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サービス休止が発表されたネットラジオ「OTTAVA」、ナクソスが中心となりサービス継承へ

ナクソス・ジャパンは23日、TBSが運営し、6月末で休止すると発表していたクラシック専門のインターネットラジオ局「OTTAVA」(オッターヴァ)の商標・ドメインをTBSから譲り受け、ナクソスが中心となって運営会社を設立し、サービスを継続していくと発表した。7月1日からはナクソスがOTTAVAのWebサイトをそのまま引き継ぐ形となる。

クラシック専門のインターネットラジオ局「OTTAVA」

 既報の通り、TBSホールディングスは、クラシック専門のインターネットラジオ局「OTTAVA」(オッターヴァ)を、6月末で休止すると発表した。

 OTTAVAは2007年4月に、日本初のコンテンポラリー・クラシック・ステーションを標榜し、デジタルラジオの実用化試験放送の中で開局。同時に、インターネットでの配信も開始。しかし、デジタルラジオの本放送は、方向性がまとまらず、業界全体でデジタルラジオ参入を断念。TBSグループも、OTTAVAを含むデジタルラジオに向けた取り組みを見直し、6月末でOTTAVAを休止すると発表していた。OTTAVAの月間ユニークユーザー数は20万人以上。

 ナクソスによれば、休止発表後、「多くのリスナーやクラシック業界から継続を望む声が上がり、クラシック音楽を広めたいという志の下、OTTAVAに参集しているプレゼンター(出演者)も、その声に応えたいという想いを日増しに強めていた」という。そうした声や想いがOTTAVAの音源調達先であるナクソスにも届き、「同じクラシック音楽を生業としている者として、OTTAVAの継続を支援することを決めた」という。TBSも、リスナーの保護につながる、ナクソスからの提案を高く評価し、「スムースな商標・ドメインの譲渡に至った」とのこと。

 7月1日からは、ナクソス・ジャパンが OTTAVAのホームページをそのまま引継ぎ、プレゼンター達と共に24時間のストリーミング配信を継続。その後、OTTAVAが提案しているクラシック音楽の世界をマネタイズできる複数の事業者とOTTAVAの運営会社を設立。10月には、新番組を編成し、Webサイト内でのコンテンツ販売、有料配信等を開始。新しいOTTAVAとしての本格的なサービスインを予定している。

(山崎健太郎)