エプソン、独メルクに有機ELインク製造向けの技術を提供

大型有機EL量産に向け、メルクがインク開発を推進


 セイコーエプソンは24日、独Merck(メルク)と有機ELディスプレイ向けインクジェット用インクに関して協力関係を結び、インク化技術の供与について合意したと発表した。この合意によりエプソンは、有機ELテレビ用ディスプレイ製造のための、有機EL材料を溶解するインク化技術をメルクに供与する。

 インクジェット方式による量産のためには、長寿命の有機EL材料と、それを正確かつ高速で吐出(印刷)するためのインク化技術が必要となる。メルクはインクジェット方式による製造に適した長寿命で高品質な有機EL材料を、一方、エプソンは有機EL材料をインクに加工し、インクジェット方式の製造装置から吐出させる技術を有している。今回の提携により、両社の持つ強みを組み合わせ、有機ELインクの実現を目指すという。

 メルクとエプソンは、インクジェット方式による有機ELテレビ製造を可能にする業界標準インクのロードマップを作成するなど、今後も緊密に連携。メルクはインクの商品化を進め、有機ELインクにおいてエプソンと協業を通じ、将来のテレビ用ディスプレイ関連技術の開発に積極的に取り組む。

 メルクのカール-ルドウィッグ・クライ会長は、「エプソンとメルクの技術を組み合わせることにより、従来の技術ではコスト的、技術的に難しいとされてきた大型有機ELディスプレイの量産が可能になる」と提携の意義を説明している。


(2012年 10月 26日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]