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ヤマハからついに! 小型でも“中身はガチHi-Fi”ストリーミングアンプ「WXA-70A」。机やTVで使ってみた
- 提供:
- ヤマハミュージックジャパン
2026年11月9日 08:00
最近のピュアオーディオにおける流行に“コンパクトな一体型”がある。巨大なアンプやプレーヤーは置き場所に困るし、高価でなかなか手が出ない。デスクトップにも置けるようなサイズで、小型なブックシェルフスピーカーと組み合わせやすく、音楽配信も再生できて、ついでにHDMI ARCでテレビとも接続できる……そんな新時代の一体型コンポでオーディオのある生活を楽しみたいニーズが高まっており、それに応える製品も増えている。
一方で、趣味の製品なので小さければ良いというものでもない。「音質や質感、デザインも優れたものが欲しい」「できれば歴史のあるオーディオブランドの製品が欲しい」という人も多いだろう。そんな人に、「まさにコレでしょ」というモデルが登場した。しかも日本のメーカーであり、オーディオブランドとしても老舗のヤマハから。「WXA-70A」(220,000円)という製品だ。
詳しい話の前に、このサイズを見て欲しい。外形寸法は220×267×73mm(幅×奥行き×高さ)と、“ちょっと大きめの弁当箱”くらいのコンパクトさ。男性であれば、片手でガシッと掴んで、隣の部屋に移動することもできるサイズ感だ。
ただ、重量は2.6kgあるため、小型な見た目に反して、実際に片手で持ち上げてみると「おっ!」という驚きがある。同時に、手のひらにアルミの質感の良さと、肉厚なアルミを使っているであろう剛性の高さが伝わってきて、オーディオマニアとしてニヤニヤしてしまう。「この小ささで、中身が超本気」なのが伝わってくるからだ。
置きやすく、多機能なストリーミングアンプ
WXA-70Aの製品カテゴリーは、ストリーミングアンプだ。ヤマハのネットワーク機能である「MusicCast」に対応しており、スマホなどにインストールしたアプリ「MusicCast CONTROLLER」を使い、NASなどに保存した音楽ファイルや、インターネットラジオ、ポッドキャスト、さらにAirPlay、Spotify、Roon Ready、Google Castに対応。Bluetoothもサポート。さらに、アップデートでQobuzの再生にも対応する。
2chアンプも内蔵するため、あとはスピーカーを用意すれば、WXA-70A×スピーカーで、膨大な配信楽曲が楽しめるオーディオシステムが完成するわけだ。サイズがコンパクトなので、小型のブックシェルフスピーカーと組み合わせれば、デスクトップオーディオにもなるし、ちょっとした棚などにも設置しやすいだろう。
さらにeARC対応のHDMIも備えているため、対応するテレビとHDMIケーブル1本で接続すれば、テレビ番組の音や、Netflixなどの映像配信サービスの映画の音を、WXA-70A×スピーカーから再生できる。2chではあるが、ホームシアターを構築できるわけだ。もちろん、ゲームのサウンドも強化できる。
ホームシアターというと、“ヤマハのAVアンプ”が頭に浮かぶ読者も多いと思うが、あのAVアンプで搭載され、進化してきた自動音場補正機能「YPAO」(Yamaha Parametric Room Acoustic Optimizer)もWXA-70Aには搭載されている。
具体的には、「YPAO-R.S.C.」(R.S.C.はReflected Sound Control)という機能が利用できる。これは、オーディオシステムから音が出たときに、その音が、部屋の壁や床に反射し、跳ね返ってくる“初期反射音”を測定・解析し、それをオーディオシステム側で積極的に制御する事で、スピーカー本来の音質を引き出すというものだ。測定用のマイクも同梱している。
内部で音声信号を処理するので、音質劣化するのでは?と不安になるところだが、YPAO-R.S.C.では、イコライジング処理を64bitの高精度で行なう事で、音質の劣化を抑えている。
