ドコモ、4型タッチ液晶Android端末「Xperia」を4月発売
-ソニー・エリクソン製。AAC音楽配信「mora touch」も
NTTドコモは、Android OSを搭載したソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製スマートフォン「Xperia」(エクスペリア/SO-01B)を4月に発売する。
「Xperia」は、OSにAndroid 1.6を採用。ディスプレイは4型/480×854ドットのタッチパネル液晶で、ボディカラーはSensuous Black(センシュアスブラック)とLuster White(ラスターホワイト)。
ソニー・エリクソンでは、同端末を2009年の11月に発表しており、日本を含む世界で2010年第1四半期に、各国のキャリアを通じて発売すると予告していた。
キーボードを搭載しないフルタッチ操作のストレート型端末。本体下部に3つのボタンを備える。内蔵メモリは1GBで、CPUの動作周波数は1GHz。外部メモリはmicroSDHCカードを使用し、16GBのカードが同梱される。
フルブラウザを搭載し、 Google検索やGmailやGoogleマップなどが利用できる。また、YouTube閲覧機能も搭載し、YouTubeの高画質モードにも対応している。IEEE 802.11b/gの無線LANや、Bluetoothも搭載する。内蔵カメラは810万画素。16倍のデジタルズームや顔認識AFなどを搭載する。なお、iモード、ケータイデータお預かりサービス、おサイフケータイ、ワンセグ、iアプリオンライン、iウィジェット、iコンシェル/オートGPS、マイエリアには対応していない。
外形寸法は119×63×13.1mm(縦×横×厚さ)、重量は約139g。連続待ち受け時間は3Gで約300時間、GSMでは約230時間。連続通話は3Gが約290時間、GSMが約270時間。
Sensuous BlackとLuster White | 縦画面時と横画面時 |
背面にカメラを装備 | 側面 | イヤフォンとUSBの端子は天面 |
iPhone 3GSと比較 | iPhone 3GS(左)とキーボード比較 |
ホーム画面の左から2番目にあるアイコンがMediascape |
動画/音楽ファイルはサムネイル表示から選択して再生可能。また、「最近追加したファイル」や「最も多く再生されたファイル」などから選ぶこともできる。
再生対応フォーマットは発売まで調整中としているため未定だが、現時点で決まっているのは動画がMPEG-4 AVC/H.264で、音楽はMP3/AACをサポートする。DRM付きファイルへのサポートや、解像度やビットレートなどの上限についても明らかにしていないが、「Media Goで扱えるファイルはサポートしたい」(ドコモ)としている。そのほか、Bluetoothも搭載し、音楽再生などに利用可能。対応プロファイルはA2DP/AVRCP/HSP/HFP/OPP。
動画や音楽のPC取り込みと管理、端末への転送には「Media Go」を使用する。新感覚のアドレス管理機能「Timescape」も備え、友人との電話やメール、mixi、twitter、facebookなどのSNSのやりとりを全て検索/一覧表示できるという。アプリなどが購入できるAndroidマーケットに対応するほか、端末の発売に合わせて、「ドコモマーケット」も4月より展開。Xperiaのほか、docomo PROシリーズのHT-03Aも同サービスの推奨端末としている。
音楽再生時(楽曲情報表示) | 曲などの管理はMedia Goを使用 | 音楽再生中に「infinite」を押すことで、関連情報へリンク |
mora touch |
Xperiaの発売に合わせて、レーベルゲートがAndroid携帯向けの音楽配信サービス「mora touch」をスタート。Androidの機能やタッチパネルを活かしたインターフェイスを採用し、AAC形式でビットレート128kbpsで音源を配信する。
携帯電話向け配信は、これまで1曲ずつの配信が基本だったが、新たに、アルバムの一括購入などに対応。ビデオも最高解像度640×480ドットの配信を予定している。なお、「mora touch」は、上記の「Mediascape」とは別の専用アプリで楽曲の購入と管理を行なうもので、PCからのサービスへのアクセスや、楽曲のPCへのバックアップは行なえない。
mora touchの楽曲選択画面 | 購入画面 | 購入した動画を再生 |
また、通話料のプランなども改定。「パケ・ホーダイ ダブル」の定額料金に、スマートフォン向けのプランを用意し、従来の「iモードフルブラウザ」向けの上限額と同じ月額5,985円となる。
発表会では、Xperia発売に合わせ、Androidアプリデベロッパによる新アプリの展示も行なわれおり、MTVによるPV動画視聴アプリや、フリービットによるServersMan@Androidなどが紹介されていた。
MTVのアプリ。ニュースや動画などが視聴できる | ServersMan@AndroidはXperiaに合わせてアップデートも計画 |
■ 「新感覚エンタテインメントマシン」。ドコモマーケットは“オープン”に
ドコモの山田隆持社長 |
「エンタテインメント」については、「Mediascape」で動画/音楽/静止画などを直感的に操作できることや、前述のインフィニットボタンによるWebコンテンツとの連携などを紹介。「フォトコミュニケーション」では、写真の顔認識機能と連動して、電話/メール/Twitterなどのコミュニケーション履歴をシームレスに閲覧できることを強調した。また、「ハイスペック」については、1GHz CPUと4型WVGA液晶を活かした高画質動画再生や、送信最大2.0MbpsのHSUPA対応などを挙げ、これらを総合して「新感覚エンタテインメントマシン」としてアピールした。
山田社長が掲げた3つの訴求ポイント |
新たに始める「ドコモマーケット」については、「オープンアプリケーションの総合マーケット、百貨店にしたい。アプリを作った人がそこにアップロードして、必要なものは有料または無料でダウンロードしていただく。Androidだけではなく、Windows Mobileも含めて展開したい。基本思想は“オープン”なところでやっていきたい」とした。
なお、ドコモマーケットの支払いについては、4月時点ではドコモの料金とは別に支払う形となるが、「年内にはドコモの通信料で払っていただくようにしたい」と課金方法の変更についても示唆した。
続いて、ソニー・エリクソン・モバイル・コミュニケーションズのバート・ノルドベリ社長が登壇。「Xperiaは、グローバルな開発拠点である東京のチームが中心となってプロジェクトを率いた。今回、携帯電話市場で最も進んでいる日本で発売されることはうれしい」とした。
また、「Xperiaは、我々の“コミュニケーションエンタテインメント”という戦略を実現する上で重要な製品。去年の9月に発表したソニーグループの“make.believe”というビジョンも、Xperiaによって実現されるだろう」と自信を見せる。「我々の世界戦略でも重要なのは、デベロッパーの方々と共同で豊富なアプリケーションを提供すること。ドコモの信頼できる通信基盤をもってすれば、ユーザーにAndroidで新しい多くのアプリケーションを提供できると確信している」と日本市場への意欲を表した。
前述の「mora touch」サービスを提供するレーベルゲートの佐藤亘宏社長も来場。サービス開始にあたり「従来のマーケットの置き換えではなく、新たにアドオンするマーケットを創造できるものになるだろう。我々サービス/配信事業者だけでできるものではない。携帯キャリアの積極的な施策や、端末が出て初めてサービスが成長すると思う。今回はその第一歩。Androidなので、まだまだサービスは進化する」とコメントした。
ソニー・エリクソンのバート・ノルドベリ社長 | レーベルゲートの佐藤亘宏社長 |
(2010年 1月 21日)
[AV Watch編集部 中林暁]