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ベルリン・フィルと協力して音質追求した4Kテレビ「VIERA EX850」。液晶最上位

 パナソニックは、ベルリン・フィルハーモニー交響楽団と協力し、音を追求したハイレゾ対応のサイドスピーカーを搭載した4K VIERAの「VIERA EX850シリーズ」を10月20日より発売する。60型の「TH-60EX850」、55型「TH-55EX850」、49型の「TH-49EX850」の3サイズ展開で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は60型が41万円前後、55型が34万円前後、49型が30万円前後。

EX850シリーズ

 '16年発売のDX850シリーズの後継機で、液晶VIERAのフラッグシップモデル。ハイレゾ対応スピーカーなどの音へのこだわりをDX850シリーズから継承し、ベルリン・フィルハーモニー交響楽団とTechnics技術陣のコラボレーションにより音質をさらに追求。ベルリン・フィル監修の「ミュージック・モード」も搭載した。

 高輝度液晶パネルや最新のヘキサクロマドライブの搭載により、画質も強化。有機ELの上位シリーズ、EX950/EX1000シリーズとともに、日本生産の「JAPAN PREMIUM」モデルとなる。

TH-55EX850

高輝度液晶で4Kの臨場感を向上

 液晶は、60/55/49型ともに4K/3,840×2,160ドットの倍速対応IPSパネルで、明るさを従来比で1.8倍に向上(49型は1.4倍)。「最高クラスの高輝度VIERA」と、明るい液晶画質とHDR表示性能を訴求している。

高輝度パネルを採用

 バックライトのエリア駆動(ローカルディミング)も、従来比で「数十倍以上」という細かなエリア制御となり、コントラスト感を向上。HDR信号入力に対応し、Ultra HD Blu-rayや、NetflixやAmazonビデオ、ひかりTVなどのHDR信号コンテンツに対応する。対応するHDR規格はHDR10とHybrid Log Gamma(HLG)。

TH-60EX850
TH-55EX850
TH-49EX850

 色を忠実再現する「ヘキサクロマドライブ」も強化し、5月発売のEX750と同じ最新世代のものを搭載。3次元カラーマネジメント(3D LUT)を進化させ、補正ポイントを従来モデル比約7とすることで、特に低輝度域での色ずれを抑え、従来モデルDX850比で約3倍、'16年の液晶最上位DX950シリーズとほぼ同等の色再現性を実現したという。

ヘキサクロマドライブも強化

Tuned by Technicsとベルリン・フィルコラボの高音質

 EX850シリーズの最大の特徴は音質。Technicsと共同で開発した「Tuned by Technics」仕様のスピーカーを搭載する。左右にスピーカーを配置したサイドスピーカー型で、3Way総合出力100Wの「ダイナミックサウンドシステム・ハイレゾ」を搭載。40kHz以上のハイレゾ再生にも対応する。

ダイナミックサウンドシステム・ハイレゾ
Tuned by Technics

 ツィータとミッドレンジ、ウーファからなる3Way構成で、出力はツイータが12.5W×2ch、ミッドレンジが12.5W×2ch、ウーファが25W×2chの総合100W。アンプは独自のデジタルアンプ「JENO Engine」でノイズや歪を抑制。キレのあるクリアな音が楽しめるという。

JENO Engine

 左右のスピーカー部は、中心にツィータを配し、それを挟みこむような形で2基のミッドレンジを配置した、仮想同軸配置により画面中央からの音像表現を実現。ウーファボックスも大容量化し、前面にユニットを配置。パッシブラジエーターは4機搭載し、重低音が前面から聞こえる独自の音導管構造の採用により、特に低域を強化したという。

背面のウーファボックスも大容量化

 スピーカー部はハイレゾに対応。さらに、Technicsの技術を搭載した「ハイレゾリマスター」により、入力信号を96kHz/32bitにアップコンバートして再生。BDや録画番組、放送番組などもハイレゾ相当にアップコンバートして再生できる。放送やBDだけでななく、USBメモリやSDカードに記録した音源も高音質に楽しめるという。

