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シャープ、120Hz対応の最新8K“フルスペック”液晶。MEMS-IGZOタブレットも初公開

 10月7日〜11日にかけ、映像、情報、通信の総合展示会「CEATEC JAPAN 2014」が幕張メッセで開催される。前日となる10月6日には、プレス向けの事前公開が行なわれ、大手家電メーカーなどの主要ブースが公開された。ここではシャープブースの模様をレポートする。

シャープブース

 シャープブースのテーマは「Discover Good Life」。10月24日から発売されるミドルクラスの4K液晶テレビ「AQUOS US20シリーズ」や、フルHDパネルながら4K相当の高解像度表現ができるという「AQUOS クアトロン プロ XL20シリーズ」などのAV機器に加え、家全体の電力をマネジメントするシステムや、友達のように家電とコミュニケーションをとるシステムの提案などを行なっている。

120Hzの“フルスペック8Kスーパーハイビジョン”対応ディスプレイの最新版

 シャープブースで一際注目を集めているのは、120Hzの“フルスペック8Kスーパーハイビジョン”を表示できる8K液晶ディスプレイの試作機。NHK放送技術研究所も開発に協力しているもので、技研公開でも8Kディスプレイは展示されているが、その最新バージョンが公開された。

120Hz表示が可能な8K液晶ディスプレイ
黒いので写真ではわかりにくいが、ディスプレイの上と下に、黒いスピーカーが埋め込まれているのがわかる。これらのスピーカーで、22.2chサラウンド再生を行なう

 解像度は7,680×4,320ドットで、120Hz、10bit階調表示が可能。高色域表示を実現するため、高色域LED光源技術や、高色純度カラーフィルタ技術、広帯域・多階調信号処理技術などを投入。ITU規格のBT.2020に準拠し、その色域包含率85%を実現している。

 また、64個のスピーカーを、ディスプレイの上部や下部などに配置し、フロントスピーカーだけでスーパーハイビジョンの22.2ch音声を再現する、波面合成スピーカーも組み合わせて展示。音と映像の両方で、フルスペック8Kスーパーハイビジョンの魅力が体験できるようになっている。

AQUOSの新モデルが一堂に展示。8Kの最新バージョンも

AQUOS クアトロン プロの利点を、フルHDテレビとの比較で紹介

 フルHDパネルだが、4K相当の高解像度表示ができる「AQUOS クアトロン プロ」の新モデルXL20シリーズも展示。11月10日発売で、60型「LC-60XL20」、52型「LC-52XL20」、46型「LC-46XL20」の3機種をラインナップ。

 大きな特徴は、従来のXL10シリーズで採用していたモスアイパネルではなく、新たに低反射「N-Blackパネル」を採用していること。従来の低反射パネルに比べて、外光反射を抑えながら、内部の光の透過率を向上させたもので、高い色再現性や艶やかな黒表現を特徴とする。

 パネル解像度は1,920×1,080ドットだが、4K相当の高画質表示を可能にする「クアトロン プロ」を採用。独自の「超解像 分割駆動エンジン」を採用。4原色の画素構成により垂直方向を、1画素内の2つの輝度ピークの独立駆動により水平方向の解像度を、それぞれ2倍相当にすることで、フルHDパネルでの4K相当表示を可能としている。また、いずれのモデルもHDMI入力を4K/60p、HDCP 2.2対応に強化している。

手前がAQUOS クアトロン プロ、奥が4KパネルのUS20シリーズ

  US20シリーズは、ミドルクラスの4K液晶テレビ。最上位シリーズ「UD20」との違いは、パネルが低反射の「モスアイ」ではなく、スピーカーも本体別体の“サウンドバー“ではなく、通常のアンダースピーカー型となっている事。それ以外の自社4K液晶パネルや広色域「リッチカラーテクノロジー」などの特徴は、UD20から継承している。

 ラインナップは60型の「LC-60US20」と52型「LC-52US20」の2モデル。なお、パネルの表面加工は映り込みを抑える「4K低反射パネル」で、「モスアイ」程ではないが、照明や外光などの映り込みを抑えられる。

 また、NTTぷららが映像配信サービス「ひかりTV」において、4K映像のVOD配信「ひかりTV 4K」を10月27日より開始することに合わせ、U20/US20/U20が対応しており、4K VODチューナと、HEVCデコーダを搭載している事を紹介する展示も。

 発売中の4Kチューナ搭載HDDレコーダ「TU-UD1000」を使い、4K試験放送を実際に受信するデモも実施。4Kに注力している姿勢をアピールしている。

ひかりTV 4Kの受信デモ
ひかりTV 4Kで利用するHEVCデコーダ
「TU-UD1000」で4K試験放送の受信デモも

業界初のMEMS-IGZOディスプレイを採用7型タブレット

 6日に発表された、業界初のMEMS-IGZOディスプレイ採用、7型タブレット「メディアタブレット」もブースに展示された。2015年上半期に法人向け市場を中心に発売する予定。OSはAndroid 4.4。

