Cerevo、720p対応のライブ配信機「LiveShell Pro」

-54,999円。HDでUstream/YouTube Live/ニコ生配信


LiveShell Pro

 Cerevoは5日、Ustreamやニコニコ生放送、YouTube LiveなどにPCレスで動画配信できるライブ配信機器「LiveShell」の上位モデル「LiveShell Pro」を10月より発売する。直販価格は54,999円で、同社直販サイトやAmazonなどで販売する。

 '11年に発売した「LiveShell(26,800円)」の上位モデルで、新たに720pのHD映像配信に対応。最高1,280×720ドット/10Mbpsの映像をMPEG-4 AVC/H.264でライブ配信できる。また、モニター出力を装備したほか、バッテリも単3電池×3ではなく、専用充電池となった。なお、LiveShellも引き続き販売される。


LiveShell Pro背面
LiveShell Proをもつフラップガールズスクールの青山玲奈さん

 入力端子は、HDMIとコンポジット、アナログ音声(ミニ)、プラグインパワー対応のマイク(ミニ)を各1系統装備。ネットワーク機能としてはEthernet(有線)とIEEE 802.11b/g/nの無線LANに対応する。有線LANやモバイルルータと接続することで、パソコンを介さずに、ビデオカメラのHDMI/アナログ出力映像をライブ配信可能。

 ビデオカメラから出力されたHDMI信号などをLive Shell Proに入力し、Live Shell ProからUstreamやニコニコ生放送、YouTube Live、livestreamなどのサービス向けに配信できる。

 HDMIの対応入力解像度は480p/720p/1080iで、配信解像度は最高1,280×720ドット。MPEG-4 AVC/H.264エンコードで、新たにHigh/Main/Baselineプロファイルを選択可能となった。ビットレートの上限は10Mbps。音声もAACとなり、ビットレートは最高256kbpsまでに強化された。

LiveShell Pro背面LiveShellとの比較

 各種設定は、HTML5ベースのWebサービス「Dashboard」から行なう。Dashboardにはタブレットやスマートフォン、PCなどからアクセスし、画質や画角などを変更できる。新たに好きな画角へのクロップ機能や、H.264のプロファイル選択などもDashboard上から可能となった。

Dashboardプロファイル変更なども可能にYouTube Liveで10Mbps/720p配信
カメラのアクセサリシューに固定して利用

 本体はアルミ製で、下部には三脚穴も装備。バッテリは専用充電池で、約3時間の連続配信が可能。ACアダプタでも動作する。交換用バッテリも用意するが、価格は未定。外形寸法は123×90×26mm(幅×奥行き×高さ)、重量は300g(充電池搭載時350g)。ACアダプタやHDMIケーブル、設定用ケーブルが付属する。



■ 「ライブ配信のプロに展開」

Cerevo代表取締役の岩佐氏

 Cerevo代表取締役の岩佐琢磨氏は、同社のライブ配信機器への取り組みを紹介するととも、'11年に発売した「LiveShell」の販売状況について説明した。

 LiveShellの累計販売台数は「数千台の中盤」とのこと。LiveShellは、北米や欧州でも販売開始しており、これまでの販売構成比は日本が6割、北米/欧州で4割。「アキバの小さなベンチャーですが、意外やグローバル企業になっている。むしろ海外が伸びており、今年中には半数以上が海外になると予想している(岩佐氏)」という。

 新製品のLiveShell Proについては、高画質、高音質を求める「ライブ配信のプロ向け」と位置づける。放送局のカメラや送出機のような「映像のプロ」の市場ではなく、ミュージシャンや団体などが、「自分でコンテンツを持っていて、半ば職業的にやっていこうという人」向けに展開。PCを使わずに、映像を安定して高画質に配信できる点を訴求していく。

4割は海外での販売ライブ配信のプロ向けに展開

 同社は2010年5月のCEREVO CAM live!の発売から、ライブ配信機器について2年以上取り組んでおり、「ライブ送出機のマーケットではリーダーシップを取っていける」(岩佐氏)とする。

 一方で、ベルリンで開催中のIFA 2012ではJVCがライブ配信対応のカメラを発表、SamsungもAndroid搭載のカメラ「GALAXY Camera」を発表するなど、大手も徐々に力を入れつつある。岩佐氏はCerevoの強みについて、「(ライブ配信カメラには)一回製品化した人でないとわからない機能、ノウハウがある。そこを掴んで実装できる。また、Android端末と専用機は違い、GoogleやAdobeのアプリ仕様に依存する部分がない。Dashboardの細かい作り込みの部分などで勝負できる」とした。


(2012年 9月 5日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]