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パナソニック、新AI搭載の最上位4K液晶ビエラ「LX950」。ゲーム用UIも

75型4Kビエラ「TH-75LX950」

パナソニックは、ビエラ(VIERA)の新製品として、AI技術を使い自動で最適な画質に調整する、ハイグレード4K液晶テレビ「LX950」「LX900」シリーズを5月27日より順次発売する。LX950は75/65/55型、LX900は49/43型を用意。価格はすべてオープンプライスで、店頭予想価格は18万円前後(43型)から。

4K液晶ビエラ「LX950」
・75型「TH-75LX950」 約41万円 6月24日発売
・65型「TH-65LX950」 約31万円 5月27日発売
・55型「TH-55LX950」 約28万円 同上

4K液晶ビエラ「LX900」
・49型「TH-49LX900」 約19万円 6月17日発売
・43型「TH-43LX900」 約18万円 同上

昨年3月に発表された、プレミアム液晶ディスプレイ搭載の最上位「JX950」と、高輝度液晶搭載の「JX900」の後継機。JX900は75/65/55型展開だったが、今期発売のLX900では、49/43型に画面サイズをシフトした。

43型4Kビエラ「TH-43LX900」

'22年モデルでは、最新AI技術による自動画質および音質調整の精度アップや、4K素材の高画質化、パネル性能を最大化するHDRコンテンツ処理といった性能向上を実現。またゲームプレイ時に使用頻度の高い設定・調整項目を集約した「ゲームコントロールボード」を新設するなど、従来モデルをベースに完成度を高めているのが特徴。

なお、LX950とLX900シリーズの主な違いは、「パネル性能」「オートAI音質」「イネーブルドスピーカー」「VRR」など。その他の基本機能は変わらない。

LX950、LX900シリーズ

環境光センサー連動で、オートAI画質がさらにかしこく

'21年モデル(一部)から、搭載されている「オートAI」機能をLX950、LX900の両シリーズに搭載。

100万を超える映像のシーンから構成される学習用データベースを、ディープラーニングを活用してAIが学習。そこから生成したシーン認識アルゴリズムを使うことで、シーンに応じた最適処理を実行してくれる。LX950の場合は“画質と音質”、そしてLX900は“画質”を自動調整することが可能。

新モデルでは、シーンをより細分化して解析することで、従来よりもシーン認識アルゴリズムの認識精度が向上。例えば、トークと演奏シーンが混在するような音楽番組など、従来正しく認識できていなかった場合でも、最新のアルゴリズムでは最適な補正が行なえるようになったという。

オートAIの動作イメージ

また、部屋の明るさや照明の色によって映像の見え方が異なる問題に着目。ディスプレイ下部に「環境光センサー」を新たに設けることで、テレビを設置した部屋の明るさや照明の色などをセンシングし、オートAIの自動画質調整にフィードバック。従来の照度センサーだけでなく、部屋の光の環境も加味することで、様々なコンテンツを自動で自然な画調に整えることができるようになった。

環境光センサーを連動させた、オートAI画質の動作イメージ

より高精細で、より明るさを増したHDR映像に

LX950・LX900シリーズともに、4K/3,840×2,160ドットの倍速パネル。LX900の43型のみVA液晶で、ほかはすべてIPS液晶を採用している。様々な映像処理を支える高画質技術「へキサクロマドライブ」は2シリーズ共通。

LX950シリーズのみ、輝度とデザイン性を高め、自社工場で高精度に組み上げた、プレミアム液晶ディスプレイを使用する(LX900は“高輝度液晶”)。これは、従来よりもLEDバックライトの数を増量しながら、放熱設計を強化することで、高輝度と高コントラスト性能を実現したもの。パネル面とフレームの段差をなくしたフラット構造も特徴。

65型4Kビエラ「TH-65LX950」
55型4Kビエラ「TH-55LX950」

独自の4Kファインリマスターエンジンと、HDR関連処理もブラッシュアップ。

4Kファインリマスターエンジンは、素材解像度検出処理により、4K放送から地デジ、ネット動画などの映像を4K高精細化する技術だが、今期モデルでは、映像信号を部分ごとに情報量や輝度を解析。さらに時間軸方向の前後の映像もあわせて参照することで、ノイズとディテールを高精度に判別。これにより、ノイズを抑制しながら映像の精細感をさらに高めることができ、高い質感とノイズレスな画質を両立しているという。

4Kファインリマスターエンジン

HDR処理においては、4K放送のHLG素材、UHD BDや配信動画のHDR10/HDR10+素材の画質向上を図るべく、新たな画質処理アルゴリズムを採用。コンテンツ信号に含まれる明るさ情報を解析し、シーンに応じて明るさやコントラストを適切に高画質化処理することで、一段と明るく高コントラストに表示できるように工夫。ダイナミックメタデータクリエーションに関しても、新しい処理を追加することでパネル輝度を最大化。HDRらしさを増した高コントラストな画質の実現に寄与したとする。

なお、サポートするHDRは、HLG、HDR10、HDR10+、Dolby Visionの4方式に加え、視聴環境にあわせて高画質処理を行なうHDR10+ ADAPTIVE、Dolby Vision IQ、静止画用のHLGフォトに対応する。

