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2019年はUltra HD Blu-rayの普及が本格化!! 緊急座談会で見えてきたUltra HD Blu-rayの未来

ハードウェアの対応状況も整い、Ultra HD Blu-ray再生は飛躍的に容易になった!

2018年12月には新4K8K衛星放送がスタートし、4Kテレビも地デジ放送開始時に薄型テレビを購入したユーザーの買い換えで需要が増えている。さらに、動画配信サービスも4Kコンテンツを配信することが増えてきた。このように2019年の4Kテレビや4Kコンテンツの本格的な普及が進むのは間違いない。そこで注目したいのが、もう1つの4KコンテンツであるUltra HD Blu-rayだ。Ultra HD Blu-rayは4K放送や4K動画配信と同じく、4Kの高解像度、HDRの高輝度表示、BT.2020の広色域再現などを盛り込んだパッケージメディアだ。

2017年2月に発売された世界初のPC向け内蔵Ultra HD Blu-ray対応ドライブ「BDR-S11J」シリーズ

Ultra HD Blu-rayはBDプレーヤーなどのAV機器が先行して登場したが、パイオニアが2017年2月に世界初のUltra HD Blu-ray対応ドライブを発売。以来、ポータブル型・内蔵型ともにラインアップを充実させてきている。

そんなドライブを開発したパイオニア、プレイヤーソフトを開発したサイバーリンク、その両社に開発協力した日本ギガバイトの3社で、Ultra HD Blu-rayに関する座談会が昨年末に開催された。これまでのUltra HD Blu-rayの普及や今後の展開について聞いてみた。

パイオニア、サイバーリンク、日本ギガバイトの3社による座談会

パイオニア 星野氏「現在のラインアップでは、ポータブル型のBDR-XD07J-UHD、内蔵型のBDR-S11JBDR-211JといったモデルがUltra HD Blu-rayに対応してきています。発売以来、Ultra HD Blu-ray対応モデルの要望が増えており、着実にラインアップを充実しています。今では弊社以外のBlu-rayドライブメーカーもUltra HD Blu-ray対応モデルを発売してきており、ポータブル型で約2割弱、内蔵型で約3割がUltra HD Blu-ray対応となっています」

Ultra HD Blu-ray対応ドライブのラインアップはこちら

パイオニア 星野 健一氏

とはいえ、特に発売初期の2017年春ごろは、CPUやチップセットといった対応するハードウェアの状況が整わず、最新仕様のモデルでないとUltra HD Blu-ray対応が難しいなど、ハードルは高かった。

サイバーリンク 馬場氏「PCによるUltra HD Blu-rayの再生では、著作権保護技術のAACS2.0をサポートするため、intel SGXテクノロジーへの対応が必須とされています。このほか、HDMI2.0端子の採用、HDCP2.2への対応などハードウェアへの要求が高く、ハードルは高かったですね」

このため、当時は対応するPC本体の価格が20~25万円ほどと高価だった。また、PC用の4Kモニターもまだまだ数が少なかった。しかし、この状況は1年であっという間に改善されてきた。

サイバーリンク 馬場氏「チップセットはIntel200シリーズに加えて、Intel300シリーズも登場しましたし、HDCP2.2やHDMI2.0の採用も増えてきています。Intel製CPU(第7世代Intel Core-i7/i5プロセッサー以降)のPCならば、ほとんどのモデルがUltra HD Blu-rayへ対応できます」

このため、今ならば10~15万円ほどの予算でUltra HD Blu-ray対応のPCが手に入るようになるなど、Ultra HD Blu-rayのハードルはずいぶんと下がってきたという。このほか、Windows 10もHDR技術をサポートしたほか、PCモニターでも4K&HDR対応モデルが増えてきている。ハードウェア状況を見ると、Ultra HD Blu-ray対応の準備は万全と言える。

