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キヤノン、4K/HDRに適した輝度性能を持つ24型ディスプレイ「DP-V2411」

 キヤノンは、HDR映像の確認に適した輝度性能を備えた、24型の業務用4K液晶ディスプレイ新モデル「DP-V2411」を12月に発売する。想定売価は200万円前後。

24型の業務用4K液晶ディスプレイ新モデル「DP-V2411」

 「DP-V2411」は撮影、画角・フォーカス確認、オンセットグレーディング、色・階調・ディテール確認などでの利用を想定したディスプレイで、105mmの薄型筐体や、約12kgという軽量さ、HDR確認に適した600nitの輝度性能などを備えているのが特徴。

 液晶パネルの解像度は4,096×2,160ドットでIPS。輝度は100cd/m2だが、輝度ブースト機能をONにすると、1,000nitまで表示が可能。全画面白輝度の場合でも、600nitを実現。その場合でも、長時間使用できるよう冷却にも気を配っている。視野角は上下左右89度。バックライトは直下型LED。

背面

 4K HDR映像確認に適した高輝度性能を備える事で、撮影現場などでも、HDR映像を編集現場に近い環境で確認できる。さらに、液晶ディスプレイとしての黒浮きを低減しており、高いコントラスト性能を実現した。

 また、HDR対応ディスプレイは、明部の表示面積の割合が高くなるほど、全体の表示輝度が低下するという課題があった。DP-V2411では、明部の表示面積の大小に関わらず、入力信号に応じた輝度を安定して表示できる。

 4K解像度のパネルで、デジタルシネマやハイビジョン放送の規格に準拠した信号を、ドット・バイ・ドットで表示可能。2K映像時の場合は、シャープトレース、バイキュービック、ニアスレストネイバーのタイプから選択できる。

 12G-SDI入力端子を備え、従来はSDIケーブル4本で伝送していた4K/60p映像を、SDIケーブル1本で伝送できる。映像フォーマットは4K YCbCr 4:2:2/60pに

 12G-SDI入力端子は4系統備えており、それぞれに4K/60p映像を入力可能。4系統の4K/60p映像を切替ながら使うことができる。

 外部操作を考慮したインターフェイスも搭載。XLRのDC 24V端子を備え、LAN/REMOTEもサポート。背面にはヘッドフォン出力、USB端子やAC電源入力、DC入力も装備する。

 EOTFは、キヤノン独自のCanon Log/2/3や、ITR-R BT.2100、SMPTE ST 2084で定義されたハイブリッドログガンマやPQに対応する。また、作成した1D-LUTを8つまでインポートできる。

 HDR制作をサポートする機能として、画質確認したいHDR規格信号や、Log信号のダイナミックレンジを、ディスプレイが出力可能な輝度に収めて表示したり、ハイライトレンジ部を除いて必要なレンズの輝度部分を表示するといった、「HDRレンジ可変調整機能」を装備する。

 波形モニターもHDRに対応。信号の輝度レベルを各規格に沿って確認できる。輝度の信号に応じて異なる色で表示するフォルスカラー機能もHDRに対応する。

フォルスカラー機能

 2画面表示機能も強化。従来の、異なる2系統の映像を2画面比較表示するだけでなく、1系統の同一映像を2画面比較表示できるようになった。これにより、1つの映像をHDRで表示したときと、SDRで表示した時の比較表示も可能。左右に画面を縮小して並べるほか、画面中央で分割するカタチで、2画面を表示する事もできる。

 「2-Sample Interleave」にも対応。4K映像を2ピクセルごとに分割した、4つのサブ画面(2K/HD)として送信し、ディスプレイ側で結合して4K表示を行なえる。2画面表示、4画面表示、ズーム表示、ピーキング表示機能も用意。撮影時に冷却ファンを一時停止し、静かな撮影現場に配慮する機能も備えている。

 ベクトルスコープや、USBメモリを接続して映像を画像ファイルとしてキャプチャする機能、フレームホールド機能なども備えている。

 入力端子は12G-SDI×4。HDMI×1も備え、12G-SDIのパススルー出力も1系統装備。外形寸法は576×180×437mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約12kg。消費電力は最大約230W。

端子部