ソニー、「空間光学手ブレ補正」搭載の業務用カムコーダ

-プロジェクタ内蔵、重さ1.1kg。約22万円


HXR-NX30J

 ソニーは、業務用カムコーダとして初めて「空間光学手ブレ補正」機能を搭載したNXCAM「HXR-NX30J」を6月7日に発売する。価格は22万500円。

 ズームアップ時の手ブレも効果的に補正できるという「空間光学手ブレ補正」機能を搭載したNXCAMカムコーダ。片手での操作が必要な単独取材や、歩きながらの取材でも、安定した手持ち撮影が行なえるという。さらに、業務用カメラとして初めて本体にプロジェクタ機能を内蔵し、最大100インチの画角で投写できることも特徴。撮影時総重量は約 1.1kg(付属フード/バッテリ/マイク/XLRアダプタ装着時)。


「空間光学手ブレ補正」のイメージ図

 「空間光学手ブレ補正」は、レンズからイメージセンサーまでで構成されるレンズユニット(鏡筒)全体を稼働させることで、手ブレを補正する機能。広角端から望遠端まで、全ての撮影範囲で強力な手ブレ補正能力を実現。歩きながらの撮影や、望遠時の撮影でも手ブレを抑える。さらに、レンズユニットの可動範囲を最大限に拡げ、ブレ補正効果を最優先にする「FIXED SHOT モード」を搭載。手持ち撮影時に長時間画角をキープし続けたい場合に有効だという。

 レンズは「バリオゾナーT*レンズ」で、光学10倍ズーム。35mm換算の焦点距離は26~260mm。絞りは6枚羽根の虹彩絞り。F値はF1.8~3.4。 17倍の「エクステンデッドズーム」や、120倍のデジタルズームも可能。レンズのフィルタ径は52mm。

 撮像素子は裏面照射型CMOS「Exmor R」で、小型カメラながら低ノイズ/高感度での撮影を実現。センサーサイズは1/2.88型(16:9)で、総画素数は665万画素、16:9動画の有効画素数は614万画素。

 業務用の機能としては、タイムコード/ユーザービット設定に対応。他のNXCAMカムコーダと同様に、赤外線リモコンによる一括リセットやタイムコードフリーランが行なえ、複数のNXCAMで収録したライブ映像を、NLEソフト上のタイムコードシンクロ機能で効率よく編集できる。

 マイクを内蔵するほか、着脱可能なXLRアダプターが付属。入力レベル、アッテネーター(0/10/20dB)、ローカットフィルターなどの設定が可能。コンデンサーマイクへのファンタム電源供給も行なえる。

 動画撮影は1080/60p記録(最大28Mbps)に対応。AVCHD Ver.2.0に対応したノンリニア編集ソフトウェアで24p設定のタイムラインに展開することで、最大2.5倍の滑らかなスローモーション映像に変換することもできる。そのほかにも1080/60i、30p、24pや、720/60pなどで記録できる。音声記録はリニアPCM(HD画質のみ)またはドルビーデジタルで、いずれも16bit/48kHzのステレオ。

 内蔵のプロジェクタ機能により、5m先に最大100型で投影可能。撮影時の映像を、その場のスタッフ全員で確認できるという。プロジェクタのデバイス解像度は640×360ドットで、明るさは最大20ルーメン。

 記録メディアは96GBの内蔵メモリまたは、メモリースティックPROデュオ/PRO-HGデュオ、SD/SDHC/SDXCメモリーカードに対応。内蔵メモリの場合、HD(FXモード/24Mbps)で約9時間、SD(9Mbps)で約24時間記録できる。

 その他の特徴として、静止画撮影時のフラッシュやビデオ収録時の補助光として活用できる内蔵ライトを搭載。ナイトショットモード共に活用することで暗闇でも映像を収録できるという。HDMI出力にはTC/UBを充填して出力する機能を搭載。動画/静止画の同時記録も可能(PSモード/FXモード撮影時以外)。GPS機能も搭載。動画/静止画撮影時に位置情報を記録し、付属の管理ソフトウェア「Content Management Utility」を使って地図ソフトと連携できる。

 液晶モニタは3型/約92.1万画素(1,920×480ドット)。ビューファインダは0.2型/カラーで、約20.2万画素相当。外形寸法は、約135.5×310.5×181.5mm(幅×高さ×奥行き。付属フード/バッテリ/マイク/XLRアダプタ含む)。本体のみの重量は約615g、撮影時総重量は約1.1kg。



(2012年 4月 2日)

[AV Watch編集部 中林暁]