ソニー、24bit/96kHz対応の音楽用リニアPCMレコーダ
-「手のひらサイズ」で実売3万円。microSD対応
ソニーは、楽器演奏など音楽録音用のリニアPCMレコーダ「PCM-M10」を10月21日より発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は30,000円前後の見込み。カラーはブラックとレッドの2色を用意。またソニースタイル限定でホワイト(直販価格29,800円)も用意する。
さらに別売オプションとして、スピーカー付キャリングケース「CKS-M10」を11月21日に、ウィンドスクリーン「AD-PCM2」を10月21日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格はCKS-M10が8,000円前後、AD-PCM2が5,000円前後の見込み。
ブラック | レッド | ソニースタイル限定のホワイト |
■ PCM-M10
音楽録音向けのマイクを内蔵し、最高24bit/96kHzでのリニアPCM(WAV)録音が可能なポータブルレコーダ。単3電池2本で駆動する。外形寸法が約114×62×21.8mm(縦×横×厚み)、重量が約187g(電池含む)というコンパクトボディが特徴で、同社リニアPCMレコーダ「PCM-D50」と比べ、体積で約60%、重量で約50%の小型/軽量化を実現。「手のひらに収まるサイズ」とし、携帯性を高めた作りとなっている。コーラスや楽器演奏録音などでの使用を想定している。
本体に4GBメモリを内蔵。またメモリースティックマイクロ(最大1GBまで)/microSD(最大16GBまで)両対応のカードスロットも搭載している。同社のリニアPCMレコーダおよびICレコーダとして、初めてmicroSDに対応した。内蔵メモリへ録音している途中で記録許容量を超した場合、自動的にメモリカードに切り替えて録音を継続する「クロスメモリー録音」機能も利用可能。メモリーカードから内蔵メモリへの自動切替にも対応する。
PCM-D50(右)との比較 | 4GB内蔵メモリのほか、メモリースティックマイクロ/microSDカードスロットを搭載 |
録音フォーマットは、リニアPCMに加え、MP3もサポート。録音モードはリニアPCMが24bit/96kHz、16bit/96kHz、24bit/48kHz、16bit/48kHz、24bit/44.1kHz、16bit/44.1kHz、16bit/22.05kHzの7種類、MP3が320kbps、128kbps、64kbpsの3種類を用意する。リニアPCM 24bit/96kHzの場合で、内蔵メモリに1時間50分の録音ができる。
本体上部に左右独立型/固定式の全指向性ステレオマイクを内蔵。指向角度は120度。マイク特性として、低域から高域まで均一に集音可能で、「複数人が演奏するバンド演奏などでも、それぞれの楽器の音色を忠実に録音できる」としている。本体側面に録音レベル用のボリュームツマミを装備。また、録音レベルを自動調整可能な「オートゲインコントロール」も搭載する。ステレオミニのマイク入力端子とアナログ音声入力端子や、ヘッドフォン/LINE出力も備える。
録音レベルつまみを備える | 本体上部にステレオマイクを内蔵。マイク入力とアナログ音声入力も装備する |
リニアPCM/MP3再生のほか、WMA/AACフォーマットの再生もサポート。対応ビットレートはWMAが32~192kbps(VBR対応)、AACが16~320kbps(VBR対応)。なお、DRMファイルの再生には非対応となっている。
USB端子も搭載し、PCへ録音データの転送が可能。サウンド編集ソフト「Sound Forge Audio Studio LE」も同梱する。対応OSはWindows 2000/XP/Vista、Mac OS X(v10.2.8~v10.5)。
ピークメーターや日本語表示が可能な液晶ディスプレイを搭載。また、前面に配置する操作ボタンも日本語表記し、録音に慣れていないユーザーでも扱えるようインターフェイスを工夫したという。16mm径のモノラルスピーカーも内蔵。実用最大出力は250mW。
機能面では、録音時の音のひずみを抑える「デジタルリミッター」機能や、録音開始5秒前から記録できる「プリレコーディング」機能、トラックマーク機能やDPC(デジタルピッチコントロール)を装備。ボーカル練習に便利な「キーコントロール」機能も利用できる。
電源は単3電池2本(アルカリ/ニッケル水素)、また付属のACアダプタでも駆動可能。アルカリ電池使用時の電池持続時間は録音時で約28時間(リニアPCM 24bit/96kHz、モニターなし)、再生時で約21時間(リニアPCM 24bit/96kHz、ヘッドフォン再生)となっている。専用の有線リモコン(ケーブル長2m)が付属する。
付属のリモコン | 本体側面のリモコン入力に接続する |
■ 別売オプション
CKS-M10 | 装着イメージ |
CKS-M10はパッシブ型のステレオスピーカーを内蔵したキャリングケース。ステレオミニの音声入力を搭載し、PCM-M10のヘッドフォン端子と接続することで、レコーダ内の音声を出力できる。スピーカーは48mm径のユニットを2基搭載する。
収納部はレコーダを立て掛けることも可能で、レコーディング時の簡易スタンドとしても利用可能。外形寸法は約160×220×38mm(縦×横×高さ)、重量は約365g。
また、専用ウィンドスクリーン「AD-PCM2」も用意。長さ15mmの密度の高い繊維素材を採用し、低周波数の風切音を約12dB低減することができるとしている。
レコーディング時の簡易スタンドとしても利用可能 | 収納すると片手で持ち運べるサイズに | ウィンドスクリーン「AD-PCM2」を本体に装着 |
(2009年 9月 28日)
[AV Watch編集部 大類洋輔]