する。この際、録画モードを全12種類から選択できる。多すぎてちょっと迷ってしまうかも知れないが、GV-NTX1はそもそもHDMIによる大画面テレビ接続を前提としない機種。画面にも一言ヘルプとして表示されるが、配信に最適化された下位モード「MR1~6」を選んでおくのが無難だろう。なお、デフォルト値は「MR4(2.4Mbps)」だった。
録画番組の視聴画面も、基本的にはライブ視聴のものと同じ。トリックプレイ用のボタン、タイムバーなどが追加表示される程度だ。個人的には、ボタン1タップによる30秒スキップ・10秒戻しもできるのが嬉しい。
なお、録画に必要な容量だが、30分番組をMR4画質で設定した場合でだいたい500MBほど。この計算でいくと1TB HDDでだいたい1,000時間録画できる格好だ。DRモード録画に比べれば品質は当然落ちるが、見るか見ないか決めかねている番組をとにかく貯めておくには十分だろう。
外出先で録画番組を楽しむ方法としては、この他にも「持ち出し」の機能がある。録画予約時の設定、あるいは録画済み番組を後から操作することにより、スマホに録画データをコピーして持ち歩ける。番組のコピーは同一ネットワーク接続時に済ませなければならないが、当然3G/LTEのパケットも消費しない。
持ち出した番組では、トリックプレイをする際のレスポンスも向上。何度も見返したい番組だったり、電波の届かない飛行機の中で番組を楽しみたい場合に重宝しそうな機能だ。
「おまかせ一括録画」でチャンネル丸ごと録画
GV-NTX1はシングルチューナ機なので、番組のライブ視聴を重視するか、それとも録画を重視するかでかなり使い勝手が異なる。録画を重視する場合は、「おまかせ一括録画」機能をぜひ試してみてほしい。
これは、任意のチャンネルおよび時間帯を指定しておくことで、その間ずーっと録画し続けてくれる機能。アニメ専門チャンネルなどを丸々録画したい場合などに効果を発揮する。
オプション設定を使えば、特定のジャンルだけ、あるいは任意に指定した出演者の番組だけを録画することも可能。除外ワード指定も可能だ。
GV-NTX1では録画モードの設定幅が広いため、録画画質を思いきって下げれば、小容量のHDDでもかなりの番組を保存できる。スマホでの視聴専用と割り切れば、使い道は広がるだろう。なお、録画中はライブ視聴ができなくなるが、録画済み別番組の再生は可能。チャンネルにこだわらず、ドラマだけ、バラエティだけ自動で録画したい場合には「おまかせ録画」機能もある。
録画対応のテレビやレコーダをすでに持っているという人は多いだろう。しかし、家族で共有すると、録画したい番組が多すぎて録画できない、といったことも起こりがち。テレビに繋がない「GV-NTX1」であれば、「自分専用のサブレコーダ」として、自由に番組を録画できる。積極的におまかせ録画を行なってもいいだろう。
なお、録画実行中でも、宅内からは最大3台の端末から同時に録画済み番組をネットワーク視聴できる(宅外からは1台のみ)。筆者側でも試してみたところ、Nexus 6、Windows、iPadの3台から同時視聴できた。
DTCP-IP対応NASに直接録画
GV-NTX1では、USB HDDだけでなく、NAS(ネットワーク直結型のHDD)にも録画番組を保存できるのだが、実はこれに関連して興味深い機能拡張が行なわれている。
一般的に、ネットワーク型テレビチューナでは、USB HDDに番組を一旦保存し、これを必要に応じてDTCP-IP規格対応のNASへコピー(ダビング)するという用法がある。NASへ一度コピーすれば、あとは液晶テレビや据置型ゲーム機で幅広く採用されているDLNAの機能により、宅内ネットワーク再生の汎用性が高まる。
ただ、このコピーの作業は往々にして手動実行しなければならず、コピーしたい番組が多いととにかく手間がかかる。便利だとは分かっていても、次第に使わなくなってしまうことも多いようだ。
この不満に対し、GV-NTX1ではDTCP-IP対応NASへの直接録画保存ができるように改善した。操作にも特別難しい部分はない。USB HDDと同様、まずアプリの設定で対象NASを登録。あとは予約の度に対象HDDをプルダウンメニューから変えられるようになっている。
とはいえ、USB HDD録画時とは機能に微妙な違いがある。まず、NASに保存した番組は宅内ネットワーク視聴ができるものの、宅外からはリモート視聴できない(DTCP+対応NASであれば、NAS側の機能を使ったリモート視聴は可能)。また、NASに直接録画した番組は「ムーブ1回だけ」の状態となる。地上波テレビ番組の録画であっても「ダビング10」にはならない。
また、DRモードで録画した場合は、純正アプリの「テレリモ」を使った再生ができない。そのため、スマホやタブレットでテレリモを使った視聴を重視する場合は、NASへの直接録画にはMR1~6モードで録画するよう推奨している。
DTCP-IP対応NASに保存された番組は、GV-NTX1とはまったく紐付けられていない、独立したコンテンツとして扱われる。再生にテレリモ・テレプレは必ずしも必要なく、DTCP-IP対応の再生ソリューション(PCソフトであったり、あるいはテレビのDTCP-IP/DLNA再生機能などの形で提供される)で再生できるようになる。当然、GV-NTX1の電源が入っているかも関係ない。この場合、宅内ネットワーク視聴に限れば、録画番組の汎用性はむしろ高くなる。
また、NAS側がDTCP+に対応していればNAS側の機能を使ったリモート視聴も可能。DTCP+対応のNAS「RECBOX DR」であれば、「GV-NTX1」と組み合わせて最大4TBのリモート視聴環境を構築できる。
個人的には、NAS保存時の最大のメリットは、DTCP-IP対応のテレビからも録画番組を楽しめる点ではないかと思う。例えば、寝室のテレビにGV-NTX1を設置しておき、番組自体は書斎のNASへ保存、そして番組の再生は居間の大画面テレビで……という具合だ。GV-NTX1はHDMIを搭載していないので、テレビとの相性は高くない。そこにNASを介在させることで、機器の繋ぎ直しなどの手間をかけず、場所を問わず、スマートに番組を再生できる訳だ。
HDDを選べるのが肝! コスト重視のUSB? NASで容量を追求する?
GV-NTX1はネットワークチューナとしての基本機能がしっかり盛り込まれた製品であることがお分かりいただけたかと思う。2万円以下という本体価格も魅力だが、それ以上に注目したいのは録画用HDDの選択肢が広い点。特にPC熟練者の方ならば、余っているHDDを録画用に転用することで、値札以上のコストパフォーマンスを得られる。あえてHDDを接続せず、リモート視聴のためだけに使う手もある。
もちろん、NAS録画を徹底追求してもいい。アイ・オープラザ専売モデルの「IPHL2-A」は 最大12TBまでラインナップし、大量の録画が可能。1台のNASで最大12TB・1万番組までの保存が想定されている。地デジを最高画質「DR」で録画しても1,566時間分保存できる容量で、市販のHDDレコーダでは容易に到達できないレベルだ。
「スマホでテレビ」用途はもちろんだが、価格とHDDの仕様を踏まえると、すでに何らかの番組録画体制を持っている人のサブの録画環境であったり、リモート視聴専門のシステムとしてバックアップ的にGV-NTX1を導入するのも良いだろう。
(協力:アイ・オー・データ機器)