プレイバック2025
ドンキの4万円プロジェクターを買った。そして45万円のXGIMI最上位モデルに心を揺さぶられた年末 by石井和美
2025年12月28日 12:00
今年は仕事で5万円以下のプロジェクターを比較する機会があり、改めて「プロジェクターって楽しい」と気づかされた年であった。自宅で映画を観る時間がこんなにも天国とは……。
好きなときにトイレタイムをとり、飲み物を自由に選びながら、リラックスして楽しむことができる。大画面で映像を観られるのは最高の贅沢であり、その魅力に今さらながら気づいてしまった。
試した中から自腹で購入したのがドン・キホーテ(以下、ドンキ)の「Android搭載プロジェクター」である。税抜き39,800円と価格は安めだが、初心者には十分な性能と思えた。
「勝手にオートフォーカス機能」によりピントを自動で調整してくれるため、手間がかからず、映像はいつもピントが合っている。最大150インチの映像を楽しむことができ、Android搭載ということで馴染みある操作性だ。このプロジェクターをしばらく使い、物足りなくなったらその時また考えようと思っていた矢先、XGMIから「プロジェクターを使ってみませんか?」というお話をいただいた。
XGMIといえば、プロジェクター業界で注目を集めるブランドである。10月にベルリンで開催された家電展示イベント「IFA」へ取材で行ったとき、XGMIのブースは大勢の来場者で賑わっていた。
個人的には、武将のコスプレをした外国人にも興味津々だったが、今回提案されたのは、武将のすぐ横に鎮座していた最上位モデル「HORIZON 20 Max」であった。お値段はなんと公式ショップ価格で450,900円。せっかくの機会なので、低価格モデルとの比較を試みることにした。
約4万円と約45万円のプロジェクターを比較してみたら、やっぱり全然違った
一番驚いたのは、明るさの違いだ。ドンキのプロジェクターは、輝度が200 ANSIルーメンと少し物足りないため、日中や明るい場所での視聴には向かない。しかし、夜間や遮光カーテンをしっかり閉めて部屋を暗くすれば、問題なく視聴できる。
一方で、約2カ月間お借りした「HORIZON 20 Max」は、その輝度はなんと5,400 ISOルーメンと、ドンキのプロジェクターとは比較にならないほど明るい(ISOルーメンの方がANSIルーメンより数値が低くなりがち)。
日中での使用が特にわかりやすかったが、部屋が少々明るくても映像はくっきりと見える。色の再現度も高く、鮮やかさだ。壁から離して少し遠い位置に置いて壁いっぱいの大きさにしても、暗さを感じないところがすごい。
さらに、本体を正面からずらし、斜めになる角度で投影しても、パッと自動できれいな四角形に整えてくれるので、歪むことがない。上下も角度調整できるが、レンズを上向きにしても自動で調整されるので歪まない。天井にも投影できるので、寝っころがって観賞もできる。
ドンキのプロジェクターは本体そのものを動かし、映す場所に対してなるべく真正面に置かなければならず、レンズを上下に動かすこともできない。この価格差を考えれば当然かもしれないが、「こんなにも違うのか」と衝撃を受けた。
解像度もドンキのプロジェクターは1080Pであったが、HORIZON 20 Maxは4Kだ。後者は映像がとんでもなくシャープで、家でこのクオリティを楽しめることに驚愕した。「老眼が治ったのかな?」と勘違いするほどクリアに見え、細かいディテールもわかり、物語に没入できる。
また、XGMIのプロジェクターは電源を入れてもほぼ無音なのに対し、ドンキのプロジェクターはファンの音が少し気になる。ただし、スピーカーの質はシャリッとしているものの、音量に関しては特に不満はない(1万円のプロジェクターでは音が小さすぎて別途スピーカーが必要だった)。
今後のためにプロジェクター貯金が必要かも
ドンキのプロジェクターに満足していたところに、XGMIのハイスペックモデルを使ってしまい、改めて「高いものは桁違いによい」という当たり前のことに気づかされた。
高額なプロジェクターと比較したことで、ドンキプロジェクターの良さが少し薄れてしまった気もするが、この価格でよくまとまっていることは間違いなく、初心者におすすめできるし、今後も使っていく予定だ。
ただ、家族でこれほどプロジェクターにハマるとは思っていなかったので、将来的にはもう少し上のランクも使ってみたい。具体的には、価格帯が10万円~20万円台のものだ。我が家ではすぐに買える価格ではないので、来年からはコツコツとプロジェクター貯金をするかも。







