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キヤノン、業務用4Kディスプレイに機能拡張ファーム。高輝度化の有償サービスも

キヤノンの業務用4Kディスプレイ

キヤノンは、業務用4Kディスプレイを対象に、機能・性能の向上を図るファームウエアを6月下旬より無償提供する。新たに「.cube」形式のLUTファイルに対応するほか、REDカメラ連携やHDRモニタリングアシスト機能の拡張が追加される。

対象の4Kディスプレイは、DP-V1710、DP-V1711、DP-V2410、DP-V2420、DP-V2421、DP-V2411、DP-V3120の全7機種。

新ファームウエアにより、映像制作業界で広く使われているファイル形式「.cube」の3D-LUT/1D-LUTファイルの読み込みに対応。色味の調整を行なうカラーグレーディングにおいて、ユーザーが求める映像にするための作業を効率化し、利便性を向上するという。

RED Digital Cinema製デジタルシネマカメラとの連携強化。同社製カメラの映像信号をHDR(PQ)/SDRに変換する2種類のLUTをディスプレイ本体内にプリセットする。ユーザー自身でLUTを用意する必要がなく、撮影した映像をHDRやSDRで表示できるようになる。

加えて、撮影や編集作業時、「ITU-R BT.2020」色域の映像において、ユーザーが任意で指定したピクセルのxy色度値と色度図上の座標位置も確認できる。

色度図表示のイメージ

入力信号の不正信号検出や接続間違いなどのエラー履歴を最大1,000件までUSBメモリーに書き込めるため、いつどのようなエラーが発生したかを追跡できるほか、DP-V3120の場合は、2,000cd/m2と1,000cd/m2など異なる輝度の映像を、ボタン一つで簡単に左右に並べて比較表示できるようになる。

DP-V1710/V1711を高輝度化する有償アップグレード

17型4Kディスプレイ「DP-V1710」「DP-V1711」を対象に、最大輝度が向上するアップグレードライセンスを6月下旬より有償で提供する。価格は10万円。

17型4Kディスプレイ「DP-V1710」「DP-V1711」

アップグレードにより、ディスプレイに「ブースト(コントラスト)」設定が追加。「オン」を選択するとバックライトの発光量を画面全体で制御するグローバルディミング制御となり、最大・全白輝度が従来の300cd/m2から1,000cd/m2へ向上する。

また 「オフ」選択時はローカルディミング制御に切り替わり、全白・ピーク輝度が従来の300cd/m2から600cd/m2に向上する。これにより、高輝度部の階調表現力が向上し、明るい撮影現場、スタジオや中継車などで高輝度の映像を確認する際に役立つとしている。

全白・ピーク輝度が、ブースト時で1,000cd/m2、ローカルディミング時で600cd/m2に拡張