|
ソニーは28日、液晶テレビ「BRAVIA」の製品発表会を開催。上位シリーズを一新し、RGB LEDバックライト搭載で、世界最高コントラストの「XR1シリーズ」や、世界最薄9.9mmを実現した「ZX1シリーズ」、4倍速/240Hz駆動で残像感を大幅に低減する「W1シリーズ」など4シリーズ8製品を10月10日より順次発売する。 価格はいずれもオープンプライス。各シリーズの特徴や店頭予想価格などは下表のとおり。
全モデル1,920×1,080ドットのフルHDパネルを採用。「XR1シリーズ」は、RGB LEDバックライト「トリルミナス」を採用したフラッグシップモデルで、55型と46型をラインナップ。R/G/Bの3原色のバックライトを用いることで、色再現範囲を拡大。さらに、バックライト発光を部分的に制御し、同一フレーム内でも明るい部分を明るく、暗い部分は発光しないなどエリアごとに発光をコントロールすることで、コントラスト比を100万:1以上を実現、「BRAVIA史上最高画質」を謳っている。 「Xシリーズ」は、52/46/40型の3サイズで、カラーバリエーションも用意。狭額縁デザインを採用し、新開発の映像エンジン「ブラビアエンジン2 PRO」により高画質化を図っている。 「ZX1シリーズ」は、40型の「KDL-40ZX1」の1モデル展開。エッジライト白色LEDにより、ディスプレイ部の最薄部9.9mm、最厚部で28mmを実現。チューナは外付けで、無線により映像/音声をディスプレイに伝送する。 「W1シリーズ」は46/40型をラインナップ。液晶テレビ固有の残像感を低減するため、世界初という4倍速/240Hz駆動を実現。動きの早い映像もくっきり滑らかに再現する。
■ 「世界初」にこだわった新BRAVIA
ソニー株式会社 代表取締役 副社長でコンスーマープロダクツグループ担当の井原勝美氏は、「年末商戦に向けて、新製品を続々導入していく予定。その皮切りに一番大きなビジネスであるBRAVIAを紹介したい」と切り出し、新しいBRAVIAのビジネス戦略を明らかにした。 井原副社長は、「個、群、新、人」の4つのキーワードをコンシューマビジネスの基本とする考えを紹介。BRAVIAを皮切りに、Blu-ray、ハンディカム/サイバーショット、オーディオ、VAIOの各ジャンルで新製品を発売することを示唆するとともに、「世界初」にこだわった新BRAVIAのラインナップを紹介した。 秋のBRAVIAのキャッチフレーズは、「世界初の感動は<ブラビア>から」。井原副社長は、「世界最X技術/機能の導入、と私は言っている。この“X”は薄いとか軽いとかそういう言葉が入る。それを目指したのが新しいBRAVIA」とし、4つのこだわりを「世界最薄」(ZX1)、「世界初4倍速」(W1)、「最高の画質。世界初のLEDの部分制御」(XR1)、「新エンジンによる最高のリアリティ」(X1)とアピール。「年末に向け、ソニーのコンスーマ商品は本当に強い商品を用意している」と、年末商戦に向けたBRAVIAと新製品への自信を語った。
テレビ事業部 FTV事業部門の吉川孝雄部門長は、ソニーのテレビにおける「たたずまい」、「画質」、「環境」の3つのこだわりを紹介。「ソニーのテレビとしてふさわしいBRAVIAが完成した」と、4つの新シリーズの特徴をそれぞれアピールした。 ZX1については、「誰もがチャレンジしたことがないことに勇気を持ってチャレンジする。それがソニーのDNA。そこでソニーのお家芸ともいえる最薄を実現した」と切り出し、エッジライト方式の白色LEDの採用について紹介。さらに、ワイヤレス化による設置製の高さなどについてアピールした。 W1シリーズについては「世界初」の4倍速駆動を訴求。XR1については、「トリルミナスRGB LED」の採用や部分駆動制御技術を簡単に紹介。コントラスト性能については「(有機ELテレビの)XEL-1相当」と説明した。また、X/XR1に搭載しているブラビアエンジン2プロについても、DRC-MFv3の搭載とともに、流れる字幕における読み易さの改善や、細かい模様におけるフリッカーの低減などの特徴を紹介。動画解像度も新エンジンの採用により、向上しており、「ゴルフやテニス、野球でも鮮明な映像を楽しめる」と訴えた。
ソニーマーケティング株式会社の栗田伸樹副社長は、国内のマーケティング施策について紹介。2008年度の薄型テレビ市場規模を1,000万台超と予測し、「2011年の地上アナログ停波に向けて、新規/買い増し需要の拡大は続く」と言及。その中で、37型以上がその3割、かつ37型以上は倍速駆動対応が92%と、「倍速はすでに当たり前のフィーチャーになっている」こと、調査結果から薄型/スタイリッシュが求められていることを紹介した。 粟田氏は、テレビの今後の方向性として、「さらなる画質進化を求める“性能軸”」と、「デザインやレイアウト性、省エネなど“ライフスタイル価値”」の2つの進化の方向性があると分析。そうした多様化するニーズに応える製品として、4シリーズをそれぞれ紹介した。 年末の国内プロモーション展開については、引き続き矢沢栄吉さんを起用。製作中という新CMは、「世界のソニーとかっていうじゃない? あれなんかうれしいよね日本人として。だから本当にぶっちぎったテレビを作ってよ。世界一のテレビを。これがソニーだってやつを」と矢沢さんが語りかけ、新製品の「ソニーの世界初」を紹介する。
なお、新BRAVIAについては、全世界展開を予定しており、日本の発表会の9時間後にドイツのIFA 2008会場で披露する。 ソニーの2008年度のテレビ販売目標台数は1,700万台で、「今のところオントラック(計画通り)で推移している」(吉川FTV事業部門長)とし、「(32型クラスなどは)いままで液晶テレビに手が届かなかった人にとっても手に取れる価格になりつつある。そうした市場の拡大に追従する製品と、(新BRAVIAのような)高付加価値/大型製品の両方を手がけていく」と説明した。オリンピック商戦については、「地震などがあり、中国はさほど大きなピークは来なかった(吉川FTV事業部門長)」という。一方、日本市場では、「対前年比で(台数ベースで)30~35%の上昇だった。市場が拡大しているため、どこまでがオリンピック効果かは難しいが、10~15%ぐらいはあったのではないかと想定している(ソニーマーケティング 栗田副社長)」とした。 □ソニーのホームページ ( 2008年8月28日 ) [AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]
Copyright (c)2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|