さらに、測定結果も活用してラウドネスコントロールを行なう「YPAO Volume」も備えている。簡単に言えば、ボリュームを小さくすると、人間の耳は低音・高音が聴き取りにくくなる問題を補うための補正をする機能。例えば、夜に映画を見たいけど、家族が寝ていて大きな音が出せない……という時も、痩せた音にならず、自然な音で楽しめるよう補正してくれるわけだ。
映画やドラマのセリフや人の声の音量だけを大きくする「ダイアログレベル調整」も備えるなど、AVアンプで培われた機能も盛り込んでいるのが、ヤマハらしい特長だ。
また、2chスピーカー出力に加え、サブウーファープリアウトも備えているので、別途アクティブスピーカーを追加し、2.1chシステムに拡張もできる。
入力端子は、光デジタル、USB-A、アナログRCA、HDMI eARC/ARCを各1系統搭載する。USB-Aは、USBメモリーなどのストレージ接続用だ。LAN端子も備え、2.4GHz/5GHzの無線LANも搭載している。
オーディオメーカーとして、アンプやDAC、操作系にもこだわり
コンパクト筐体ながら豊富な機能を備えているWXA-70Aだが、Hi-Fi用アンプとして、音質にもかなりこだわっている。
アンプ部は2chのデジタルアンプになっており、モジュールとしてはICEpowerのものを採用している。搭載の仕方にオーディオメーカーらしい工夫があり、ICEpowerのモジュールに電源を供給するためのケーブルと、電源回路やアナログ・オーディオ回路をできるだけ離したレイアウトを採用。敏感な回路に、ノイズの影響を与えないようにしている。
また、デジタル回路とアナログ回路を別々のエリアに分けて配置する事で、デジタル回路からアナログオーディオ回路への電気的干渉も最小限に抑えた。
コンパクトながら出力はパワフルで、定格出力(2ch駆動)は70W+70W(20Hz-20kHz、4Ω、0.06%THD)、50W+50W(20Hz-20kHz、6Ω、0.06%THD)。最大出力(JEITA、1ch駆動)は115W(1kHz、4Ω、10%THD)、80W(1kHz、6Ω、10%THD)だ。
DACチップはESS製「ES9039Q2M」を採用する。DACまわりの設計も、オーディオブランドの腕の見せ所だ。D/A変換により、アース接続を通って電流が流れるが、従来の設計ではDACとアナログオーディオ回路は同じグラウンドパスを共有していた。これにより、ノイズの多い電流がアナロググラウンド基準を汚染、アナログ音声信号経路への漏れが音質に影響を与えていた。
そこでWXA-70Aでは、ノイズの多いDAC電流を直接電源に送る専用のリターンパスを用意。アナログ基準グラウンドを通過するのを防ぎ、アナログ音声信号をクリーンに保てるようになった。
DALI「KUPID」と組み合わせてデスクトップで使ってみる
自宅でWXA-70Aを使ってみた。
まずは、WXA-70Aのコンパクトさを活かして、PCでも使っているデスクトップに設置する。デスクトップでは特に横幅と奥行きの短さが求められるが、WXA-70Aであれば難なく設置できる。フロントバッフルにボリュームノブや入力切り替えを備えているので、手を伸ばして直感的に操作もしやすい。
組み合わせるスピーカーは、WXA-70Aのモダンなデザインとマッチするものが良い。色々と悩んだが、DALIの「KUPID」(ペア57,200円)を用意した。カラーはキュートなイエロー チリー。サイズは245×150×198mm(グリル含む/スパイクは含まず)。
WXA-70Aはブラックとシルバーの2色があるが、イエロー チリーのスピーカーにはシルバーが似合いそう。実際に並べてみると、明るい雰囲気がバッチリマッチした。隠すのではなく、あえて“見せる”オーディオという印象で、このデザイン性の高さであれば、リビングに設置しても、家族の理解が得られそうだ。
セットアップは簡単。
WXA-70Aの電源をONにし、スマホにインストールしたアプリ「MusicCast CONTROLLER」の指示に従い、WXA-70A背面のMusicCastボタンを5秒長押しすると、アプリ上でWXA-70Aが見つかり、あとはどの部屋に設置しているなどの指定するだけだ。
音楽配信サービスからの再生も、MusicCast CONTROLLERから可能。アプリ上でサービスを選び、そのサービスのアプリから操作するだけ。Qobuz Connect(アップデート対応)も利用できるので、今回の試聴ではQobuzを使った。再生中のボリュームなどの操作はMusicCast CONTROLLERからも可能だ。
