ソフトバンク、「ARROWS A」などAndroidスマホ4機種

－放射線測定や、ウィルコムの3G/PHSデュアルも


発表会に登壇した孫正義氏とスギちゃん、ダンテ・カーヴァーさん

　ソフトバンクモバイルとウィルコムは29日、合同でスマートフォンなどの新機種発表会を開催。合計14機種が発表され、ソフトバンクモバイルは「ARROWS A(エース)」や「AQUOS PHONE Xx(ダブルエックス)」など4機種のAndroidスマートフォンを、ウィルコムは「DIGNO DUAL」を発表した。なお、ウィルコムのDIGNO DUALは同社初のAndroidスマートフォンで、3GとPHSのデュアル方式を採用している。

　発売時期は、ウィルコムのDIGNO DUALが6月21日。ソフトバンクの4機種は7月上旬より順次発売される。OSはAQUOS PHONE 102SH IIとDIGNO DUALのみAndroid 2.3で、それ以外の機種はすべてAndroid 4.0。なお、Android 2.3の2機種も、後日4.0へのアップデートを予定している。

 


発表された新機種
　ソフトバンクは、7月25日よりプラチナバンド(900MHz帯)のサービスを開始することが既に決定しているが、今回発表された同社の全機種が、このプラチナバンドに対応することも特徴。これまでに比べ、1つの基地局あたりのカバー範囲が約3倍に広がるほか、ビルなど障害物の影響を受けにくく、都心や地下鉄の入り口、山の影といった場所でもつながりやすいという。

 

　また、スマートフォン向けサービスについては、GyaO! と連携した動画配信の「ムービーLIFE」のジャンルを増やし、作品数を54,000本まで拡大することや、月額350円でスポーツのハイライト映像を楽しめる「スポーツLIFE」を始めることも発表した。

　発表会には、ゲストとして上戸彩さん、ダンテ・カーヴァ―さん、お父さん役のカイくんのほか、千原ジュニアさん(千原兄弟)、スギちゃんも登場した。


ソフトバンクの全機種がプラチナバンド対応スギちゃんも登場白いドレス姿で登壇した上戸彩さん

【ソフトバンク】

製品名
型番
メーカー		発売時期ディスプレイUltra Speedその他特徴
ARROWS A
101F
富士通		7月下旬以降4.3型
960×540ドット
有機EL		○
(42Mbps)		フルHD動画撮影
デュアルコアCPU
AQUOS PHONE Xx
106SH
シャープ		7月上旬以降4.7型
1,280×720ドット
S-CGシリコン液晶		○
(42Mbps)		Gorillaガラス
デュアルコアCPU
AQUOS PHONE
102SH II
シャープ		7月上旬以降4.5型
1,280×720ドット液晶		○
(21Mbps)		デュアルコアCPU
PANTONE 5
107SH
シャープ		7月中旬以降3.7型
854×480ドット液晶		-
(14Mbps)		放射線測定機能
カラー8色
【ウィルコム】

製品名
型番
メーカー		発売時期ディスプレイその他特徴
DIGNO DUAL
WX04K
京セラ		6月21日4型
WVGA液晶		PHS/3Gデュアル方式
デュアルコアCPU

■ ソフトバンクの「ARROWS A」や「AQUOS PHONE Xx」、ウィルコム初の「DIGNO DUAL」など

ARROWS A 101F

　ソフトバンクの4機種は、いずれもワンセグ/赤外線通信/おサイフケータイ(FeliCa)を搭載。防水/防塵仕様となっている。

　「ARROWS A 101F」は、ソフトバンクにとって初の富士通製スマートフォン4.3型有機ELディスプレイを搭載。DLNAにも対応する。また、ドルビーモバイルv3を備える。周囲の騒音や利用者の聴力特性などに合わせた音声で通話できる「スーパーはっきりボイス3」などを採用。ストレスなく操作できるという「サクサクタッチパネル」や、「タッチ操作予測アルゴリズム」も採用する。ディスプレイ表面は特殊強化ガラス。スイッチ付きの指紋センサーも装備。

