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キヤノン、世界最小/最軽量の4Kレーザープロジェクタ。HDR対応/6,000ルーメン

 キヤノンは、LCOS(反射型液晶)プロジェクタの新製品として、4,096×2,400ドットの高解像度パネルを搭載した2モデルを11月15日より順次発売する。価格はオープンプライスで、想定価格と発売日は、レーザー光源を採用した「4K600STZ」が798万円前後で'17年4月上旬、ランプ光源の「4K501ST」が'16年11月15日で598万円前後。学校の講堂やイベント会場、デジタルサイネージやプロジェクションマッピングなどでの利用を想定している。

4K600STZ

 「パワープロジェクター」シリーズの新モデルで、デジタルシネマ規格の4,096×2,160ドットを上回る4,096×2,400画素のLCOSパネルを採用。レーザー光源の4K600STZは輝度6000ルーメン、400Wランプ光源の4K501STは5,000ルーメン。4K対応の広角ズームレンズと高性能映像エンジンを備え、臨場感のある映像投写ができるという。ネイティブコントラスト比は、4K600STZが4,000:1(ダイナミックコントラスト時は最大1万:1)、4K501STが3,000:1。

 4K600STZは、新開発のレーザー光源システムと独自の光学システム「AISYS(エイシス)」により、4Kレーザー光源プロジェクタ(5,000ルーメンクラス)で世界最小/最軽量という体積約7万cm3、外形寸法約559×624×201mm(幅×奥行き×高さ)、約26kgを実現。レーザー光源の寿命は約2万時間で、メンテナンス負荷を軽減できるとしている。

 新開発のレーザー光源システムは、青色レーザーダイオードが発した光を蛍光体デバイスに照射することで、白色光を生成。蛍光体デバイスへの集光効率を高めつつ、適切な光密度で効率的に光の波長を変換することで、少ない数のレーザーモジュールで6,000ルーメンの高輝度投写を実現し、小型化と高輝度化を両立している。

 4K600STZはHDR(ハイダイナミックレンジ)映像にも対応し、映像の明部と暗部の輝度差の高い映像なども、肉眼で見た映像に近い階調表現ができるという。4K/8K映像の放送規格のITU-R BT.2020の色域で撮影された映像入力にも対応する。本体デザインには、同社のプロフェッショナルイメージング製品を象徴する「レッドライン」を施している。

 両機種とも4K対応の広角ズームレンズを搭載し、1.3倍の電動ズームに対応。大口径非球面レンズやUD(Ultra Low Dispersion/特殊低分散ガラス)レンズなどの特殊光学材料を採用。高い光学性能により、4K映像を中心から周辺部まで鮮明に投写可能としている。レンズシフトは電動で、上下±60%、左右±10%。投写距離は0.9~17.7mで、画面サイズは40~600型(17:10)。100型の投写距離は2.2~2.9m。

4K501ST

 F2.6の被写界深度の深いレンズと、光学システム「AISYS」により、ズーム操作による明るさの変動を抑制。広角端と望遠端において同等の明るさで投写できるという。また、ドーム型スクリーンなどの曲面へ光学的にピントを合わせる「周辺フォーカス」機能も備える。

 入力はHDMI×2とDVI-D×4で、最大4K/60p入力に対応。著作権保護のHDCP 2.2もサポートする。音声はステレオミニの入出力を各1系統装備。出力5Wのモノラルスピーカーも内蔵する。

 動画の視認性を向上させる「モーションブラーリダクション」機能を備え、動く文字なども読み取りやすくしている。フルHD映像を、4K映像にアップスケーリングして投写することも可能。複数のプロジェクタの映像をつなぎ合わせて投写する「エッジブレンディング」機能を備え、隣り合う映像のつなぎ目の明るさを調整して滑らかな大画面投写が行なえる。小さな色ずれを0.1画素単位で電気的に補正する「サブピクセル補正」機能も搭載。

 4K600STZは、IEEE 802.11b/g/nの無線LANを搭載。スマートフォン/タブレット用の無償アプリ「Canon Service Tool for PJ」から、リモコン操作や、設定したパラメータへの変更、プロジェクタの状態監視などが行なえる。

 消費電力は、4K600STZが665W、4K501STが600Wで、待機時は0.8W/0.4W(ネットワーク機能ON/OFF)。騒音は、4K600STZが37/32/29dB(標準/静音1/静音2)、4K501STが39dB/34dB(フルパワー/エコ)。外形寸法と重量は、4K600STZが約559×624×201mm(幅×奥行き×高さ)、約26kg。、4K501STが約470×533.5×175mm(同)、約18kg。