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パナからついに“ガチ液晶”あらわる。スーパー量子ドット搭載「SQDミニLEDビエラ」初披露
2026年11月6日 17:00
パナソニックは5日、11月中旬より発売する4K液晶テレビ・ビエラ「X97C」シリーズの体験セッションをメディア向けに開催。約18年ぶりの市場投入となる90型を超える大画面サイズ、98型「TV-98X97C」などを初披露した。映像デモや商品体験に加え、マーケティング担当者が登壇し、新製品に込めたこだわりや画質の思想を語った。
X97Cの強みは、色管理とバックライト制御
新たに発売するX97Cは、スーパー量子ドット(SQD:Super Quanyum Dot)とミニLEDバックライト技術を組み合わせることで、BT.2020色域で約100%の広色域を実現した液晶テレビシリーズ。
同社では“プレミアムモデル”と位置付けており、今年5月に発表したフラッグシップ「W97C」シリーズのさらに上位として展開する。65型、75型、85型、98型の全4サイズで、価格は42万円前後(65型)から。
・98型「TV-98X97C」 94万円前後 11月中旬発売
・85型「TV-85X97C」 66万円前後 同上
・75型「TV-75X97C」 52万円前後 同上
・65型「TV-65X97C」 42万円前後 同上
最大の特徴が、SQDミニLED技術を採用した「Real Color Panel」の搭載。
Real Color Panelには、高輝度な青色LEDバックライト光を赤・緑色に変換するスーパー量子ドットシートと、その量子ドットシートの発行特性に合わせて構造を最適化した広色域カラーフィルターという2つの技術が使われている。
国内マーケティング課の高橋泰浩氏は、「スーパー量子ドットシートと広色域カラーフィルターの2つが、SQDを支えるコア技術」と解説。
「スーパー量子ドットは、従来の量子ドット粒子の構造を進化させ、白色光を構成するRGB成分の波長を最適化したもの。この粒子をシート状に加工して、青色のミニLEDバックライトにかざすと、青い光をより高純度な赤・緑の光へ変換できる。また、構造を最適化したカラーフィルターによって、RGB各色の分離性能が高まり、より広い色域で深みのある鮮やかな色が取り出せるようになる」
「この2つのコア技術によって、BT.2020色域において約100%もの広色域性能を達成。通常の量子ドットを使ったミニLEDモデル『W95A』と比較して、X97Cは125%の広色域化を実現した」と述べた。
明暗をコントロールするパネル制御技術としては、信号制御とバックライト制御を組み合わせたビエラ独自のWエリア制御を採用。X97Cでは、25年モデル(W95B)よりも約2倍に細密化した「Wエリア制御 Ultra」へアップデートされ、従来以上に高いコントラストを実現。
さらに、光源であるミニLEDの制御を緻密にコントロールすることで、超低輝度においても深みのある黒表現を目指すミニマムルミナンスコントロール技術も導入する。
また、SQDミニLED専用の3次元カラーマネージメント回路「ヘキサクロマドライブ Ultra」を新たに開発。明るいシーン、暗いシーンを問わず、色信号を適切にコントロールすることで高い色再現力を可能にしている。
なお、SQDミニLED液晶テレビは、現在TCLやシャープが市場への導入を開始している。これらとの違いについて尋ねると、事業戦略部 商品企画課の真田優氏は、X97Cの強みは「色を管理するシステムノウハウとバックライト制御にある」と回答。
「SQDという、デバイスが持つ広い色再現力を引き出すためにも、色を正確にコントロールする処理回路が重要になってくる。今回我々はヘキサクロマドライブ UltraというSQD専用の3D-LUTを用意し、明暗の広大な色を緻密に管理している。もう一つは、我々独自のバックライト制御システムであるWエリア制御 Ultra。明暗様々なシーンはもちろん、黒の表現まで、細かな制御を実現している」と話し、違いをアピールした。
スピーカーシステムは、背面上部にイネーブルドスピーカーを搭載した「360立体音響サウンドシステム」を採用。構成は全サイズ共通で、イネーブルドスピーカー×2(10W×2)、フルレンジ×2(10W×2)、ウーファー×2(15W×2)。実用最大出力は70W。
