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立体音響の「Dolby Atmos」、オンキヨー新AVアンプに初採用。TX-NR838/636も対応へ

 オンキヨーは23日、開発中のAVアンプ上位モデル「TX-NR3030」と「TX-NR1030」において、現在映画館で採用されているドルビーの立体音響技術「ドルビーアトモス(Dolby Atmos)」を採用すると発表した。「シアターサウンドの最先端モデル」として発売される予定で、9月には既発売のエントリーモデル「TX-NR636」と「TX-NR838」のアップデートによるドルビーアトモス対応も予定。新製品については、後日正式に発表するという。「この素晴らしいサウンドを提供できる最初のブランドの一員になれることを非常にうれしく思う」(営業・マーケティング本部副本部長 宮城謙二氏)とコメントしている。

ドルビーアトモス

 ドルビーアトモスは、2012年4月に映画館向けとして発表された立体音響技術。従来のチャンネルベースのミキシング方式と、オブジェクトベースのダイナミックなオーディオミキシングを組み合わせ、精密な音の定位や移動を表現できることが特徴。40カ国で450以上のスクリーンに導入/導入予定。2012年6月に初の採用作品が登場して以来、10カ国で100作品がドルビーアトモスで公開済み、または公開予定となっている。日本でも「TOHOシネマズららぽーと船橋」や「シネマサンシャイン 平和島」、「TOHOシネマズ 日本橋」、「TOHOシネマズくずはモール」などの劇場で採用されている。

 オンキヨー製AVアンプへのドルビーアトモスの採用により、従来の5.1chや7.1ch、9.1chなどのシアターシステムと、天井へ1組または2組のスピーカーを設置することで、家庭でもドルビーアトモスの立体音響を楽しめるようになるという。スピーカーを天井に設置しない場合でも、手持ちのスピーカーを活かして楽しめる対応スピーカーを今後発売予定としている。頭上まで含めた全方位から音を聴くことができ、音の深みや細部のニュアンスまで再現する音場を追求。天井(上半球)側を含めた部屋内に特定の音をレイアウトして動かすことで、リアリティのある多次元の音響空間を作り出すという。この立体音響を実現するために、AVアンプ側には高い処理能力や音質が求められる。ドルビーアトモス対応のオンキヨー製AVアンプには、信号処理用に32bit DSPをデュアルで搭載している。

既発売モデル「TX-NR838」なども、アップデートでドルビーアトモスに対応予定

 オンキヨーは今回の発表にあたり、「スペックだけにとらわれることなく、実再生時に音声信号に対していかに忠実にスピーカーをドライブするかに重点を置いて、『Emotion.Delivered.』というコンセプトのもと製品を開発している。それはコンテンツ制作者の想いや情熱までも伝わるような製品を提供し続ける、という考えによるもの」とコメントしている。

(中林暁)