サイバーリンク 柳澤氏「我々が世界初のUltra HD Blu-rayプレイヤーソフトを発売したころは、ハードメーカーもユーザーも様子見という感じでしたが、ハードウェアの状況が急速に整ってきたこともあって、注目度も高まってきています。2019年はいよいよ本格的な普及がスタートすると予想しています」

サイバーリンク 馬場 規隆氏

サイバーリンク 柳澤 忠道氏

例えば、最近PCを手に入れた人ならば、多くの場合Ultra HD Blu-ray対応ドライブを追加すれば、Ultra HD Blu-rayを再生して楽しめるわけだが、PCにあまり詳しくない人だと、必要な動作環境を見てもわからず、そのあたりが心配でUltra HD Blu-ray対応ドライブ購入ができないのではないだろか?

パイオニア 星野氏「これについては、パイオニアのホームページでUltra HD Blu-ray対応ドライブで 再生が可能かどうかをチェックできるアプリを無料配布しています。購入前に試すことができますので、安心してご購入いただけます」

サイバーリンク 馬場氏「Ultra HD Blu-ray再生のためのソフトも、対応ドライブには 『CyberLink PowerDVD 14』を同梱しています。PC側の仕様を満たしていれば、Ultra HD Blu-rayドライブを購入すれば必要なソフトやユーティリティは一通り揃っています」

バンドルソフト

PCの売り上げでも、Ultra HD Blu-ray対応モデルへのニーズは伸びてきている

PCの場合はどうだろうか、ハードウェアの準備は整ってきているが、Ultra HD Blu-ray対応PCなどの需要は伸びてきているのだろうか。

日本ギガバイト 岡田氏「当初はリビングなどでも使えるコンパクトなPCがよく売れました。今では2万円未満の比較的安価なマザーボードなどでも対応できるようになってきたので、Ultra HD Blu-ray対応へのニーズは増えています。今はミドルクラスの価格帯のモデルが人気ですね」

日本ギガバイト 岡田 宇弘氏

PCは現在、ゲーミングPCと呼ばれるハイスペックなモデルが人気だが、こちらはUltra HD Blu-ray対応を求める人が増えているのだろうか?

日本ギガバイト 岡田氏「ゲーミングPCの世界でも4K表示やHDR技術は入ってきており、関心は高いと思います。ただ、ゲーミングPCではフレームレートを高めて動きを優先するニーズのほうが高いですし、そのための高性能なグラフィックボードを使うのが主流です。とはいえ、もともと高性能なPCですし、最新のモデルならばUltra HD Blu-ray対応のためのスペックは満たしていますので、後からUltra HD Blu-ray対応のドライブを追加すれば、対応は容易です」

現在のところ、著作権保護の仕様のため、Ultra HD Blu-rayの信号は内蔵グラフィック経由でないと出力ができない。せっかくの高価なグラフィックボードはUltra HD Blu-rayでは使えないのだ。こうした問題も将来的には何らかの解決が図られると思うが、ユーザーとしてはUltra HD Blu-ray再生時はマザーボード側のHDMI出力端子を使い、ゲーム時はグラフィックボード側のHDMI端子を使うというように使い分ければ、ゲーミングPCでもUltra HD Blu-ray再生は可能だ。

パイオニア 星野氏「HDMIケーブルを接続しなおす必要はありますが、せっかくの高性能なPCですから、ぜひUltra HD Blu-rayも試して欲しいですね」

このように、今やリビング向けの小型PCでも、本格的なゲーミングPCでも、Ultra HD Blu-rayへの対応はかなり容易になってきている。小型PCを使ってリビングの4Kテレビと接続して大画面でUltra HD Blu-ray再生を楽しむこともできるが、プライベートルームで20~30インチくらいのPC用モニターで使っている人でも、Ultra HD Blu-rayの高精細な映像は存分に楽しめるという。

