新作&新BD多数「東京国際アニメフェア2012」開幕
-都条例改正後初開催。4月から大人向けルパン他
アニメ総合見本市、東京国際アニメフェアが22日、東京ビッグサイトで開幕した。会期は3月22日~25日までだが、22日~23日は関係者向けのビジネスデーとなっている。パブリックデーの当日券は一般が1,000円、中高生が500円。主催は東京国際アニメフェア実行委員会。
昨年の「アニメフェア」は3月に開催予定だったが、2010年12月15日に東京都議会で可決された「東京都青少年健全育成条例改正」に反対する角川書店やアニプレックス、キングレコード、ジェネオン・ユニバーサルなど8社が、出展を取りやめ。8社を抜きに開催する予定だったが、東日本大震災と、それに伴う電力需給状況の悪化などにより開催が中止されたという経緯がある。
また、その8社は新しいイベント「アニメ コンテンツ エキスポ」を同時期に幕張メッセで開催する予定だったが、こちらも震災の影響で中止。今年は3月31日~4月1日まで幕張メッセで開催する予定となっている。
なお、2010年の「アニメフェア」総出展社数は244社だったが、今年は216社に減少。その内、海外は89社となっている。
メイン会場は東京ビッグサイトの東1~3ホール。出展社が減少した事や、例年大きなブースを出展していたアニプレックスやメディアファクトリー、ジェネオン・ユニバーサルらが抜けた事もあり、全体の華やかさは低下した印象だ。しかし、東映&東映アニメ&東映ビデオ、バンダイ&バンダイビジュアル&サンライズ、日本テレビ&スタジオジブリといった大型ブースは健在で、新作テレビアニメ、劇場用アニメ、BD/DVD情報に触れられるイベントとなっている。
場内の様子。端に行くと休憩スペースがやや目立つ |
■日本テレビ&スタジオジブリ
スタジオジブリのブースでは、6月20日にBD/DVD化が決定した「コクリコ坂から」をアピール。詳細は既報の通りだが、BD/DVDのどちらにも、特典を増量した“横浜特別版”が用意されるのが特徴だ。ブースでは、海と俊が2人で乗った自転車や、作品の貴重な資料、ジブリ作品のBD一覧展示なども行なわれている。
「コクリコ坂から」の展示 |
「キリクと魔女」などで知られる、フランスのアニメ監督ミッシェル・オスロの最新作「夜のとばりの物語」は6月30日から新宿バルト9で公開予定だ | ジブリ作品のBDも一覧展示されている |
ダイナミックなレイアウトの「ちはやふる」コーナー |
競技かるたを題材とした異色のアニメとして、放送中の「ちはやふる」コーナーも用意。パブリックデーの3月24には、千早役の瀬戸麻沙美さんが参加するトークイベントも予定されている。
ブースで注目を集めているのは、「サマーウォーズ」や「時をかける少女」の細田守監督最新作「おおかみこどもの雨と雪」。7月21日公開予定の劇場用アニメで、タイトルの通り、おおかみこどもの姉弟、“雪”と“雨”を育てることになる女性を主人公にした、母と子の物語。ブースではプロモーション映像も観ることができる。
細田守監督最新作「おおかみこどもの雨と雪」 |
「ルパン三世」関連では、放送開始40周年を記念し、「ルパン三世 Master File」と名付けられたBD/DVDがVAPから3月28日に発売される。メインコンテンツは新作短編アニメ「ルパン一家勢揃い」(約10分予定)。アニメのルパンでは、2011年12月に放送されたTVスペシャルから一部声優が刷新された事が話題だが、「ルパン一家勢揃い」では、栗田貫一(ルパン三世役)、小林清志(次元大介役)、井上真樹夫(石川五ェ門役)、増山江威子(峰不二子役)、納谷悟朗(銭形警部役)と、従来のキャストが再集結し、最後のセッションを披露しているのが見所。各種インタビューや、幻の作品「ルパン8世」のパイロット版なども収録している。
一方で、4月4日からは新作アニメ「LUPIN the Third ~峰不二子という女~」の放送がスタートする。スタイリッシュな映像&展開が特徴の「ミチコとハッチン」を手がけた山本沙代監督によるシリーズで、これまでのアニメ版ルパンとはひと味違う、ハード&デンジャラスな雰囲気の、大人向け作品になるようだ。
左にあるのが「ルパン三世 Master File」。声優陣のサインも展示されている | 4月4日から放送開始となるのが「LUPIN the Third ~峰不二子という女~」 | ブースには、アニメシリーズごとに異なる峰不二子のデザインが比較できるコーナーも |
■バンダイ
バンダイビジュアルから、7月27日にBD/DVDが発売される「コードギアス」シリーズのOVA「コードギアス 反逆のルルーシュ ナナリー in ワンダーランド」のプロモーション映像がブース内で楽しめる。
また、シリーズの新作「コードギアス 亡国のアキト」からは、主人公アキトが操縦する新型KMF「アレクサンダ」のプラキットも参考展示されている。
OVAシリーズ「機動戦士ガンダムUC(ユニコーン)」の第5巻は、6月8日にBD/DVDが発売されるほか、一般発売に先駆け、5月19日から劇場でのイベント上映も実施。上映館内にてBD版の限定版も先行販売される。ブースではPVが観られるほか、ユニコーンガンダム2号機 バンシィのプラモも展示中。
