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株式会社東芝は、ハイブリッドレコーダ「RDシリーズ」の新モデル「RD-X6」を12月上旬に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は19万円前後の見込み。開発コードネームは「Eternal(エターナル)」。
地上/BS/110度CSデジタルチューナと、地上波ダブルチューナを搭載し、デジタルとアナログ、またはアナログとアナログのW録(ダブロク)が可能なハイブリッドレコーダ。デジタル放送のW録には対応しない。ハイビジョン向けの新チップセットや、16:9サイズのGUIなどを採用した「RDエンジンHD」を搭載している。 RDエンジンHDでは、3D DNRと3D Y/C分離回路を併用可能にした「デュアル三次元プロセス回路」を採用。また、10bit/54MHzビデオデコーダをチップセットから独立させ、A/D変換を従来より高速化したという。また、再生回路に148MHz動作のオーバーサンプリングHD対応のビデオエンコーダや、D4対応のアップスケーラを備えている。さらに、「ユーザーからの要求が多かった」ダウンコンバート回路の高画質化も図られた。 HDD容量は600GBで、DVDドライブはDVD-R DL記録に対応。記録速度はDVD-R DL 4倍速、DVD-R 16倍速、DVD-RW 6倍速、DVD-RAM 5倍速。DVD-RAMのカートリッジにも対応している。なお、DVD-R DLはビデオモードのみサポートし、VRモードでの記録には対応しない。 デジタル放送の録画では、MPEG-2 TSをそのままストリーム記録できる「TSモード」や、MEPG-2エンコーダにより圧縮してHDDやDVDに記録できる「VRモード」を用意。デジタル放送のTSモード録画とアナログ放送の同時録画が行なえるほか、2基のMPEGエンコーダにより地上アナログ放送の2番組同時録画にも対応する。GRTも2基搭載。 X6向けの「W録」開発には、「アナログ×アナログ、デジタル×デジタルのどちらのW録を選ぶか検討したが、スカパー! やCATVの録画と、TS記録したデジタル放送をDVDにムーブするときの両方にエンコーダを使用することを考慮し、RDユーザーにはエンコーダを2基搭載する方がメリットが多い」と判断、「アナ×アナ、デジ×アナのW録構成とした」という。 再生回路では、12bit/216kHzのビデオエンコーダを搭載し、HD向けのオーバーサンプリングにも対応する。ビデオアンプはLC型広帯域・ローノイズDC結合LPFビデオアンプを搭載する。オーディオ回路はHD向けにブラッシュアップされたという24bit/192kHzのDACを採用する。 筐体には、ステンレス鋼板製のリアパネルや非熱処理のステンレスビスを用いているほか、PPSフィルムコンデンサや低インピーダンスのケミコン、金属被膜抵抗などの高品位なパーツを使用している。マザー基板は、ガラスエポキシ製の両面銅スルーホール基板となっている。
編集では、「RD-Z1」と同様に、TSモード録画した番組でも、フレーム単位でチャプタ分割が可能で、プレイリスト作成も行なえる。また、i.LINK経由でのムーブに関しても、任意のシーンだけ行なうことが可能となっている。 リモコンはジョグダイヤルを採用し、「カーソルを中心に重要なキーをブラインドタッチしやすいように配置した」という。また、人によってよく使うキーは違うことから、リモコンのフタを廃止したとしている。キー数は、RD-Z1では84だったが、ジョグダイヤルを含め65となった。4色のカラーボタンも採用している。
GUIは、新たに16:9の画面にも対応。また、再生/編集用のGUIを「エントリー」、「一般」、「中/上級」の3種類のユーザー別に分け、それぞれが自己完結したインターフェイスを採用している。 エントリー向けの「簡単メニュー」は、番組表からの録画予約や、ページ切り替えキーを使ったタイトル切り替え、動画プレビューなどの基本機能に絞った構成。また、「見るナビ」は、“一般向け”の位置付けになり、最大24個のフォルダ機能や、「タイトルサムネイル一覧」、最大18までの「チャプター一覧」、2列表示に対応した「タイトルリスト一覧」が利用できる。 「編集ナビ」は“中/上級者向け”となり、見るナビなどの機能も統合。再生/編集の切り替えもメニュートップに戻らずに行なえるようになった。