サイバーリンク 馬場氏「Ultra HD Blu-rayのような4Kコンテンツは、大画面だと迫力が違います。PC用モニターとしてもちょっと大きめの27インチ以上が4Kモニターのトレンドになってきていますね。50V型の家庭用4Kテレビと比べると小さいと思うかもしれませんが、デスクトップの近い視聴距離だと、なかなかの大画面感がありますよ。20~30インチクラスの4K解像度のPCモニターはモデルも増えてきていますので、一番のオススメです」

Ultra HD Blu-rayは、4Kテレビを中心に家庭用のAV機器が先行して普及が進んできたが、PCの世界でもいよいよ準備が整ってきている。そして、今はUltra HD Blu-rayの一番美味しい時期でもあるという。

パイオニア 下田氏「Ultra HD Blu-rayが登場した当初は、映画自体が4Kで制作されていることも少なく、4K解像度にアップコンバートしていたり、HDRも後からグレーディング調整でHDR化したというものもありました。ところが、最新の映画は制作時から4K制作ですし、HDRのグレーディング調整も経験が増したことでより自然な映像になってきています。2018年もそんなUltra HD Blu-rayソフトが続々と増えてきていました。映画館は今も2K上映でHDRにも対応できていませんから、映画館とは違う新たな映像表現が楽しめるというわけです」

パイオニア 下田 吉隆氏

ハード、ソフトともに準備は万端。今年はPCでのUltra HD Blu-ray再生に挑戦してみよう!

最後に実際にUltra HD Blu-ray対応モデルを使って、PCでのUltra HD Blu-ray再生を体験してみた。モニターに使用したのは、東芝の4Kテレビだ。まずはHDMI1.4出力を使って、4K解像度だがHDRには非対応のSDR出力で見てみた。これは、HDR非対応のPCモニターで見た場合を想定したもの。PC用モニターは初期はHDR非対応の4Kモニターもあり、それらを使っているユーザーも少なくないだろう。Ultra HD Blu-rayの良さは十分に実感できるのだろうか?

視聴したソフトはVRゲームを題材としたSF作品の「レディ・プレイヤー1」。精密なCGで再現されたゲーム世界や現実世界を行き来しながら、さまざまな冒険が繰り広げられる作品だ。4K SDRで見ると、カーレースの場面での太陽の鋭い日差しやクルマのヘッドライトの眩しさが弱まるし、地下通路のような暗い場面では少々見づらさも感じた。しかし、4Kの高精細と豊かな色再現はしっかりと感じられ、同じ作品のBlu-ray版とは明らかに違いがある。HDR非対応のPC用の4Kモニターでも、Ultra HD Blu-rayの良さは十分に味わえることがわかった。

そして、いよいよHDMI2.0出力で、4K&HDRでの再生を試してみる。驚かされるのはHDRの高輝度表示で、明るいシーンはより明るくパワフルになり、暗いシーンは暗さを感じさせながらも見通しがよい。まさしく現実で見ているような印象に近くなる。明暗のダイナミックレンジが広がったことで、4Kの高精細さもより鮮明に感じられるし、色の鮮やかさだけでなく、汚れた感じやくすんだ色までリアルに再現される。このリアリティーは、今までの映画とはひと味違うもの。最近はアクション映画やSF映画に限らず、CGを駆使した超現実的な場面が増えているが、そうした場面のCGっぽさや非現実感が薄れ、現実にはありえない映像にもかかわらずリアリティーを感じてしまう。最新の映画はこんなにも進んでいるのかと驚かされることは間違いなしだ。

PCにおけるUltra HD Blu-rayの再生は、デスクトップPCでは状況が整ってきているが、ノートPCは別途4Kモニターや4Kテレビと接続すれば対応は可能だが、ノートPCのモニターの4K&HDR対応はまだまだこれからという状況。Macではハードウェアの対応が進んでおらず対応は不透明。しかし、2018年の飛躍的な対応状況の整い方をみると、こうした点も時間の問題という気がする。Ultra HD Blu-rayの4K&HDRの世界に興味を持った人は、ぜひとも今年はUltra HD Blu-rayD再生に挑戦してみよう。

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