HDRコンテンツ高画質処理
ダイナミックメタデータクリエーション

VRR対応は75型と43型。ゲームユーザー向けの新UIを搭載

PS5やXbox Series X、PCなどのハイフレームレートゲームが楽しめる「4K120p入力」や、入力機器からの情報に連動して自動的に低遅延モードに切り替わる「ALLM」は全機種対応。

ただし、映像ソースのフレームレートとディスプレイのリフレッシュレートのズレによる画面割れを防ぐ「VRR」、AMD製グラフィックボード接続時にスムーズなゲームプレイを保証した「AMD FreeSync Premium」は、75型と43型の2機種のみサポートする。

VRR、AMD FreeSync Premium対応は、75型と43型のみ

'22年モデルでは、ゲーミング向けのUI「ゲームコントロールボード」を新搭載。

ゲームプレイ時に映像のフレームレートやHDRメタデータなどのソース情報を表示できるほか、映像の暗部を調整して映像の陰の部分を見えやすくする「暗部視認性強調」など 、ゲームプレイに特化した機能を採り入れている。

ゲームコントロールボード
情報表示
入力信号の解像度やクロマ、色深度などのほか、コンテンツに付与されているメタデータも確認できる。情報表示は、リモコンの[画面表示]ボタン長押しでも呼び出せる

LX950は背面にイネーブルドスピーカー搭載

LX950/LX900シリーズとも、高さ方向の音表現も可能にする、立体音響技術Dolby Atmosに対応。最新の音声処理システムを搭載することで、テレビ本体のスピーカーのみで立体音響を再生。従来のステレオ音声も立体音響に変換できる。

LX950、LX900シリーズで大きく異なるのは、スピーカー構成。

LX950はイネーブルドスピーカーとフルレンジスピーカーによる最大60W出力の「360立体音響サウンドシステム」を採用。テレビ背面上部のイネーブルドスピーカーを使い音を天井に反射させることで、立体的で臨場感ある音を生成し、音像を画面中央に持ち上げる仕組み。高さ方向の音をリアルに再生し、音の位置をより正しく再現することでAtmosコンテンツがより満喫できるという。

なおLX900は、フルレンジスピーカー×2の最大30W出力となる。

LX950のサウンドシステム

チューナーは共通で、BS4K・110度CS4Kチューナー×2、地上/BS・110度CSチューナー×3を搭載。

別売のHDDを接続する事で裏番組録画ができるほか、2K+2K放送や4K+2K放送、4K+4K放送の2番組同時録画も実現。ただし、4K放送のW録中は録画中のチャンネルのみ選局できる。2画面機能も備えており、2K/4K放送+2K放送、または2K/4K放送+BD/録画番組視聴が楽しめる。

配信サービスのダイレクトボタンが8個に

動画配信サービスのダイレクトボタンが従来の6個から、8個になった新リモコン(Bluetooth方式)を採用。

Netflix、Amazon Prime、Hulu、U-NEXT、ABEMAボタンはそのままに、新しく「YouTube」「Disney+」「Paravi」が追加された。リモコンの[マイアプリ]ボタンにも配信サービスの割り当てが可能。アプリ一覧から操作すれば、TVer、dTV、デジタル・コンサートホール、DAZN、スカパー! オンデマンド、TELASA、DMM.com、ひかりTV 4K、Rakuten TVなどが視聴できる。

リモコン
Rakuten TVが無くなり、YouTube、Disney+、Paraviが追加された

昨年末より対応している動画配信サービス「Apple TV+」も新モデルで楽しめるほか、照度センサー情報を“Netflix画質モード”に反映することで室内環境に合わせた画質調整を行なう機能も盛り込まれている。

音声操作は、ビエラ音声操作、Googleアシスタント、Amazon Alexaが選択可能(使用時はいずれか1つを設定)。リモコン中央にあるマイクボタンを押して発話すると、音声でコンテンツの検索やテレビの基本操作が行なえる。

地震に強く、倒れにくい吸着機能付きの転倒防止スタンドを引き続き搭載。スタンドの吸着操作スイッチでスタンド底面の吸盤を接地面に吸着させることで、強い揺れでも倒れにくい構造としている。

吸着機能付きの転倒防止スタンド

全モデルとも、HDMI入力は4系統搭載。うち入力1・2は4K120pまで、入力3・4は4K60pまでサポートする。eARC/ARC対応は入力2のみ。

HDMIの他には、ビデオ入力×1、光デジタル音声出力×1、サブウーファー端子兼用ヘッドフォン×1、LAN×1、USB×3を備える。USB1端子のみUSB 3.0に対応。無線LANを内蔵。Bluetoothは送受信をサポートし、テレビの音を2台まで同時送信できる。

消費電力と年間消費電力、外形寸法、重量は以下の通り。

【消費電力と年間消費電力】
・TH-75LX950:359W 255kWh/年
・TH-65LX950:232W 176kWh/年
・TH-55LX950:205W 157kWh/年
・TH-49LX900:162W 132kWh/年
・TH-43LX900:128W 111kWh/年

【スタンドを含めた外形寸法と重量】
・TH-75LX950:168.0×35.0×104.4cm(幅×奥行き×高さ) 約52.5kg
・TH-65LX950:145.1×30.3×89.1cm(同) 約32.5kg
・TH-55LX950:123.1×30.3×76.7cm(同) 約22.5kg
・TH-49LX900:109.9×25.0×69.1cm(同) 約19.0kg
・TH-43LX900:96.6×25.0×61.7cm(同) 約16.0kg