音抜けが良くクリアな音を再現し、声の定位を始め、映像と一体となった自然で臨場感あるサウンドにする音声処理アルゴリズム「フロントファイアリングエミュレーター」、音の厚みや広がりを自然に補うことで空間の奥行きを生み出す「レゾナンスベース」技術も搭載する。
OSはFire TVを採用。放送番組とネット動画がシームレスに楽しめるほか、画面左上のカテゴリータブから、効率的にコンテンツ探索が可能。
さらに、先日Amazonが発表した生成AI搭載の次世代パーソナルアシスタント「Alexa+」もサポート。新しいX97Cだけでなく、Fire TV搭載4Kビエラにおいて順次提供される予定という。
HDMIは4系統で、HDMI入力ポート1/2のみ最大4K/144Hz VRRをサポート。ほかにも、USB×2、光デジタル音声出力、LAN端子、イヤフォン端子を搭載。Auracast対応のBluetoothイヤフォン/ヘッドフォンを使い、複数人で同時にテレビの音声を楽しむこともできる。搭載チューナーはBS/110度CS 4K×2基と、地上/BS/110度CS×3基。
SQDは、自然な色表現を保ちながら色域を拡張できる
体験セッションには、同社テレビ事業部 マーケティング部 部長の金澤貞善氏が登壇。新モデルでは、色域の拡張とサイズの拡大という2つの課題に取り組んだと語った。
「液晶において、色域を進化させるにはSQDミニLEDとRGBミニLEDがあるが、我々は過去に培ってきた絵作りの延長で考えたとき、どのようなシーンにおいても、より自然な色表現を保ちながら色域を拡張できるSQDミニLED方式を選択した。今回の選択は、我々が求めている“制作者の描く理想の映像を再現する”という思想に繋がっている」
「デバイスが変わっても“制作者の描く理想の映像を忠実に再現する”ビエラの映像哲学は変わらない。築き上げてきた歴史・知見を引き継ぐ」
また、2014年以来の85型、そして2008年以来の90型超えの、超大画面サイズについては「現在テレビメーカー各社が超大画面の商品をラインナップし、量販店の店頭などで露出を高めている。加えて、米国や中国を中心にグローバルで需要が進捗しており、国内でもサイズアップでの買い替え等で、近年増加傾向が見られる。こうした市場環境を踏まえ、超大画面市場への参入はさけて通れない」と説明。
「X97Cでは、超大画面モデルとして98型および85型をラインナップ。約18年ぶりの超大型商品を展開することで市場での存在感を高める。幅広い選択肢をお客さまに提供し、テレビ事業の反転攻勢を実現していきたい」と述べた。
気になる「X97C」の画質は?
体験セッションでは、65型「TV-65X97C」の映像を見ることができた。
バックライトがうまくコントロールできていないRGBモデルと比較すると、X97Cのテロップは周囲の赤や青色に浸食されず、白い文字を保てている。画面の右から左へ素早く動く図柄を表示させても、X97Cでは色のにじみは見られない。シンプルな単色画像から様々な絵柄が混在する放送番組に切り替えても、色が褪せて見えることもなかった。
SQDモデルとも比較した。X97Cは色が飽和することもなく、彩度の高い色も正確に表示。また明るいシーン・暗いシーンでも色が乱れることなく、常に鮮やかな色が再現されていた。YouTubeにアップされている米津玄師のMVを再生したが、暗部の浮きも気にならない。
X97CとRGB/SQDモデルでの比較は、いずれもダイナミックモードしか確認できなかったが、X97Cが広い色域を持つモデルであること、ビエラならではの色管理が反映されていることは確認できた。オートAIやシネマモードではどのような映像を見せてくれるのか、興味深いところだ。
それから、新しいReal Color Panelは、従来のビエラの液晶パネルと比べて非常にコントラストが高いことも好印象だった。グレア加工なので反射で画面が白っぽくならず、気になっていた映り込みも他社のフラッグシップ液晶と同等レベルまで抑えられている。有機ELテレビだけでなく、今後は液晶テレビも本気で挑もうとするビエラの意気込みを感じることができた。



















