ニュース

Eye-Fi、スマホで簡単に初期設定できる無線LAN SDカード「Eye-Fi Mobi」

Eye-Fi Mobi 16GB

 アイファイジャパンは、無線LAN内蔵SDHCカード「Eye-Fi」の新製品として、iPhone/Androidスマートフォンから簡単に初期設定できる「Eye-Fi Mobi」(アイファイ モビ)を6月14日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は16GBが7,980円前後、8GBが4,980円前後。

 デジタルカメラからワイヤレスでパソコンやスマートフォン、写真共有サイトなどに転送/アップロードできるEye-Fiカードの新製品。特徴は、iOS/Android向けに提供中の無償アプリを使うことにより、PCレスで簡単に初期設定が行なえる点。無線LANルーターが無い場所でも簡単に使い始められる。

Eye-Fi Mobi 16GB
Eye-Fi Mobi 8GB
Mobi 16GBのパッケージ
Eye-FiのiOS用アプリ(画面の右下)

 初期設定は、iOS/Androidアプリをスマートフォンなどにインストールして、Eye-Fi Mobiのカードケースに記載された10桁の認証キーを入力後、案内に従ってプロファイルをインストールするだけで完了。スマートフォンへ直接転送する「ダイレクトモード」へ移行する。複数の端末とペアリングする際も、同じコードで設定可能。

 アプリはiOS 5.1以上、Android 2.3以上に対応。AmazonのKindle Fire向けアプリも用意している。対応カメラはEye-Fiのサイトで案内している

 Eye-Fi Mobiからスマートフォンなどへ転送できるファイルは、動画がAVI、MP4、MPG、MTS、MOV。静止画がJPEG、PNG。転送したファイルの保存先は、iOS端末の場合はカメラロール、Androidは専用フォルダ内。そこからFacebookやTwitter、LINEなど他のアプリで共有できる。

 現在NTTドコモが販売している「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」も、同様にAndroidスマートフォンで簡単に認証できることが特徴だが、「Eye-Fi Mobi」はAndroidだけでなく、iOSアプリからも同様の設定で登録可能。

カードケースにコードを記載
アプリに入力する
プロファイルをインストールして完了
アプリ画面の左上のアイコンで接続状態を表示。赤は未接続の状態、オレンジはダイレクトモード時
転送中は左上のアイコンが緑色に
カードと通信していない状態のときには、接続方法などを案内

 スピードクラスは既存のEye-Fiカード「Eye-Fi Pro X2」(実売9,980円)と同じClass 10。Pro 2との違いとして、Mobiはパソコンへのワイヤレス転送やオンラインストレージなどへのアップロードは行なえないほか、カードがいっぱいになったときに古いファイルから順に削除するエンドレスモードや、ジオタグ(位置情報)機能、RAW画像転送にも対応しない。一方、無線LANルーターなどに接続しないため、Pro 2などのようにEye-Fiが起動時に一旦ルーターを探してからダイレクトモードへ移行するのではなく、すぐにダイレクトモードが使用できることを利点としている。なお、Pro 2カードも引き続き販売する。

転送した動画を再生しているところ
写真の右側は、初期に表示されるヘルプ画面
パッケージの背面(16GB)
製品Eye-Fi Mobi 8GBEye-Fi Mobi 16GB【参考】
Eye-Fi Pro X2 16GB
スピードクラスClass 10Class 10Class 10
簡単設定-
スマホ/タブレットへの
自動転送
ワイヤレスPC転送--
オンラインアップロード--
エンドレスモード--
ジオタグ機能--
RAW画像転送--
実売価格4,980円前後7,980円前後9,980円前後

世界で最も使いやすいワイヤレスメモリーカード

米Eye-FiのMatt DiMaria CEO

 12日に行なわれた発表会には、4月に新しく米Eye-FiのCEOに就任したMatt DiMaria氏が登壇。Eye-Fi Mobiと、今後の事業展開などについて説明した。

 これまで、「Creator」や「Toaster」などのPCソフトで知られるRoxioに在籍していたDiMaria氏は冒頭、「デジタルメディアに対して大きな情熱を持っており、Eye-Fiに参加できてうれしい」と述べた。

 Eye-Fiの現状については、昨今のスマートフォン/タブレットの急激な普及を受け、Eye-Fiユーザーのうち、ほぼ半数が(PC経由ではなく)スマホへのダイレクト転送を行なっているという。DiMaria氏は「スマホ/タブレットに写真を送る機能は、これまで“あったらいいね”というものだったが、これからは“なくてはならないものになるだろう”」とした。

 「スマホなどのカメラの高機能化で、デジカメが不要になるのでは」という意見に対しては、InfoTrendsの調査で「ワイヤレス伝送ができると、カメラの使用頻度が増えた」というデータを挙げ、無線LAN SDカード利用による効果をアピールした。

 その一方で、既存のデジカメには、無線LAN接続してアップロードするまでの操作が初心者には煩雑な点を指摘。さらに、Eye-Fiユーザーの動向として、クラウドに自動アップロードする人が初期の頃から半減したという。Eye-Fi Mobiは前述の通りシンプルな機能に特化したことを挙げ、「(従来モデルの)X2 Proは世界で最もパワフルなワイヤレスメモリーカード、Mobiは世界で最も使いやすいメモリーカード。このラインナップで、あらゆるデジカメユーザーにEye-Fiを提供できる」と述べた。現在の販売枚数や目標について、具体的な数字は明らかにしなかったが、Mobiの投入により、現在の2倍以上の販売枚数を目指すという。

(中林暁)