「ハンバートハンバート/マイ・ホーム・タウン」を再生すると、デスクトップの上とは思えない広大な音場がブワッと展開、そこに非常にクリアで鮮度の高いギターやボーカルがシャープな定位と共に出現する。部屋の中で聴いているのだが、再生ボタンを押した瞬間に周囲の壁が消滅して、広い草原にワープしたような気持ちよさ。
コンパクトだが本格的なHi-FiスピーカーであるKUPIDと組み合わせているからというのもあるが、一般的なPC用アクティブスピーカーを鳴らしたサウンドとは、まったく次元が違う。ボーカルやコーラスの声の生々しさ、音場の広大さ、そこに定位するギターやボーカルの音像のシャープさ、どれをとっても「これぞピュアオーディオ」というクオリティの高さだ。
PCスピーカーを使っている時は、音楽を流しながらWebブラウジングをしたり、SNSを見たり“ながら聴き”になる事が多いのだが、WXA-70Aで聴くと、あまりに音が良いため、音楽と向き合う事に意識の大半が持っていかれて、キーボードやマウスから手が離れる。前のめりならず、椅子にゆったりと背中をあずけて、「あ~」と口をあけながら、目の前に現れたアーティストを見上げてしまう。仕事にならないのは問題ではあるが、この気持ち良さからは逃げられない。
オーディオファンにはお馴染み、「リッキー・リー・ジョーンズ/ダット・デア」を再生すると、冒頭の子どもの笑い声が、静かな空間からズバッと、トランジェント良く立ち上がってくる。非常に生々しいので、本当に部屋の中に子供がいるのではないかと思えてくる。電源やアナログ回路へデジタルノイズの影響が出ないように、DACやアンプまわりの設計を工夫した効果が活きていると感じる。
ウッドベースの低域は、豊かな響きを持ちながら、弦を指ではじいてブルッと震える細かな音の輪郭も描写される。ヤマハらしい、素直でクリアなサウンドだが、決して高域がキツかったり、音像のエッジを強調したような不自然な音ではない。シャープさがありつつも、人の声やアコースティックな楽器はどこまでもナチュラルで、温度や湿度も伝わってきそうな、ホッとする優しさもある。小さなコンポでも、ヤマハがこだわるTRUE SOUNDを体現しているのは見事だ。
組み合わせたKUPIDは、ツイーターに軽量かつ磁気回路に強力なネオジウムマグネットを使った26mmソフトドーム・ツイーターと、専用設計の115mm径スフェリカル型(球型)ペーパー&ウッドファイバーコーンを搭載。DALIらしい艷やかさがありつつ、現代的でハイスピードなサウンドも再生できるスピーカーなのだが、WXA-70Aのアンプとしての駆動力高さや、素直なサウンドとの相性もバッチリだ。
このままでも満足度の高い音だが、自動音場補正の「YPAO-R.S.C.」も試してみよう。
カメラの三脚を用意し、WXA-70Aに付属するマイクを取り付け、聴く人間の頭がある位置にマイクを固定。マイクのケーブルをWXA-70Aの背面に接続し、アプリから測定を開始。左右のスピーカーから、テスト信号が流れ、それをマイクで集音。解析し、初期反射音を制御した音へと、イコライジング。測定結果がどうなったかも、アプリ上で見せてくれる。
YPAOによる補正は、アプリから簡単にON/OFFできるので、「藤井風/真っ白」を再生しながら、聴き比べてみた。
効果は歴然で、ONにすると、ベースやコーラスの中低音の膨らみがシャキッとして、キレ味が出る。狭かった音場も広がり、特に奥行き方向に深さが生まれ、音楽に立体感が出てくる。OFFにすると、音場が狭くなり、低音がボワッと膨らみ、フォーカスがにじんだように聴こえる。
KUPIDは、背面に低域が出るバスレフポートがあり、机の奥にある壁との距離もちょっと近いセッティングだったので、「低音が壁にぶつかって膨らむだろうなぁ」と懸念していたのだが、YPAOをONにすると、その問題を解決してくれたような印象だ。
また、イコライジング処理を64bitで演算しているだけあり、ONにしても、音の鮮度が低下したり、甘くなったようには聞こえない。これならば、常時YPAO ONで使った方が良いだろう。
