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SUPRA初イヤフォンや、Wi-Fi搭載ポタアン、8万円台のハイレゾポータブル「L5」
(2015/5/16 21:32)
東京・中野にあるAV機器専門店フジヤエービック主催の「春のヘッドフォン祭 2015」が、5月16日と17日の2日間、東京の中野サンプラザで開催されている。入場は無料。ここでは、ケーブルメーカーとして知られるSUPRAが手掛けた初のイヤフォンや、Celsus SoundのWi-Fi搭載ポータブルアンプ、LUXURY&PRECISIONのハイレゾプレーヤー、beyerdynamic「CUSTOM ONE PRO」のアーティストコラボモデルなどを紹介する。
SUPRA初のイヤフォン「NiTRO」
高品位なオーディオ用ケーブルなどで知られるスウェーデン・SUPRAで初となるイヤフォン「NiTRO」が、サエクコマース(SAEC)のブースに参考展示されている。
SUPRAのケーブルに関するノウハウを活かし、「新世代サウンド」とするイヤフォンを開発中。発売時期は今後発表される予定で、価格は2万円前後。ケーブルは純度99.99999%(7N)の銅を使用し、外装はケブラーを使用したフラットタイプ。
9mm径のダイナミック型ドライバを搭載。ユニットに徹底したチューニングを行ない、インピーダンス特性や消費電力を改善、再生歪みを抑制したという。音楽鑑賞だけでなく、動画視聴などの利用も想定。スマートフォン用のマイクリモコンも備え、背面スイッチ切り替えでiOS/Android/Windowsの3つに対応したというマルチリモートコントロールテクノロジーを備えている。7種類のイヤーピースや、ケーブルクリップ、ポーチなどが付属する。
Wi-Fi搭載DAC/アンプや、DSD 11.2MHz対応で26,000円の小型DACなど
フューレンコーディネートのブースでは、NuForceやNuPrime、Celsus Soundの新製品などを展示している。
NuPrimeのデスクトップオーディオ向け小型DAC「uDSD」は、USBバスパワーで動作する小型DAC/DDC/アンプ。外形寸法は57×101×23mm(幅×奥行き×高さ)、重量は151gで、同社の人気モデルであるuDACシリーズのように、デスクトップ用ながら小型な本体が特徴。既にヘッドフォンアンプやオーディオ用アンプなどを持っている人などの単体DACとしての利用なども想定している。5月25日発売で、価格は26,000円。
DSDは11.2MHzまで、PCMは384kHzまで対応。入力はUSBで、出力は同軸デジタルとアナログ、ヘッドフォンを各1系統装備。高品質なアナログボリュームを採用したという。DACはESSのES9018。
Celsus Sound製品として参考展示されているのは、Wi-Fiも搭載したポータブルDAC/アンプの「COMPANION ONE」。発売時期や価格は未定。
正面から見るとポータブルプレーヤーのような外観だが、ディスプレイは搭載せず、入力はUSBのみ、出力は光デジタル(丸形)とアナログ/ヘッドフォン(いずれもステレオミニ)を搭載するポータブルUSB DAC/アンプ。
ユニークなのはWi-Fi(無線LAN)を搭載している点で、スマートフォンからワイヤレスで音楽を受信して聴くことが可能。iPhoneなどのAirPlayや、AndroidスマホなどのDLNA対応アプリを使って受信して聴ける。Wi-FiとUSBはボタンで切り替える。
DSD 5.2MHz対応で8万円台を目指すプレーヤー「L5」やOriolusカスタムイヤフォン
ハイレゾポータブルプレーヤーで注目は、ヒビノインターサウンドとサイラスの共同ブースに展示されていた、LUXURY&PRECISIONブランドの「L5」。旭化成の32bit DAC「AK4490」を搭載し、PCM 192kHz/32bitや、DSD 5.6MHzネイティブ再生に対応。価格は未定だが、海外では650~700ドルで販売されており、国内でも8万円台をメドに検討しているという。発売時期は年内の見込み。ハードウェア上の仕様は確定しているが、日本語ファームウェアを調整中だという。