　カメラは1,310万画素の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for mobile」と、画像処理エンジンの「Milbieaut Mobile」を搭載。フルHD動画も撮影できる。HDMI出力も可能で、MHLもサポートしているため、テレビに出力しながらスマートフォンの充電もできる。CPUはデュアルコア/1.5GHzの「MSM8960」。外形寸法位は約130×64×9.9mm(縦×横×厚さ)、重量は約138g。カラーはシアン、マゼンタ、ブラックの3色。

 

マゼンタ天面のHDMI出力やイヤフォン出力テレビ出力が可能で、MHLにも対応

 

　「AQUOS PHONE Xx 106SH」は、自然の色合いを忠実に再現するというCGシリコン液晶と「SVエンジンIII」採用の4.7型液晶を装備。ドルビーモバイルも搭載する。新UIの「Feel UX」によりシンプルかつ直感的に操作できるという。ロック画面から直接メールや電話、カメラなどを起動することもできる。ディスプレイ表面にはGorillaガラスを採用している。カメラは1,210万画素CMOS。

　HDMI出力も備え、MHLにも対応。DLNAのスマートファミリンクにも対応し、Blu-rayレコーダで録画した番組も再生できる。Bluetoothは高音質コーデックのapt-Xにも対応する。CPUはデュアルコア/1.5GHzの「MSM8260A」。外形寸法は約130×67×10.7mmカラーは約144g。カラーはラディアントホワイトとブラックの2色。

 

AQUOS PHONE XxのブラックテレビとHDMI接続でき、MHLにも対応。レコーダの録画番組も再生できるカラーは2色

　「AQUOS PHONE 102SH II」は、既発売の102SHを、新たにUltra Speed対応としたモデルで、それ以外の仕様は従来機と共通。4.5型液晶を搭載。DLNAのスマートファミリンクや、省エネ機能の「エコ技」などを搭載する。カメラは1,210万画素CMOSで、光学手ブレ補正も備える。CPUはデュアルコア/1GHzの「OMAP4430」。外形寸法は約128×65×9.8mm(縦×横×厚さ)、重量は約137g。カラーはクラッシーブラックとシルバー、ピンクの3色。

　カラーバリエーション8色の「PANTONE 5 107SH」は、3.7型液晶を搭載。シャープと共同で独自開発した放射線測定機能を備え、自宅や公園などの放射線測定が可能。空間中のガンマ線を0.05μSV/hから9.99μSV/hの範囲で測定できる。コンパクトさとラウンドフォルムにより持ちやすいことも特徴。UIは「Feel UX」を採用する。DLNAのスマートファミリンクにも対応。カメラは490万画素CMOS。CPUはシングルコア/1.4GHzのScorpion。外形寸法は約115×58×12mm。カラーはローマンブラック、ローマンホワイト、ローマンピンク、ローマンビビッドピンク、ローマンパープル、ローマンブルー、ローマンイエロー、ローマンオレンジ。


AQUOS PHONE Xx 106SHAQUOS PHONE 102SH IIPANTONE 5 107SH

 

DIGNO DUAL WX04K

　「DIGNO DUAL WX04K」は、ウィルコム初というAndroidスマートフォンで、通信は3GとPHSの両方に対応したデュアル方式を採用し、同社の「だれとでも定額」にも対応する。IEEE 802.11b/g/nの無線LANやBluetoothにも対応する。防水機能やワンセグ、赤外線通信機能も備える。

　ディスプレイは4型液晶。カメラは500万画素で、720p動画撮影も可能。CPUはデュアルコア/1.2GHz。外形寸法は約130×64×10.7mm(縦×横×厚さ)、重量は約148g。カラーはホワイト、ブラック、ピンク、グリーンの4色。

 

AQUOS PHONE 102SH IIPANTONE 5DIGNO DUAL

■ プラチナ対応で「ネットワーク」を強調。スギちゃんのCM出演も決定

 

