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トップウイング、独自方式のレコード用カートリッジ「青龍」。ターンテーブルも
2017年3月22日 12:04
トップウイングサイバーサウンドグループは、MC型の特性を備えながら針交換もできる自社開発のカートリッジ「青龍(せいりゅう)」を発表。4月上旬以降の発売を予定しており、価格は50万円。
また、トップウイングの新たな取扱製品として、Tien Audioのアナログターンテーブル「TT3」や、Telos Audio DesignブランドのCPU搭載アースボックス「Ground Noise Reducer」などを発表した。詳細は後述する。
MC型とMM型の特徴を両立した「青龍」
MM型やMC型とは異なる、ショートレンジで磁束変化をコイルに伝える新たな方式を開発。トップウイングではこれを「コアレス・ストレートフラックス方式」と名付けている。
スタイラスの振動をコイルに伝える経路に磁気損失や磁気歪みを発生するコア材を使用せず、マグネットの直近にコイルを45度の角度で配置した。これによりレコードからピックアップできる情報量を向上させ、MC型の特性を再現するという。さらにスタイラス部分を独立させたことで、MM型のように針交換も行なえる。
針先はラインコンタクト針で、出力電圧は0.2mV(5cm/sec.)、内部インピーダンスは12.3Ω/1kHz。適正針圧は1.75~2g。コンタクト部はFIDELIX「MITCHAKU SHELL(密着シェル)」を採用した。付属のヘッドシェルは超々ジュラルミン製で、製品名に合わせたメタリックな青色で塗装し、青龍の刻印も施した。ヘッドシェル装着時の重量は30g。
トップウイング代表取締役の佐々木原幸一氏は「(音質の傾向が知られている)MMやMCと説明するのが嫌だったので、新しい方式を開発した。MC型の場合は針は交換できず、修理代が大幅にかかる。青龍では製品価格の10分の1となる5万円に抑えた」と話した。なお、針交換はメーカーで製品を預かり、専門スタッフが行なう形となる。
「トップウイングはiFI-Audioなどデジタルオーディオのブランドで支持されているが、スタッフは皆アナログマニア。今回は自社ブランドという形でカートリッジを発表した。レコードは保存状態が良ければ昔と同じ音で再生できるが、カートリッジは経年劣化するので当時の音は出せない。青龍は最新の機材で再生するための最新のカートリッジ。音場感には自信がある」と、佐々木原氏は話した。
製品名については「四神の青龍にちなんだもので、この名前をつけて出すのが夢だった。今後の予定として、価格を半分に抑えたカートリッジ『朱雀』や、バランス接続できるカートリッジなどの構想もある」(佐々木原氏)という。
Tien Audioのアナログターンテーブル「TT3」
Tien Audioの製品で、プラッターを磁力で浮かせて3つのモーターでベルトドライブ駆動するターンテーブル。トーンアーム「VIROA」(ヴァイロア)が付属する。6月発売予定で、価格は55万円。
インナープラッターとベルトが3点で接しており、支点にかかる力を分散させているのが特徴。対応する回転数は33/45/78rpm。アームのVIROAは1点支持で、トーンアームごと外してカートリッジ交換を行なえる。異なるカートリッジを装着したアームを数本用意してウエイトを合わせて保管しておき、調整の手間を省くという使い方も紹介した。アームベースは増設可能で、計3本まで設置できる。ベースの特注により、SMEなど他社アームにも対応する。
Telos Audio DesignのCPU搭載アースボックスなど
オーディオアクセサリブランドのTelos Audio Designの製品を、5月より順次取り扱い開始。第1弾として、オーディオ機器の電源アースをCPUによる演算処理でアクティブコントロールするという「Ground Noise Reducer」(GNR)を5月に発売する。価格は60万円。
背面にバインディングポストを6つ搭載。アース線または専用ケーブルで、オーディオ機器のアース端子やアナログRCAの空き入力端子に接続して使う。CPUによる演算処理でアースの基準値となる高精度な電圧を計算。高精度なデジタルクロックと同じような手法を用いて、低歪みのアース基準電圧を生成し、オーディオ機器に一貫した基準電圧を与える。その効果として、「マイ電信柱など、オーディオ専用の電源を引くのと同程度の効果が得られる」としており、ノイズも抑えられるとする。
オーディオ向けのアースボックスの多くはパッシブタイプで、グランド電位を安定させて接続機器の音質改善を図るが、「電圧の変化を軽減する程度の効果しか得られず、オーディオ機器との間で変動する可能性のある電圧の差異を急速に安定化できない」としており、アクティブタイプのGNRは有意であるとしている。
この他、ACアダプタや乾電池で動作するアクティブタイプのディフューザ「Quantum Acoustics Diffuser」(12万円)や、電源タップ用のレゾネーター「MINI Quantum Resonator」(価格未定)などの製品も順次発売を予定している。