【CEATEC 2011】パナソニック、2眼3D「LUMIX」など

-4日開始のVIERA CONNECTをデモ。アクトビラも強化


パナソニックブース

 4日に開幕した「CEATEC JAPAN 2011」のパナソニックブースは、テレビを中心としたネットワークサービス「VIERA CONNECT(ビエラ・コネクト)」や、3Dカメラなどを紹介する「ネットワークAVゾーン」と、家庭用蓄電池や電気自動車などを紹介する「エナジーソリューションゾーン」のコーナーで構成。3D対応製品では、同社コンパクトデジカメで初の2眼対応3Dカメラなどが参考出展されている。



■ 2眼レンズ搭載の3D対応LUMIXを参考展示

2眼レンズ搭載コンパクトデジカメの試作機

 3D関連製品のコーナーでは、2つのレンズを搭載して3D撮影が可能な「LUMIX」の試作機を参考展示。動画の3D対応など、詳細については一切明かされなかったが、本体には「AVCHD」のロゴも冠している。天面にはステレオマイクを内蔵。なお、ファインダーは備えておらず、撮影は液晶を見ながら行なうとのこと。そのほか本体の表示からは、25mmからの広角撮影に対応することや、光学手ブレ補正の「MEGA O.I.S」を搭載していることなどが読み取れる。

 現在、LUMIXの3D対応コンパクトデジカメでは、3D静止画機能として本体を横にスライドする撮影方法を採用しているが、より人間の見え方に近い3D表示を実現するため、2眼レンズを採用。発売は今冬以降を予定している。価格は未定。会場では、この試作機で撮影した3D静止画サンプルをテレビで表示していた。

 そのほか、9月30日に発表された、セミプロ向けという2眼3Dビデオカメラ「HDC-Z10000」も展示。新3MOSを搭載し、新開発のレンズと4K/2K相当の映像処理が可能なエンジンなどを搭載し、AVCHD 3D撮影が可能なことが特徴となっている。


天面。ステレオマイクを内蔵している側面この試作機で撮影した3D静止画
HDC-Z10000内部構造コンバージョンレンズで3D撮影が可能なビデオカメラの現行モデルも展示


■ VIERA CONNECT

VIERA CONNECTのトップ画面

 CEATEC開幕と同じ10月4日よりサービスが始まった「VIERA CONNECT」のコーナーでは、VIERA 2011年モデルで対応した映像配信や、オンラインショッピングサービスなどを紹介。スマートフォン/タブレット用のリモコンアプリ「VIERA Remote」を使ってデモを行なっている。

 4日の午後から、新たに「MLB.TV」など17種類のコンテンツを追加。従来の「テレビでネット」で提供しているものを合わせて28種類のラインナップとなっている。この日始まった「MLB.TV」は、米メジャーリーグの視聴したい対戦カードを選んで、好きな回のシーンを視聴できるというもの。このほかにゲームコンテンツの配信も開始され、「UNO」や「アスファルト5」といったGAMELOFTのゲームが配信されている。動画コンテンツは基本的にストリーミング再生だが、ゲームはSDカードにダウンロードする形となる。

 提供中の映像配信サービスHuluは、VIERA CONNECT上で新規加入や番組の購入が可能。テレビで観ていた番組の続きを外出先でスマートフォンを使って視聴することもできる。通販サービスのビエラ・コネクト・マーケットでは、3DメガネやSDカードといった製品を購入できる。

 そのほか年度内提供予定のコンテンツとして、TBSの「ゴルフ動画検索」などが予定されている。ゴルフ動画検索のサービスの特徴は、ゴルフ番組を視聴中に、画面に映っている選手以外のプレーも観られるというもの。選手名とホールが一覧表示され、観たい部分を選んで視聴できる。

ゲーム購入などが行なえる3Dメガネなどのオンラインショッピングもゴルフ動画検索の画面、好きな選手の好きなホールを視聴できる

 年度内予定のサービスでは、ほかにも動画共有サイトの「Daily motion」や、動画配信サービス「TSUTAYA TV」、「DMM.TV」、テレビ向け配信は初となる電子書籍の「ビューン」などがある。

 さらに今後予定されているサービスとして、TwitterやFacebookなどのSNSサービスと連携する「ソーシャルTV」をデモ。Twtter連携では、放送を観ながら、番組に関係するツイートを画面の右または下に表示できる。また、PC向けに展開しているオンライン写真共有サービス「LUMIX Club PicMate」を、テレビ向けに最適化して表示することも計画。将来的には、テレビに接続したLUMIXから写真をアップロードすることについても検討している。

年度内に開始予定のサービスTwitter連携画面の例パナソニックの大坪社長もVIERA CONNECTのコーナーを視察していた


■ アクトビラが6日リニューアル

リニューアル後のアクトビラトップページ

 同社ブース内に設置されていたアクトビラのコーナーでは、10月6日より実施される予定のリニューアルについて紹介。大きな変化は、トップページにこれまであった枠の部分を無くし、テレビの画角に合わせて広く表示できるように最適化を行なうという点。

 従来はトップの解像度は800×450ドットだったが、パナソニックやソニーの新モデルでは960×540ドットに、画角の違う他社のテレビでは920×480ドットになる。また、アクトビラ ビデオの映像選択では、今まで作品名のテキストのみのリスト表示から、サムネイル付きの表示に改善。ページ遷移や画面スクロールの速さについても、テレビの処理性能向上に合わせて向上させた。


主な改善点ページ遷移時などもストレスを感じさせない軽快な動作に購入画面など、画像の表示も大型化する


スマートフォンで動画などを検索。再生中はワンタッチスキップや一時停止などが行なえる

 また、今後予定されている、アクトビラ ビデオとスマートフォンの連携についてもデモ。スマートフォンに専用アプリを入れることで無線LANリモコンとして使えるもので、ビデオの選択だけでなく、再生中のワンタッチスキップや頭出し、一時停止などの操作も可能。再生番組の操作はテレビを通して行なうのではなく、サーバーに直接アクセスする。スマートフォンとテレビをあらかじめ紐付けすることにより、こういったことが可能になる。提供時期は今年度内を見込んでいる。アプリだけでなく、ブラウザベースでの操作についても検討中。

 さらに、スマートフォンなどでアクトビラの映像を観ることについても前向きで、テレビで観ていた続きをスマートフォンで観るといったことなどを検討。今回のCEATECにおいてニーズを探りつつ、これから1年前後のスパンで実現に向けて取り組んでいくとしている。

 レコーダの「ブルーレイDIGA」のコーナーでは、秋モデルのDMR-BZT710以上の機種で対応している動画/静止画スライドショー作成機能「動くアルバムメーカー」を紹介。

 これは、ビデオカメラやデジタルカメラで撮った動画/静止画を、ウィザードに従って操作することで、簡単に1つのスライドショーにできるもので、背景やデコレーションの追加も可能。BD/DVDに書き出せるほか、SDカードに保存することも可能。今後は、SNSアップロードといったオンライン対応も計画しており、次期以降のモデルで検討するという。


エネルギーソリューションのコーナー。家電をネットワークで接続し、テレビやスマートフォンの画面で電力状況のモニタリングや遠隔操作などを可能にする薄型ながら5kW/hに対応した家庭用蓄電池も参考展示。ノートPCの「レッツノート」で採用しているものと同じ電池をベースにしている。太陽光発電や、ガスなど他のエネルギーと組み合わせた形での節電を図るという発売中のポータブル電源「CB-LS01H-K」(実売10万円前後)。10型テレビの場合、約2.5時間動作するという


(2011年 10月 4日)

[AV Watch編集部 中林暁]