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映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2005」が4日、千葉県・幕張メッセで開幕した。最大のトピックと言えるのがプラズマ、液晶テレビやSEDなどフラットパネルテレビ/ディスプレイ関連の展示で、会場の広大なスペースを利用して、各社が新製品のデモを行なっている。 今回はCEATECに出展された、主なディスプレイ関連製品について紹介する。なお、各出展製品の詳報は、「大画面☆マニア」でのレポートを予定している。 ■ 各社の50インチ台のフルHDプラズマテレビが出展
松下電器のブースでは、50型のフルHD(1,920×1,080ドット)プラズマテレビを出展。フルHDパネル搭載プラズマテレビとしては、同じくCEATECで初公開されたパイオニアの50型とともに世界最小となる。 65型のフルHDプラズマテレビ「TH-65PX500」で導入したパネル高開口率化技術や、高速駆動技術に加え、リブや蛍光体の微細形成技術、安定発光可能な駆動回路の導入により、開口率を向上。従来同等の輝度を維持しながら、画素の微細化を実現したという。発売については2006年中で、「来夏のワールドカップ前」を目標に開発を進める。
パイオニアも50型フルHDプラズマテレビを参考出展。2006年の夏、ワールドカップ商戦の前に、市場投入する予定。9月に発売された新シリーズ「新ピュアビジョン(PDP-506HD/PDP-436HD)」でも採用した、「高純度クリスタル層」により、高開口率化を実現。フルHD化が可能となったという。
日立のブースでは、富士通日立プラズマディスプレイズ製パネルを採用した55V型のフルHDプラズマテレビを出展。ピーク輝度は1,000:1、暗部コントラストは5,000:1を実現している。 従来より55型というサイズを選択した理由については、「従来より55型を大画面の中心としてラインナップしてきたため」。製品投入については、2006年末を目標にしているという。
□関連記事 ■ 製品化が近づく「SED」
東芝とキヤノンによる次世代ディスプレイ「SED」については、専用のブースを設けて展示されている。デモ機は、いままでの参考出展と同様に36型の1,280×768ドットパネルを採用しているが、昨年のCEATECと比較すると、暗部コントラストを100,000:1、輝度を430cd/m2まで向上させている。 コントラストの向上には電子源の効率化が大きく寄与、“ほぼ完全な黒表現”が可能となったという。SEDブースではCRTとの画質比較を実施。周辺フォーカス性能や応答速度、HDVカメラ「XL H1」でリアルタイム撮影した映像を利用し、細部の再現性などをアピール。 さらに、今回は家庭内と同等の照度環境での視聴デモも行なわれ、視野角の広さや十分な輝度、明るい環境下での色再現性などが確認できる。なお、東芝ブースではPDPや液晶テレビと比較したデモも行なわれている。 SEDについては、2006年初頭の市場投入が予告されているが、市場投入モデルについては55型からスタート。その後、40インチ台の製品投入も検討しているという。今回、SEDブースで実際に55型のSEDテレビのカットモデルを展示。市場投入第1弾となる55型では、フルHDパネルを搭載し、ドットピッチは現在の36型試作機と共通となる。
■ シャープのコントラスト100万:1液晶や、国策PDPも出展 シャープのブースでは、フルHD対応の新「AQUOS」ラインナップをアピールしているほか、コントラスト100万:1の液晶ディスプレイ「メガコントラスト液晶」を参考出展。長蛇の列を作っているが、デモなどでも技術の詳細については詳しく紹介されなかった。
□関連記事 また、次世代PDP開発センター(APDC)もブースを出展。NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)による、国内のプラズマメーカーの国際競争力強化を図ったプロジェクトで、松下電器産業、富士通日立プラズマディスプレイズ、日立製作所、パイオニアなどプラズマを手がけるほぼ全ての国内メーカーが参加。共同で開発した技術/特許を共有して、製品に活用していくという。 展示していたのは、発光効率3.5lm/Wの43型ワイドXGA液晶プラズマパネルと、発光効率5.7lm/Wとさらに高効率化した11型プラズマパネル。ともに技術の詳細については、全く公開していないが、「セル構造としてはオーソドックス」という。
43V型は発光効率3.5lm/Wを実現し、輝度の向上に加え、消費電力を従来製品の約半分の150Wまで低減できるという。高発光効率を謳うパイオニアの第6世代モデル「PDP-436HD/PDP-436SX」が2.2lm/Wということからも、その発光効率の高さが伺える。「実用化の時期については、「2~3年後には民生転用される見込み」という。 発光効率をさらに高めた11型については、「40型でも100W程度の消費電力を実現できる」とし、実用化については「4~5年後ぐらい」としている。なお、ADPCは2006年3月までNEDOのプロジェクトとして稼働。その後、解散し、出向しているスタッフも元の会社に戻る予定という。 ■ 3LCD/DLPリアプロも2006年は1080pが主流に
3LCDブースでは、エプソンのD5/C2FINEパネル搭載の57型フルHDリアプロジェクションテレビの試作機を出展。搭載パネルは0.9インチ/1080p。 無機配向技術を利用した「クリスタルクリアファイン(C2FINE)」パネルを搭載し、コントラストの向上が図られているほか、電圧OFF時に黒、電圧を加えることで白を表示する「ノーマリーブラック」駆動となったことで黒の沈み込みを大幅に改善。黒の表現の向上とともに、コントラストも向上し、10,000:1以上を実現しているという。 C2FINEパネルの出荷は2006年度を予定しており、搭載製品は2006年後半から発売される予定という。
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デルタ電子のブースでは、1080p対応のDLPリアプロジェクションテレビを参考展示。SmoothPicture技術を利用した1080pのリアプロテレビだが、CESで発表され各社から新製品が投入された2005年のモデルから、明るさや色再現性を向上させているという。 リファレンスモデルのため、発売時期はセットメーカーにより異なるが、新システムを導入した製品は、2006年の初旬より発売予定。 ■ その他
□CEATECのホームページ (2005年10月4日) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
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