業界初のMEMS-IGZOディスプレイ採用タブレット

 MEMS-IGZOディスプレイは、超小型シャッター、スリット、LEDバックライトで構成。RGBのLEDバックライトが順次点灯するフレームシーケンシャル方式で、画素毎に微細なシャッターを配置。それを高速で開閉させる事で、画像を表示する。順次点灯するRGBバックライトの光に対して、開閉を制御する事でカラー表示を実現。時間積分型の階調生成となっている。

 シャッターの駆動モードを用途に適したものに変更する事で、消費電力を抑えられるのも特徴。動作制御の速度を速めることで、より鮮やかなカラー表示が可能な「高色再現モード」に、遅くする事で外光下でのカラー表示で視認性に優れた「高輝度モード」、さらに遅くする事でグレースケール/白黒表示になるが、超省電力駆動が可能な「白黒表示モード」も実現。タブレットでは、ワンタッチで表示モードを切り替えられる。

タブレットを横から見たところ
外光下での見やすさを重視したモード
グレースケール/白黒表示状態で、左の通常液晶と消費電力を比較したところ。MEMS-IGZOが大幅に省電力である事がわかる

 ディスプレイの額縁を極限まで無くしたという“フレームレス”構造の5型ディスプレイ採用Androidスマートフォン「AQUOS CRYSTAL」もブースに多数展示。フレームがほとんど存在しないため、端末を横に複数並べて、横長大画面ディスプレイのようにして映像を表示するデモなども行なっている。

 また、同社の家電などで使われている“ココロエンジン”の技術をベースに、モバイル機器向けに開発しているという「エモパー」というシステムも紹介。音声認識を使い、ユーザーと会話するようにスマートフォンを操作できるものだが、従来の、ユーザーが質問した事に対してアクションするタイプではなく、より積極的に、ユーザーに情報提示などを行なうのが特徴。

 現在位置、天気予報、スケジュールに合わせ「イベントが近くで開催されますよ」とか、充電を開始すると「3日ぶりの充電ですね」と喋るなど、誰かと会話するような感覚でスマホを活用できるようになるという。

AQUOS CRYSTALを横に複数並べた展示
エモパーとユーザーが対話するデモ映像などを上映

 また、ココロエンジン搭載家電を充実させる姿勢もアピール。テレビ、冷蔵庫、洗濯機などを設置したコーナーを用意し、ココロエンジンを搭載した家電との生活が、どのようなものになるかをデモしている。

 これらの家電とスマートフォンのアプリ「ココロボ〜ド2.1」を組み合わせると、例えばレンジのヘルシオが、オススメのレシピ情報をクラウドから受信し、アプリに「オススメの献立」としてアピールしてくる。その献立について、家族がそれぞれのスマホを使い「この献立が食べてみたい」、「お母さん晩御飯はコレにして」といったようにコミュニケーションができるという。他にも、選択が終わったという情報を、テレビのAQUOS上のココロボ〜ドに表示して知らせるといったデモが行なわれている。

ココロエンジン搭載家電のデモ

車載関連。真っ暗な場所でも鮮明なカラー映像で周囲の情報を把握

「フリーフォームディスプレイ」は、従来の四角形にとらわれない自由な形を実現したディスプレイで、車のスピードメーターなどで様々なデザインを採用可能。従来技術では、パネルの左右両側にゲートドライバと呼ばれる駆動用回路を配置するために一定の額縁幅が必要だが、新技術は画素内にドライバを分散配置。ゲート信号線を内側から外側に向けて駆動し、パネル額縁にはドライバが不要な3辺超狭額縁化を可能としている。

 車のスピードメーターの形状に合わせたデザインにしたり、スピードメーターとその他のモニターをひとつのディスプレイとしたインパネなどが実現可能。2017年度の実用化予定されている。

フリーフォームディスプレイのイメージ

 車載機器に活用できる技術として、ジェスチャーセンサーを用いて、画面に触れずにカーナビなどの操作ができるというデモや、左側から見た人と、右側から見た人で、異なるコンテンツを表示できるデュアルビュー液晶とジェスチャーセンサーを組み合わせたデモも実施。

 例えば運転手がナビ画面を操作する際は、運転手側のディスプレイの脇にあるセンサーに向かって手を動かせば、助手席で映像を見ている人の視界を、手で遮らずに操作ができるのが特徴。

左から見るのと、右から見るのでは異なるコンテンツを表示するデュアルビュー液晶。その両脇にジェスチャーセンサーを搭載している
ジェスチャー操作で様々な動きが実現できる

 「ハイビジョン暗視カラーカメラ」は、肉眼では何も見えない0ルクスの暗闇の中でも、ハイビジョンのカラー撮影を可能にする技術。カメラの周囲に、近赤外光を照射する装置を並べ、戻ってきた近赤外光をカラー映像として記録するためのカラーフィルタを開発。720/30pでの滑らかな撮影ができ、車などに取り付ければ、暗闇での安全が支援できるという。

ハイビジョン暗視カラーカメラ
右が通常のモノクロ暗視カメラの映像、左がハイビジョン暗視カラーカメラ

(山崎健太郎)