「コードギアス 亡国のアキト」に登場する新型KMF「アレクサンダ」のプラキット | コードギアス 反逆のルルーシュ ナナリー in ワンダーランド | 「機動戦士ガンダムUC」のコーナー |
ユニコーンガンダム2号機 バンシィのプラモ | こちらもガンダムUCから、「アンクシャ」のプラモ。5月発売予定だ |
4月からテレビアニメとしてMBS・TBSなどで放送予定の「夏色キセキ」。下町で育つ4人ん御少女の物語 | 注目作「エウレカセブンAO」も、4月12日からテレビ放送がスタートする | 沖浦啓之監督の最新劇場用アニメ「ももへの手紙」は、4月21日劇場公開開始。瀬戸内を舞台に、奇妙な妖怪たちも交えながら、家族の愛を描いた作品だ |
■サテライト
放送中のテレビアニメ「アクエリオンEVOL」や「モーレツ宇宙海賊」の展示をしているサテライトのブースでは、4月29日からテレビ放送開始予定の新作「AKB0048」の紹介コーナーも用意。
タイトルの「AKB0048」は、芸能が禁止された未来の世界で、危険を顧みず、ゲリラライブを送り届けるアイドル達の名前。地球滅亡直前まで、伝説のアイドルとして輝き続けた「AKB48」の名を襲名した“超銀河アイドルチーム”の物語となっており、AKB48やSKE48などのメンバーが声優としても参加。マクロスシリーズなどで知られる河森正治氏が原作・総監督を務めている。
左にあるのが「ルパン三世 Master File」。声優陣のサインも展示されている | 4月4日から放送開始となるのが「LUPIN the Third ~峰不二子という女~」 |
4月29日からテレビ放送開始予定の新作「AKB0048」。メンバー紹介もされている |
■その他新作情報
美少女満載の麻雀アニメ「咲」シリーズの新作「咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A」は、4月8日深夜からテレビ東京系列にて放送開始 | 「宇宙兄弟」は、宇宙飛行士になると約束を交わした、ある兄弟の物語。読売TV、日本テレビ系全国ネットで4月1日から放送開始となる | 夏のテレビアニメ化が予定されている「織田信奈の野望」は、織田信長が、実は女の子だったという設定の美少女大河ロマン |
■その他
iPhoneアプリ「ギター少女!」 |
ランティスとLMDが、昨年12月から無料配信しているiPhoneアプリ「ギター少女!」。3DCGアニメのキャラクター「御茶水エリカ」がギターを弾きながら歌うというアプリで、再生時に様々な演出が楽しめるほか、アプリ上で楽曲購入も可能。さらに、キャラにタッチすると反応を返すといったゲーム要素や、Twitterと連携してキャラを“応援する”という機能なども備えている。詳細は既報の通り。
コミックやアニメ化など、様々なメディア展開を目指しているプロジェクトだが、その広がりの一環として、スピーカー内蔵のエレキギター「シンガーソングギター」とのコラボが決定。ギター少女デザインのモデルが、完全限定生産で3月24日から購入受付開始になるという。価格は68,250円。
会場内には、東日本大震災の復興のため、アニメ業界の取り組みを紹介するコーナーも用意。石巻マンガロードに設置されていた石ノ森章太郎氏のキャラクター「シージェッター海斗」と「キカイダー」は、写真のように震災で破損してしまった。しかし、アニメフェアの展示のため、新たに制作され、イベント終了後には石巻市に寄贈、石巻マンガロードに復活する予定だという |
ゆるキャラもアニメフェアに登場 | 4月28日から、幕張メッセで大規模イベント「ニコニコ超会議」を開催予定のニコニコ動画から、「ニコニコ神社」がアニメフェアに登場。祠の部分にカメラとマイクが設置され、お参りする様子がニコニコ生放送を通じて生配信。それをオンラインで見ているユーザーが、コメントを返したり、「もしかすると願いを叶えてくれるかもしれない」とのこと。お賽銭は東日本大震災の支援金になるという |
グッドスマイルカンパニーは今年も新作フィギュアを多数出展。来場者の注目を集めている。
震災復興を含め、日本全体の復興を支援するグッドスマイルカンパニーのプロジェクト「Cheerful JAPAN !」 関連製品も多数展示。写真はぐっすまうどんの「ぐま子 Cheerful Ver.」。4月発売予定で、6,000円 | 「初音ミク Cheerful Ver.」は2012年6月発売予定で、10,000円 | 「まどか☆マギカ」のフィギュアも多数登場 |
巴マミは2012年4月発売で7,800円 | 暁美ほむらは、2012年3月発売で7,800円 | 美樹さやかは2012年6月発売で7,800円 |
コンパニオンもイベントに華を添えている。写真はVOCALOIDの楽曲を多数用意しているカラオケLIVE DAMのブースからGUMIとあきこロイドちゃん | こちらはBS11ブースのメイドさん | 東北新社ブースでは、牙狼<GARO>の大規模なブースを用意。撮影に使われた小物や衣装などを見る事ができる |
(2012年 3月 22日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]