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ひかりTV、HDR対応4K-IP放送を10月24日開始。12月にBS民放5局をIP再送信

 ひかりTVは、HDR対応の4K-IP放送を10月24日から開始する。開始当初は、すでに放送中の4K番組のうち8本をHDR化して配信。順次ラインナップを追加していく。'15年11月より展開中の4K/HDR VOD配信とともに、放送とVODの両サービスで、4KやHDR対応を強化していく。

HDR対応の4K-IP放送を10月24日スタート

 また、BS民放5チャンネルと契約を結び、BSデジタル放送のIP再送信チャンネルを計10チャンネルに拡大。12月1日より提供開始する。

HDR-IP放送はREGZA Z20Xから対応。「ローカル線で出発進行! HDR」など

 HDR対応の4K-IP放送は、総合編成の「ひかりTVチャンネル 4K」(104ch)の中で放送され、番組ラインナップは「ローカル線で出発進行! HDR」(全4本)や、「神宮外苑花火大会2015」、「行ってみたい! 動物園&水族館」、「自衛隊観艦式2015」の計8本を用意。番組は順次追加していく。

 視聴するには、HLG方式のHDRに対応したひかりTVチューナ搭載4Kテレビが必要。対応機種は東芝REGZA「Z20X」(50型/58型/65型)で、10月20日に東芝が提供予定のファームウェアに更新することで、見られるようになる。ひかりTV対応チューナは、「ST-3400」が'17年秋頃に対応予定。なお、HLG方式に非対応の4Kテレビでは通常の4K(SDR)画質で視聴できる。

 ひかりTVでは、これまで4K VOD配信において「HDR10」方式と「DolbyVision」方式によるHDRコンテンツを配信しており、10月時点で約20本をラインナップしている。24日からのHDR対応4K-IP放送では、NHK/BBCの共同開発による放送用のHDR方式「HLG」(Hybrid Log Gamma)を採用。映像の解像度は3,840×2,160ドット、フレームレートは60フレーム/秒で、配信速度は約30Mbps。コーデックはH.265/HEVC、音声はAACを採用する。

 HDR対応4K-IP放送の実現にあたっては、NTTぷららとNTTメディアインテリジェンス研究所において、ハイダイナミックレンジ表現が可能な映像符号化技術の実験を進め、社内で映像品質評価法に基づいた主観評価を行なって映像調整を実施。通常の4K-IP放送で既に使用しているH.265/HEVCリアルタイムエンコーダ「HC11000」(NTTエレクトロニクス製)に、これらの実験成果をファームアップで実装し、従来の4K-IP放送サービスと同等の速度を保ったままさらなる高画質化を可能とした。

 なお、'15年4月の2015年度上期事業説明会において発表していた、ロスレス対応のオーディオ形式「MPEG-4 ALS」の採用については、チューナへの実装などを引き続き検討しているという。高音質を活かせる映像コンテンツの調達や、ロスレス音声の提供なども検討するとしている。

BS民放5チャンネルを追加。「BS放送は全部入れたい」

 ひかりTVのテレビサービスの、BSデジタルのIP再送信は、現在NHK BS1/プレミアム、WOWOWプライム/ライブ/シネマの計5チャンネルで実施している。ユーザーからの要望が多く寄せられたことを受け、12月1日からは新たに、BS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSジャパン、BSフジの5チャンネルを追加し、計10チャンネルのBSデジタル放送を視聴できるようにする。

12月からBS日テレ、BS朝日、BS-TBS、BSジャパン、BSフジの5チャンネルをIP再送信に追加

 既存のひかりTV見放題サービス「お値打ちプラン」、「テレビおすすめプラン」、「ビデオざんまいプラン」、「基本放送プラン」加入者は、手持ちの4K対応テレビ/チューナを使って追加料金不要で視聴できる。

 これにより、チャンネルラインナップは基本サービスが計18ch、ベーシックチャンネルの計41chとプレミアムチャンネル計36chをあわせ、専門チャンネルが計95chとなり、地上デジタル放送を含めると最大104chに拡大する予定。

 NTTぷららの板東浩二社長は、BS民放チャンネルの追加について「テレビのアナログ停波のときから交渉してきた。当時は力不足で、なかなか成立にこぎつけなかった。現在は会員数も300万を超え、4K-IP放送などで認知度も向上しており、今回のBS民放チャンネルの追加が実現した。BS11なども、今後交渉して、基本的にはBS放送は全部入れていきたい」と話した。

 これらは13日に開催された、ひかりTVの2016年度下期事業説明会の中で発表されたもの。事業説明会の内容は別記事で紹介する。