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パナソニックが「透明スクリーン」発売。ショーウィンドウに高画質映像表示

 パナソニックは、店舗のショーウィンドウなどを、高コンストラストな画質のデジタルサイネージ(電子看板)としても活用できる透明スクリーンを3月22日より発売する。価格はオープンプライスで、想定価格はシステム構成によって異なるが、スクリーン「XC-CSG01G」と制御ボックス「XC-CSC01G-A1」のセットで450万円前後から。プロジェクタなどは別売で、取り付け費用も別途必要となる。商業施設や小売店、ホテルや空港、博物館や美術館などでの利用を見込んでいる。

左が透明モード、右がスクリーンモード

 普段はショーウィンドウなどで透明なガラスとして利用し、必要な時にはプロジェクタで投写した映像を表示できるスクリーン。店舗などでバーゲン時にセール情報を表示するといった活用ができる。従来の白濁系調光ガラスを用いた方法に比べて、コントラストの高い画像を得られる調光フィルムを採用し、外光による画質の劣化を抑えているのが特徴で、同社がテレビやディスプレイで培ってきた高画質化技術をサイネージにも展開したもの。

 2枚のガラスの間に高コントラスト調光フィルムを封入し、電圧をかけることで透明モード、電圧オフでスクリーンモードに変化する特殊なガラスを用いたディスプレイと、制御ボックスのセット。映像はスクリーンモード時に背面側からプロジェクタで投写。制御ボックスは、映像コンテンツに合せてプロジェクタとスクリーンを同期させ、透明モードとスクリーンモードを切り替える。

調光フィルムの仕組み

 従来から使用されていた白濁系調光ガラスに映像を投写する方式では、外光の影響により、コントラストが低下する課題があったことから、新たに特殊ポリマーとカプセルを入れた透明-白濁スイッチング層と、色調コントロール層で構成する高コントラスト調光フィルムをガラスに内蔵。

 色調コントロール層は、スクリーンモード時には、外光を大きく吸収するため画質劣化が少なく、サイネージ並みの高コントラストな映像を、明るい室内環境でも実現できるという。色調コントロール層の透過率は、設置する環境の照度に合わせて調整可能。室内環境に合わせて、常に一定の高コントラスト映像を表示し、明るい環境下でも黒の締まった映像を、暗い環境下では小型のプロジェクタでもコントラストの高い映像を得られるという。

 透明モード時は、透明-白濁スイッチング層に電圧をかけることで、内部の液晶分子の配列に規則性を持たせ、光を直進透過。色調コントロール層にも最大電圧をかけることで、高コントラスト調光フィルムの透過率を向上させる。さらに、ガラス表面に反射低減処理(ARフィルム貼合/オプション)を行なうと、不要な表面反射の抑制により、透過率約68%を実現。ショーウィンドーとして、商品や展示物をクリアに見せられるという。

色調コントロール層により、高コントラストな映像を表示

 ディスプレイ1枚のサイズは最大2.75×0.99m(縦×横)。水平方向に複数枚の接合が可能なため、4.9×2.75m、約221型(16:9)の大画面も構築可能としている。制御ボックスでは、透明モードとスクリーンモードの切替えや、プロジェクタからの映像や、背面の展示用照明のON/OFF切替えが行なえる。

システム構成例