1基地局あたりのエリアが広いことなど、プラチナバンド対応による通信の改善をアピールした
　今回の発表会で孫正義社長がテーマとしたのは「ネットワーク」。7月25日より900MHz帯の「プラチナバンド」を使った通話/通信対応で、従来に比べて効率よくエリアをカバーできることや、ビルなどの障害物の影響を受けにくいことを説明。「認可を得る前から、機材発注などリスクを取って進めてきた。日本全国一気に、というわけにはいかないが、常識の3倍～4倍のスピードで取り組んでいる。これまで『技術力が無いから、努力が足りないから』とお叱りを受けてきたが、我々の技術が劣っていたのではなく、この帯域を持っていないのはハンディキャップだった。これを得たので、もう言い訳はできなくなった。電波を確実に届かせるようにするという思いでやっている」と述べた。

　ゲストとして、CMでおなじみの上戸彩さんやダンテ・カーヴァーさん、お父さん、ウィルコムのCMに出演する千原ジュニアさんも登場。さらに、お笑い芸人のスギちゃんも応援に駆け付けた。

　プラチナバンド対応を記念して、プラチナ色の衣装で登場したスギちゃんは、孫社長に対して「いつもテレビで観ています」と、いつものワイルドさとは違った低姿勢なあいさつ。この場でCM出演にこぎつけようと「使うなら今だぜ～」、「来年はどうなるかわからないぜ～」と強烈にアピールし、ついには土下座までする事態に。孫社長もようやく折れて「やりましょう」とCM出演に応じた。ワイルドさを取り戻したスギちゃんは「長いスパンでやりましょう、3年」と提案すると孫社長は「もってくれればね」と返答。その後も、「ワイルドなCMになりますよ。1時間のCMっていうのは? 」などと持ちかけて会場の笑いを誘った。

 

スギちゃんと孫社長、お父さん、ダンテ・カーヴァーさんワイルドに登場したスギちゃんCM出演のために土下座するスギちゃん

　ウィルコム「DIGNO DUAL」のCMは、3GとPHSのデュアル対応にちなんで、千原兄弟の2人がひとつになってしまうという内容。台本に無い出演者の会話を撮ってそのままCMなったというもので、千原ジュニアさんも「あんなCMの撮り方ははじめて」とのこと。孫社長は、上げられた企画案をすべて「わざとらしい」と却下して「アドリブの面白さを出さないといけない。アドリブっちゅうたらジュニアだろう。といった。僕の指名です」と明かした。ジュニアさんも直接の指名とは知らなかったことで「現場では、せいじとしゃべってたら『はい、OKです』といわれて『え、今の回してたん!?』という感じだった」と振り返った。

　共演する佐々木希さんからのビデオメッセージも寄せられ、「6月から新しいCMがオンエアされます。今回も本当に面白いCMになっていると思うので、楽しみにしていてください」とコメントした。

 

CMでは千原兄弟が一人に?CM撮影を振り返る千原ジュニアさん佐々木希さんからのメッセージも届いた

　上戸彩さんが出演する新しいCMは、イタリアのローマで、上戸さんが現地の男性と恋に落ちるというもので、映画「ローマの休日」を思わせる内容。真っ白なドレスで登場した上戸さんは、新端末のPANTONE 5の豊富なカラーや、ワンセグなどの基本機能を備えていること、専用パッケージのデザインなどが気に入った様子だった。

　最後に、孫社長はPANTONE 5の放射線測定機能を説明。「これは現在進行形の問題で、目に見えないだけに、多くの人が不安に思っているだろう」とし、高価な専用測定器ほどの正確さを得られないとはしながらも、子供などが遊ぶ場所などをボタン一つで簡単に測定できることをアピール。同社製品でも販売台数が多いPANTONEシリーズに搭載することで、多くの人に使ってほしいという思いを語った。

 

上戸彩さんPANTONE 5のパッケージはジェラートなどをデザインしたユニークなもの放射線センサーを小型化/省電力化してPANTONE 5に内蔵した

 



（2012年 5月 29日）

[AV Watch編集部 中林暁]