 また、Technics技術陣とベルリン・フィルが共同で音質向上に取り組み、ベルリン・フィルの映像/音楽配信サービス「デジタル・コンサートホール」を楽しむためにチューニングした「ミュージック・モード」を搭載する。

アレコレチャンネルやDAZN対応も

 チューナは地上/BS/110度CSデジタル×3で、別売USB HDDへの2番組同時録画に対応。録画した番組は、同一ネットワーク内のDIGAにダビング(コピー・ムーブ)できるほか、「お部屋ジャンプリンク」に対応し、録画番組や放送番組を、同一ネットワーク内のDTCP-IP対応のVIERAなどから視聴可能。また、専用アプリ「Panasonic Media Access」を使って、家庭内や外出先のスマートフォン/タブレットからも録画/放送番組を視聴できる。

リモコン

 ホーム画面には、よく使うチャンネルや、アプリ、接続機器、Webページなどを登録し、次回から素早く呼び出しできる。OSは従来「Firefox OS」と呼ばれていたBSDベースの独自のもの。

 操作面での進化は「アレコレチャンネル」。EX750シリーズなど17年モデルから搭載されている新インターフェイスで、従来はテレビ番組(放送)、録画番組、有料動画(Netflixなど)、無料動画(YouTubeなど)のメディア(流通経路)ごとに画面を切り替える必要があったが、アレコレチャンネルでは、リモコンのボタンを押すだけで、それらの垣根を超えた一覧表示が行なえる。

アレコレチャンネル

 テレビ番組、録画番組、有料動画、無料動画をワンボタンで一覧表示し、キーワード検索も可能。テレビ番組は、地デジ/BS/CSを横断表示可能で、録画番組はUSB HDDなどに録画した未視聴番組を一覧で表示できる。有料動画はNetflixとdTVに対応し、視聴中のドラマシリーズなどを優先的に表示してくれる。キーワード検索では、Netflix/dTVやYouTube、録画番組などを横断して検索できる。なお、アレコレチャンネルの利用にはネットワーク接続が必要。

 アレコレチャンネルからアクセスできるのはNetflix、dTV、YouTubeだが、そのほかにもAmazonビデオやひかりTV、DAZN、アクトビラなどの映像配信サービスに対応。また、前述の通りベルリン・フィルの「デジタルコンサート・ホール」にも対応している。

 リモコンはマイク一体型で、YouTubeやdTV、アクトビラの動画や録画番組の検索などを音声で行なえる。絞り込み検索にも対応し、音楽を検索したあと、「90年代で絞り込み」などの操作に対応。[マイアプリ]ボタンにお気に入りの操作を割り当てられるため、YouTube専用ボタンとして登録すれば、ワンボタンで起動できるようになる。

 「過去未来番組表」にも対応。'13年以降発売のネットワーク対応DIGAや全自動DIGAと連携することで、VIERA EX850の番組表にDIGAの録画番組を表示可能になるもので、現在以降のテレビ放送番組と、過去の録画済み番組をシームレスに確認可能になる。VIERAとDIGA間の番組情報の伝送やコンテンツ配信は、ネットワーク経由で行なうため、DIGAとのホームネットワーク接続が必須。一方、HDMIでDIGAにつながずにも利用できるため、別室のDIGAの録画番組をスムーズに管理できるようになる。

過去未来番組表

 EthernetやSDメモリーカードスロット、USB×3を備え、USB3端子のみUSB 3.0対応。入力端子はHDMI×4、ビデオ入力×1。出力端子は光デジタル音声×1とヘッドフォン。

TH-60EX850の背面

  スタンドを含む外形寸法/重量は、60型が144.7×30.0×81.6cm(幅×奥行き×高さ)/約39kg、55型が133.8×30.0×75.5cm(同)/約35.0kg、49型が120×23.0×67.7cm(同)/約27.0kg。