ちなみに、WXA-70AにUSB DAC機能は搭載されていない。PCのサウンドを鳴らしたい場合は、PCのイヤフォン出力を変換ケーブルでWXA-70AのアナログRCA入力に接続したり、別途USB DACを挟むなどの方法がある。ヤマハつながりで、ネット配信で便利なウェブキャスティングミキサー「AG03」を使っている人も多いと思うが、AG03のRCA出力をWXA-70Aに繋ぐ事も可能だ。
ヤマハの「NS-B330」も鳴らしてみる。スタンド設置で本領発揮
DALIのスピーカーも良いが、ヤマハのスピーカーとも組み合わせてみよう。用意したのは、KUPIDよりも一回り大きい(183×267×320mm/幅×奥行き×高さ)のブックシェルフ「NS-B330」(ペア55,000円/ウォルナット)だ。
NS-B330は、ツイーターに3cmアルミドーム、ウーファーに13cmコーンを採用した2ウェイ。ツイーターの素材はアルミだが、金属の固有音を抑えるために、独自の黒色皮膜処理を施している。ツイーターの指向特性を家庭用に最適という水平135度/垂直120度に整えるウェーブガイドホーンも搭載。
ウーファーは、1980年代の名機「NS-1 classics」直系の素材によるPMD振動板を現代に甦らせた13cm PMDウーファーとなっいている。
スピーカーが大型化したことで、低域の沈み込みの深さや、中低域の音圧が増し、よりスケール豊かなサウンドになる。モントリオール交響楽団による「死の舞踏~魔物たちの真夜中のパーティ」から「サン=サーンス:死の舞踏 作品40」を聴くと、コンサートホールがより広大になり、量感のある中低域に身をまかせるような安心感が出る。それでいて、弦楽器の描写の繊細さも、丁寧に描写できている。デスクトップで、フルオーケストラをここまでしっかり味わえるのは驚きだ。
「藤井風/真っ白」を聴いても、低音の量感が増えるため、音に体を包みこまれる気持ち良さがアップする。
ただ、音のスケール感とスピーカーのサイズ自体が、デスクトップで使うのは、ちょっと大きいのは事実だ。
そこで、NS-B330をブックシェルフ用のスタンドに設置。デスクトップ時よりも、スピーカーから離れて聴いてみた。
出てきた音は、完全にピュアオーディオの世界だ。先ほどは机の上だったが、今度は、部屋の横と奥の壁が消滅したかのように音場が広がり、そこにボーカルや楽器が、高さを持った状態で定位する。中低域の量感が増したためか、音像に輪郭のシャープさだけでなく、人や楽器の“厚さ”が感じられるようになる。
スタンド設置では、スピーカーと自分との距離が、デスクトップ時よりも離れるため、相対的にボリュームも上がるが、WXA-70Aの駆動力は申し分ない。「米津玄師/IRIS OUT」のような、疾走感のあるロックを再生しても、ベースやドラムにキレがあり、アンプが13cmのPMDウーファーをしっかり制動できている事がわかる。
HDMI eARCも試す。テレビ番組や映画が“別物”に
テレビとHDMI eARCで接続してみた。
昨今のテレビスタンドは、スッキリとした壁寄せ型が多い。昔ながらの“テレビ台”を使わない家庭が増えていると思うが、その場合は、サウンドバーやコンポなどを置く場所が無いという問題がある。
だが、WXA-70Aであれば、壁寄せスタンドに備えてある、小さな棚にも設置できてしまう。あとはスタンドに設置したスピーカーを、テレビの両脇に設置すれば、見た目もスッキリしたホームシアターを構築できる。
テレビ内蔵スピーカーと、WXA-70A×ブックシェルフスピーカーを比べてみると、格段に音が良くなる。いや“良くなる”とかいうレベルではなく、“体験としてまったく別物”と言って良い。
テレビ内蔵スピーカーは、どうしても音場が狭く、音像も薄く、筐体の樹脂っぽい響きも乗って、不明瞭なサウンドになりがちだ。そうした不満が、WXA-70A×ブックシェルフスピーカーでは全て解消する。
映画の「トップガン マーヴェリック」で、冒頭のダークスターが離陸するシーン。出力がドンドン上がっていくにつれ、エンジンが咆哮を上げるが、WXA-70A×ブックシェルフで聴くと、パワフルな中低域が、こちら側にグッと迫ってくる。まるで、エンジンから吹き出した風を、体に浴びているかのような臨場感が凄い。
そんなパワフルな中低域が充満するシーンでも、通信の声はクリアで、解像度高く聴き取れる。飛び立ったダークスターが、地面の砂を巻き上げるが、それが「ファサーッ」と周囲に細かく広がる微細な音までクリア。この迫力と情報量の多さは、完全にホームシアター。