また、編集ナビのトップ画面では、メニュー選択のカーソル移動で、1つを除く全機能に1または2キーでアクセスできる「逆Sスパイラルカーソル」を採用した。さらに、編集ナビトップの「クイックメニュー」から直接偶数/奇数チャプタのプレイリストが作成できるようになった。 そのほか、サムネイル/チャプタ編集時には、再生しながらのチャプタ分割、サムネイル設定が可能。各チャプタの長さはバーで表示し、サムネイルを選択すると、該当するチャプタの長さが分かるようになっている。
ダビング機能では、シーンを登録したままで3モードの切り替えが可能で、「高速そのまま」、「画質指定」、「ぴったり」から選択できる。
EPGの「番組ナビ」は、「スカパー! やCSデジタルを含めると、関東地区で約125chにも及ぶチャンネル数の番組表を使いやすくすることを課題として開発した」という。同社レコーダの8ch/2時間表示の場合、1週間で1,536ページにもなる番組表を使いやすくするため、リモコンのテンキーにより、放送別の番組表を切り替え可能になったことに加え、好みの絞込み表示を3パターンまで設定できる。 また、番組検索時の絞込み表示から、リモコンの0ボタンで全表示に戻すことが可能。番組リストや録画予約一覧から番組表へのジャンプも行なえるようになった。 「おまかせ自動録画」では、新たに「シリーズ予約」と「お気に入り予約」を追加し、いずれもデジタル/アナログ放送、「スカパー! 連動」で利用可能。シリーズ予約では、EPGの番組名でシリーズ名が同じであるものがヒットし、EPGの番組説明や人名情報は対象外となる一方、お気に入り予約では、番組名や説明、人名情報にキーワードが含まれる番組がヒットする。 そのほかの違いは、番組表の予約からシリーズ予約への変更は可能だが、お気に入り予約へは変更できない点や、シリーズ予約ではキーワードの大/小文字、全/半角といった細かな揺らぎもサポートするほか、違う話数の番組も録画対象となる。お気に入り予約では、キーワード検索時に、単語をスペースで区切るとAND検索も利用可能。共通機能としては、RD-XS57/37で採用された、自動録画専用のフォルダは廃止され、自動削除設定が可能になった。 また、新機能として録画の優先度が設定可能。手動で行なうユーザー予約と自動録画が重なった場合はユーザー予約が優先されるが、録画優先度が各モードで2段階設定可能になり、優先度は全4段階。自動予約された番組も、「ユーザー予約にする」を選択することで、優先度を上げられる。
従来「録るナビ」で表示された録画予約一覧は番組ナビ内で表示され、自動予約の種別や録画先、優先度などを確認できる。また、絞り込み表示も「ユーザー予約のみ」、「おまかせ自動予約のみ」、「ユーザー予約+おまかせ自動予約」などから行なえ、HDD残量不足を確認できる「録画実行チェック」も可能。 RD-XS57/37でも採用された「おすすめサービス」では、新たにメニューを好みで並べ替えできるようになり、同社サイト「テレビサーフ」上で編集可能。番組リスト表示とおすすめサービストップ画面の往来も1ボタンで行なえるようになり、ランキング閲覧からの録画予約をスムーズにした。 ネットdeナビでも自動録画の設定や番組表の絞込みが可能なほか、おまかせ自動予約はメールで通知される。従来通り、フォルダ設定やタイトル再生/削除といった操作も行なえる。 また、新たにDLNAのサーバー機能を搭載。液晶テレビface「Z1000」や、AVパソコン「Qosmio F20」などのDLNAクライアントから、LAN経由でX6上の録画コンテンツにアクセスして再生できる。ただし、コピーワンス番組の配信はできない。
本体入力端子は、D1を1系統、S映像/コンポジット/アナログ音声を各3系統、DVが1系統。出力端子はHDMI、D4、コンポーネント、光デジタル音声、同軸デジタル音声を各1系統、S映像、コンポジット、アナログ音声を各2系統装備。 そのほか、デジタルチューナ専用出力端子、i.LINK(TS)、スカパー! 連動端子、LAN端子、電話回線端子なども搭載している。外形寸法は430×343×83mm(幅×奥行き×高さ)、重量は7.2kg。 □東芝のホームページ (2005年9月28日) [AV Watch編集部/nakaba-a@impress.co.jp]
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