プレイバック2025
往年のオーディオ的デザイン、DUNU「CONCEPT R」に惚れて導入 by野村ケンジ
2025年12月28日 12:00
2025年は公私ともにイレギュラーな出来事が続き、年末まで後手後手に回ってしまっている。この原稿もそのひとつで、編集長には本当に申し訳ないタイミングでの完成となってしまった。来年こそは、余裕あるとまではいわないまでも、計画だったスケジュールで仕事を進めていきたいと思う。
ちなみに、去年報告したプジョー308SW(先代モデル)は自責理由(フロントガラスの割れ)、他責理由(一斉に6つのエラーが発生!)問わずトラブルが多発、既に次のクルマ(詳細はYouTube「ノムケンLabチャンネル」に近日アップ予定です)へと買い換えることとなった。このことだけでも、(野村ケンジにとって)イレギュラー続きの1年だったということを理解して貰えるだろうか。
そういった状況を反映してか、オーディオ製品に関しても一貫性に欠けた、欲しいと思ったものを手に入れる場渡り的なアイテム導入が多い年となってしまった。とはいえ、相変わらずヘッドフォン関連の新規導入が多かったりするのだが……。
などと言いながら、実は今年購入したいちばんのお気に入りがポータブルCDプレーヤーだったりする。それがDUNU「CONCEPT R」だ。
導入理由は単純、デザインに惚れたからだ。昨年、2024年9月開催の深セン国際オーディオショウで初めて見たとき、個性的というか、往年のオーディオ製品を彷彿とさせるデザインに思わず心が惹かれた。
かなり高そうだから、という理由で心を押しとどめていたが、いよいよ日本発売が開始された際、11万円強(eイヤホンなどの専門店での販売価格)という販売価格(日本の輸入代理店が頑張ったのだろうアリエクよりも安い!)に魅了され、ついつい入手してしまった。
実のところ、ポータブルCDプレーヤーとしてこのほかにも愛用している製品がある。それは水月雨(MOONDROP)の「DISCDREAM2 Ultra」だが、こちらもデザイン、音質ともにかなり気に入っていて、デスクトップのCDプレーヤーとして大いに活躍してもらっている。
似たような製品(ほぼ同じ機能性!?)を重ね買いするなど、人にオススメできるものではないのだが、欲しいと思ってしまったのだから仕方がない。現在はひとまず、メインのオーディオシステム(TADスピーカーのシステム)に「CONCEPT R」を繋ぎ、デスクトップシステムには「DISCDREAM2 Ultra」を配置するなど、贅沢にも2台のポータブルCDプレーヤーをシステムで使い分けて同居させている。
さて、デザインに話を戻そう。DUNU「CONCEPT R」は'80年代のプロオーディオ機器を思い出させるような、レトロデザインといえる特徴的な外観を採用している。
最初に見たときにはスチューダーにそっくり、と思ったが、ディテールをよく見ると雰囲気はかなり違っている。ある人からはテクニクス(SL-P1200など)の方が似ているかも? という話も聞いているので、どれをモチーフにしたのかハッキリ分かっていない。
とはいえ、質実剛健なスクエアボディやスライド式フェーダーを含むふんだんに配置されたハードキーなど、ノスタルジック満載のデザインであることは確か。実際、そんなデザインに惚れて入手することになったし、(今のところ)日本メーカーがこういったデザインの製品を手がけることもなさそうなので、後悔は全くない。
機能性に関してもCONCEPT Rはなかなに充実した内容となっている。まず、ハードキーの採用によってとても扱い易い。ブラインドタッチ的に扱えることは、老眼が気になるお年頃のひとりとしてはベストなチョイスとなった。
また、6.35mmと4.4mm、2つのヘッドフォン端子を持っているのもありがたい。しかも、A級とAB級、2つのヘッドフォン出力モードが用意されていて、室内はA級、屋外はAB級といったように、バッテリー持続時間を鑑みて使い分けられるのも嬉しい。
12,000mAhという大容量のバッテリーが搭載されバランス出力でも10時間以上楽しめるタフネスさもあり、実際には何処でもほぼA級モードを使用しているが、BGM的に長時間利用できるのもありがたいかぎりだ。
もうひとつ、DACにディスクリート構成のR2Rシステムが採用されているのも導入ポイントとなった。USB-C端子によるデジタル入力DAC機能も持ち合わせているため、デスクなどではDAC内蔵ヘッドフォンアンプとしても活用できるので、先々まで大いに役立ってくれそう。
もちろん、音質面でも大いに満足できる。R2Rながら、DUNUらしいキレのよい抑揚表現を持ち合わせていて、Jポップやアニソンなどの現代曲とも相性がよい。外観のレトロさとは異なり、同社の最新ノウハウがしっかりと投入された“今風”のオーディオ製品に仕上がっているのだ。
このように、CONCEPT Rは個性的なデザインであると同時に、機能的には満足度の高い製品に仕上がっている。価格的にどうしてもオーディオマニア限定になってしまうかもしれないが、太鼓判でオススメできる製品であることに間違いはない。
まだまだある、今年導入したアンプやヘッドフォン
このほかにも、2025年に導入し、皆さんにも太鼓判でオススメできる製品はいくつかある。
たとえばSHANLINGのドングルDAC「UA6」は、電源ノイズフィルター代わりの小容量バッテリーを搭載していて、スマートフォン内部の電源事情に左右されにくく良音質を楽しむことができる。
ドングルDACではもうひとつ、AZLAの「Smart DAC A150」も2,000円前後というプライスタグが信じられない良質さで、置きライター的な感覚で予備機を2つ3つ購入しようかと思ったくらい。
有線ヘッドフォンでは、HIFIMAN「ARYA Organic」がなかなかに手頃な価格となってきたため購入。こちら、最新のUNVEILEDシリーズとは異なる纏まりのよい、かつ心地よい音色が魅力となっていて、音楽をリラックスして聴きたいときなどに活用している。
もうひとつ、フィリップス「SHP9500CY」も手頃な価格とハードロックにピッタリなサウンドに惚れて導入してしまった。
このように、慌ただしさのあまり散漫な1年となってしまった2025年のオーディオ機器導入だが、2026年初頭にはスケジュールを再検討し、様々なトライを行なおうと思っている。
また、野村ケンジが導入したデスクトップオーディオシステムの記事など、延ばし延ばしになっているものも進めたいと思うので、是非、いま暫くお待ちいただければと思う。








