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4Kテレビの販売台数は50型以上の2割に拡大、W杯効果でレコーダも回復

ソニー独走から「4K本格競争」に。BCN調査

道越一郎アナリスト

 BCNは12日、薄型テレビやデジタルカメラ、スマートフォン、タブレットなどデジタル家電の2014年5月の販売動向や、消費税増税後の反動について調査結果を発表。5月の販売台数は前年割れとなったカテゴリーが目立ったものの、販売金額ではテレビなど前年同期を越えたものも見られ、増税前駆け込み需要の反動から回復傾向にあるとした。

 テレビ関連では、4K試験放送が開始されたことで、今後4Kテレビ市場が本格的に競争環境に突入するとの見方を示した。また、サッカーのワールドカップ開催を前に、レコーダの売上が回復傾向にあるとした。

 BCNの市場分析は、家電量販店など全国22社、2,431店舗(2014年3月現在)のPOSデータを集計したBCNのデータをもとに行なっている。Amazonなどを中心としたネット店舗のデータも加味した形で前年同月比を算出。メーカー直販店の売上は含まれない。発表データ内の金額は全て税抜きとなる。

 5月のデジタル家電全体の販売金額の伸び率を示すBCN指数は、前年同月比97%となり、4月の97.9%に続いてマイナスで推移した。しかし、一部のカテゴリではすでに回復の傾向が見られるという。BCNの道越一郎アナリストは、「増税の影響は見られたものの、5月にはテレビやレコーダ、タブレットなどの販売金額が前年同期比でプラスに転じており、影響は一時的なものに留まった」と説明した。

発表の概要
BCN指数の推移

4Kの販売台数比率は50型以上で初めて2割超に。年末商戦に向け4K市場は本格化

液晶テレビの販売台数/金額の推移

 5月の液晶テレビの販売金額は前年同月比105%、販売台数は90%で、増税の影響を受け落ち込んだ4月(販売金額比84.2%、販売台数比74.3%)と比較すると、回復基調に転じた。サイズ別では、20型未満と30型台でマイナスとなったものの、50型以上の販売金額・台数がともに120%以上となり、大型モデルの好調が全体をけん引している。

 4K対応テレビの全サイズに占める販売台数の割合は2.4%だが、50型以上に限れば20.2%と、初めて2割を突破。販売金額比では36.5%と、4割近くまで上昇している。道越氏は、「6月2日に4K試験放送が始まったが、受信チューナはまだ一般販売されておらず、4Kテレビが夏商戦をけん引する効果は小さいと思われる。チューナや対応レコーダが発売される今秋以降、年末商戦に向けて本格的な4K市場の立ち上がりが期待できる」と述べた。

 また、4K対応テレビのメーカー別販売台数シェアは、4月まで長期間独走を続けてきたソニーが20%以上シェアを落とす一方、東芝とパナソニックが大きく伸長。各社が'14年春モデルを投入したことで、4K対応テレビ市場での競争が本格化しているという。5月の販売台数シェアは、1位のソニーが54.5%(4月76.5%)、2位の東芝が20.7%(同8.9%)、3位のパナソニックが16.2%(同3.8%)、4位のシャープが8.6%(同10.7%)となった。4K対応テレビの平均単価は33万400円となっている。

 5月の液晶テレビ全体のシェアは、1位のシャープが41.8%(4月45.8%)、2位のパナソニックが17%(同14.7%)、3位の東芝が14.3%(同11%)、4位のソニーが11%(同8.6%)となっている。

4K対応テレビの販売台数/金額推移
4K対応テレビのメーカー別シェア/平均単価

録画市場はW杯効果で活況

 Blu-rayレコーダの販売状況は、4月に販売台数が前年比70.2%に落ち込んだが、5月には前年比93.7%まで回復。道越氏は、「レコーダは液晶テレビに比べ、地デジ化バブルからの回復が鈍かったが、ここにきて回復の足取りがしっかりしてきた。サッカーワールドカップの開催地が時差の大きいブラジルということもあり、録画市場に好影響を与えていると思われる」と分析した。また、現在の液晶テレビは9割以上が外付けHDDへの録画機能を備えており、5月の外付けHDDの販売も前年比102.4%で好調に推移した。

 BDレコーダのメーカー別販売台数シェアは、1位のパナソニックが33.1%、2位のシャープが24.4%、3位の東芝が21.9%、4位のソニーが19.7%となっている。

レコーダの販売台数/金額推移
メーカー別シェア/平均単価

PCは特需終わり先行き不透明。スマホも3月特需からの戻り弱く過去最低水準に

森英二アナリスト

 Windows XPのサポート終了による買い替え需要が続いていたパソコンは、ゴールデンウィーク前には特需が終了したと見られ、ノート型/デスクトップ型の5月の販売台数は前年同月の8割程度に落ち込んだ。今後も回復要因に乏しく、「パソコン市場の先行きは不透明」(森英二アナリスト)としている。3月のパソコン(ノート+デスクトップ+タブレット端末)の販売金額の前年同月比は102.5%とプラスとなったが、販売台数前年比は90.1%とマイナスになった。

 スマートフォンの販売状況は、進学・進級需要のある3月に大きく伸長したものの、4〜5月はともに前年同月比で4割減で、過去最低の水準となった。キャリア別販売台数シェアでは、夏モデルを発表したドコモ・auは好調だったが、ソフトバンクはシェアを落としている。メーカー別販売台数シェアでは、引き続きアップルが首位を維持しているが、「Xperia」の新製品を発売したソニーがシャープを抜き2位となっている。

パソコン全体の販売台数/金額推移
ノート型/デスクトップ型パソコンの販売台数/金額推移
スマートフォンの販売台数構成比/指数

(一條徹)