ダイアログレベル調整も試してみたが、数値をプラスにしていくと、俳優のセリフがグッと強く、聞き取りやすくなっていく。それでも音が不自然にならないのも好印象だ。全体の音量を抑えつつ、重要なセリフは聞き逃したくない時などに使うと良いだろう。
リッチなサウンドになるのは映画だけではない。テレビの通販番組も見てみたが、「この商品が、今なら特別価格の9,800円!」という値段発表のシーンで、客席の奥様方から「キャー」とか「ええーっ」という驚きの声が漏れるのだが、その声の1つ1つがシャープに聴き取れ、しかも広がりがしっかり感じられて、「こんなところでも音の違いが出るのか」と驚いてしまった。
ゲームでも効果はバツグン。PS5で、FPSの「Apex Legends」をプレイしてみたが、風が吹き抜けるフィールドの広大さや、そこを駆け抜けるプレーヤーキャラの足音の細かさにびっくりする。銃器を操作する時の「ガチャッ」「チャキッ」という金属音も鋭く、普段なにげなく撃っている武器に対して、初めて「この銃って、金属製で重いんだろうなぁ」と気がつく。“音からわかる情報量の多さ”というのは、ゲームの没入感を一気にアップしてくれる。
余談だが、このWXA-70A(11月下旬発売)から、アンプを省いたシンプルなストリーマー「WXC-70A」(165,000円/12月中旬発売)というモデルもラインナップする。サイズはまったく同じで、こちらもブラックとシルバーをラインアップしている。既にオーディオシステムを持っている人が、ネットワーク再生機能やHDMI eARC/ARC機能を追加したい時は、WXC-70Aを選ぶと良いだろう。
“これからのヤマハのオーディオ”を代表するコンポ
WXA-70Aを使っていて感じるのは、「コンパクトでも、アンプとして非常に頼りがいがある」こと。ウーファーをしっかり制動し、パワフルな低音をキレよく鳴らす。アンプとしての基本的な能力が高いので、ブックシェルフはもちろん、将来的にトールボーイやフロア型スピーカーにステップアップしても、WXA-70Aなら難なく鳴らしてくれるという安心感がある。
多機能で先進的な部分が目立つが、オーディオシステムの根幹として、アンプを作り込む姿勢が「さすが老舗オーディオブランドだ」と感じる。だからこそ、コンポとして簡単に陳腐化はせず、オーディオ趣味を長い間楽しみたい人にもオススメだ。
細かい部分だが、使っていると「いいな」と感じる瞬間も多い。例えばアルミのボリュームノブは、触れるたび、少しヒンヤリとし、触感はサラッとしていて掴みやすい。回した時も軸がブレず、スムーズに回転し、狙ったボリューム値でピタッと止まって気持ちが良い。
左右にひねる、トグルタイプの電源スイッチも操作していて気持ちが良い。左右に倒すと「カチャン」と内部でリレーが動作する音が聞こえてきて、「上質なオーディオ機器を操作しているんだ」という気分を盛り上げてくれる。ちなみに、ストリーマーの「WXC-70A」には、必ずしも搭載する必要はないそうだが、あえてメカニカルリレーを内蔵することで、同じように「カチャン」という音が聞こえるように工夫されている。
製品にはリモコンも付属している。電源ON/OFFや、ボリューム、入力切り替えといった基本的な操作を、本体やリモコンから直感的に制御できるのは、シンプルでわかりやすい。アプリでも可能な事ではあるが、手を伸ばして、触れて操作できるのはストレスが少ない。デスクトップなど、ユーザーと近い場所に置けるコンパクトな製品だからこそ、操作する喜びを追求しているのは、オーディオブランドらしいこだわりだ。
書斎の机の上でも活躍するが、音質的には、より広い空間で、大型スピーカーと組み合わせて本格的に聴く用途にも活用できる。それでいて、気軽に別の部屋に持っていって、そこでも良い音を楽しめる、フットワークの軽さも魅力だ。
巨大なアンプやプレーヤーを買わなくても、本格的なHi-Fiオーディオ環境は構築でき、聴ききれないような配信音楽を高音質で楽しめ、映画やゲームのサウンドも激変する。WXA-70Aは、そんな新時代のコンポであり、“これからのヤマハのオーディオ”を代表するコンポでもあるだろう。





































