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サイバーリンク、新編集エンジン搭載の「PowerDirector 12」

Haswell対応で処理速度向上。マルチカム編集機能も

 サイバーリンクは、新編集エンジンで高速化し、新たに4台までのカメラによるマルチカム編集機能などを搭載したビデオ編集ソフト「PowerDirector 12」を9月6日より順次発売する。

PowerDirector 12 Ultimate Suite
PowerDirector 12 Ultra

 ラインナップは、スタンダード版の「Ultra」(ダウンロード版12,980円)のほか、2種類のNewBlueFXエフェクトや、3つのテンプレートパックを搭載した上位版「Ultimate」(同15,980円)、Ultimateに動画の色彩調整ソフト「ColorDirector 2」や音声編集ソフト「AudioDirector 4」も加えた最上位版「Ultimate Suite」(同19,980円)など。さらにUltimate Suiteに写真編集ソフト「Photo Director 5」を加えた「Director Suite 2」(同26,980円)も用意。そのほか、ダウンロード限定でエントリー版「Deluxe」(9,980円)や、ColorDirector 2/AudioDirector 4の単品(各11,980円)も販売される。いずれも対応OSはWindows XP/Vista/7/8。

製品名ダウンロード版価格
(9月6日発売)
パッケージ版価格
(10月4日発売)
PowerDirector 12
Ultimate Suite
19,980円19,980円
PowerDirector 12
Ultimate Suite 特別優待版
-14,980円
PowerDirector 12
Ultimate Suite アカデミック版
-11,980円
PowerDirector 12
Ultimate
15,980円-
PowerDirector 12
Ultra
12,980円14,980円
PowerDirector 12
Ultra ガイドブック付
-16,980円
PowerDirector 12
Ultra 特別優待版
-9,980円
PowerDirector 12
Ultra アカデミック版
-7,980円
PowerDirector 12
Deluxe
9,980円-
Director Suite 226,980円26,980円
ColorDirector 211,980円-
AudioDirector 411,980円-

Haswell対応でレンダリング速度が最大3倍になったPowerDirector 12

 PowerDirector 12は、新たに編集エンジン「TrueVelocity 4」を搭載。インテルの第4世代CoreプロセッサーHaswellとAVX2テクノロジーに最適化され、MPEG-4 AVC/H.264のソフトウェアエンコードは従来比で40%高速化、レンダリングスピードは従来比3倍となっている。また、前バージョンより対応した4K映像の入出力および編集についても、ColorDirecter 2が64bit OSにネイティブ対応したことで、同ソフトを併用した場合の処理速度が向上している。

PowerDirector 12の概要
ベンチマーク

 新機能として、マルチカム/マルチアングルの編集に対応した「マルチカムデザイナー」を搭載。最大4台のカメラで同時に撮影された映像をタイムコードや音声で同期し、任意に映像を切り替えて1本の動画を作成できる。また、30種類を超えるテンプレートに写真や動画をドラッグアンドドロップするだけで3Dフォトムービーが作成できる「テーマデザイナー」機能や、アニメーションやテキストタイトルにエフェクトをかけて動きを表現する「モーションブラー」機能なども追加されている。

マルチカムデザイナー機能
最大4つのカメラを切り替えながら映像を作成
テーマデザイナー機能
モーションブラー機能

 前バージョンより搭載された自動映像分析機能「コンテンツアウェア編集」も引き続き搭載。映像を分析し、顔の映っているシーンや動きのあるシーンを自動的に抽出。それらを選択してタイムラインに取り込めば、簡単に1本の動画を作成できる。また、手振れや輝度不足を自動で抽出し、まとめて補正することも可能。これらの機能により、長時間の映像も短時間で編集できるという。

コンテンツアウェア編集
4Kや3D映像にも対応する

 また、Director SuiteとPowerDirector Ultimate Suite/Ultraには、Windows 8用アプリ「PowerDirector Mobile」が付属。タッチ操作で簡易的な編集作業が行なえるほか、デスクトップアプリ版PowerDirectorとも連携し、Mobileで編集した続きをPCで行なえる。編集した映像を、YouTubeやFacebookにアップすることも可能。

PowerDirector Mobile
Windows 8のタッチパネル操作に対応

 入力対応フォーマットは、3D動画がMVC(M2T)、サイドバイサイド、トップアンドボトム、デュアルストリームAVI。2DはFLV(H.264)、MKV (multiple audio streams) 、3GPP2、AVCHD(M2T)、AVI、DAT、 DivX、DV-AVI、DVR-MS、MPEG-2 HDなど。音声はWAV/MP3/WMA/AAC(M4A)/OGG。静止画はJPS/MPO/RAW/GIF/BMP/JPEG/TIF/PNG。出力対応デバイスは、iPad/iPhoneやiPod touch/nano/classic、Android、Blackberry、PSP、PS3、Xboxなど。

 出力は、3DのMVC/サイドバイサイド/アナグリフに対応。2DではAVCHD、MPEG-2 HD、WMV-HD、MPEG-1/2/4、MPEG-4 AVC、WMV、DV-AVI、QuickTime、3GPP2などに対応。

ColorDirector 2とAudioDirector 4も強化

 Ultimate SuiteとDirector Suiteに同梱される、色編集ソフトColorDirector 2と音声編集ソフトAudioDirector 4も強化された。いずれもPowerDirectorとシームレスで連携する。

ColorDirector 2
AudioDirector 4

 ColorDirector 2は今回より64bit OSにネイティブ対応となり、4K映像などを編集する際の処理速度が向上した。また、デジタル写真などにも利用されるHDRエフェクトが追加され、擬似的な異なる露出値の組み合わせによるダイナミックレンジの広い映像が作成できるようになった。映像の中の特定範囲を指定し、動きに追従して色変更ができる「モーショントラッキング」機能も搭載する。

HDRエフェクトは強度や範囲を調整可能
モーショントラッキング機能で青いシャツだけを範囲指定
動きに追従しながら自由に色を変更できる

 AudioDirector 4は、新たに5.1ch/7.1chのサラウンド音声作成機能を搭載。また、ノイズ除去機能を強化し、映像内の音声を視覚的に表示して、特定の周波数の音を指定して削除可能となった。たとえば、偶然通り過ぎた救急車などのサイレン音のみを映像から削除することができる。

サラウンド音声作成機能
音声を視覚化し特定の周波数のみ除去

カメラは一家に1台から、一人1台へ

アシスタントバイスプレジデントのLouis Chan氏

 東京・丸の内で新製品発表会が行なわれ、サイバーリンクのアシスタントバイスプレジデントであるLouis Chan氏が、新製品のプレゼンテーションを行なった。

 Louis氏は、2005年と2013年にバチカンの戴冠式の際に撮影されたという写真を用いて、カメラ利用者の増加について説明。2005年の写真では人々が式典の様子を静かに見守っているだけだが、2013年の写真では、人々がカメラやスマートフォンを構え、一斉に撮影を行なっている様子が写っている。この8年間で、デジタルカメラやスマートフォンが普及し、一家に1台だったカメラが、今や一人1台という時代になったのだという。

 カメラを利用する人の数が劇的に増え、撮影した写真や映像を用いてクリエイティブな表現をしたいと感じてる人が増加している一方で、映像編集は難しく、大変な手間がかかると思っている人も多いという。PowerDirectorシリーズは、Ultimate SuiteからDeluxeまで様々なバージョンを用意し、ビギナーからプロまで幅広いユーザー層にアピールしていくとした。

バチカンで撮影された写真。2005年(上)、2013年(下)
各ユーザー層向けのバージョン

(一條徹)