ゲインは5段階で切り替え可能。出力はステレオミニと、丸形の光デジタルを装備。外形寸法は123×63×16.9mm(縦×横×厚さ)、重量は217g。内蔵メモリは16GBまたは32GBで、microSDスロットを装備。3.5型タッチ液晶を搭載。連続再生時間は約12時間(MP3/AACなどの場合)。
同ブースのOriolus製品では、カナル型イヤフォン「Oriolus」の、カスタムモデルを参考展示。既報の通り、ユニバーサルモデルは5月16日に発売されているが、これに合わせて、オプションとしてカスタムモデルを販売することも検討中だという。価格は未定。ケーブル着脱に対応し、プラグはユニバーサルモデルと同じ2ピン。
「CUSTOM ONE PRO」のアーティストコラボ、FitEarの18金イヤフォンなど
ティアックブースでは、独beyerdynamic製の“セルフカスタマイズ“ヘッドフォン「CUSTOM ONE PRO PLUS」の特別仕様モデルを展示。ツイキャスやニコ生などのライブ配信を精力的に行なっているアーティストの「かをる★」とコラボレーションしたモデルを会場限定で用意。会場のチラシを持ってフジヤエービックのPart2でヘッドフォン祭期間中にコラボモデルを購入すると1,000円引きとなる。
ブースには、かをる★さんも来場。もともとヘッドフォンが好きで、配信にはTASCAMのUS-366を使っているなどティアックともつながりがあるかをる★さん。彼女を象徴するカラーのブルーをイヤーパッドなどに採用し、アイコンでもある星印をあしらっている。ヘッドフォン祭の会場では16日にスペシャルライブも行なった。
FitEarブースでは、MH335DWに、18金やチタンのハウジングを採用した「MH335DW Studio Reference」も参考出展した。現時点では発売の予定は無いという。
既存のダブルウーファモデルであるMH335DWのハウジングを、18金と、チタンにしたもの。FitEarを展開する須山歯研の、入れ歯など歯科技工のスタッフが手掛けており、キャストした上下2つのパーツをレーザー溶接でシームレスに貼り合わせて成形している。なお、須山氏によれば「ハウジングを変えても音質は変わっていない」とのことだが、会場で試聴もできる。
11階のオンキヨー&パイオニアイノベーションズのブースでは、パイオニアから発表されたばかりのフラッグシップヘッドフォン「SE-MASTER1」(5月中旬発売/店頭予想価格25万円前後)が展示され、試聴の行列ができる人気コーナーとなっている。
その他にも、グループであるフィリップスやオンキヨーのヘッドフォン、MeridianのMQA対応DAC「Explorer2」など多数の製品が展示されている。
Acoustuneは、振動板に特殊合成基材を用いたというダイナミック型ドライバ搭載イヤフォン「HS1001」を展示している。価格は17,000円弱の見込み。
振動板に用いているという素材について詳細は明らかにしていないが、民生用ではないものを使っているという。ダイナミック型の特徴である広帯域再生や、音場感といった特徴を活かしつつ、音の籠もりや繊細さに欠けるといった弱点を改善したという。
同社はポータブルヘッドフォンアンプ「AS1001」も展示。24bit/192kHz対応のバーブラウンDACを搭載し、薄さ17mm、重量130gという薄型アルミ筐体を採用している。
大きな特徴は「クロスディフューズ」と呼ばれる音響回路。ヘッドフォンは直接音しか耳に入らないものだが、スピーカー再生では右スピーカーの音が左耳に、左スピーカーの音が右耳に入る事もある。これが「再生音に独特の臨場感を与える」とし、一定の信号処理条件で、右の信号を左へ、左の信号を右へ、あえて混在させ、奥行きや臨場感などを擬似的に強調するというもの。真空管の音をシミュレートする「チューブスリーディー」機能も備えている。価格は35,000円前後。
ポーカロ・ラインが展示したのはMicroshar製DAC内蔵ヘッドフォンアンプ「G3」。ヘッドフォン祭に合わせてフジヤエービックで先行販売を行なっている。61×102×13mm(幅×奥行き×高さ)というコンパクトさと、114gという軽量さなどが特徴。DACチップはESSの「SABRE Reference32bit DAC ES9018K2m」。WAVやFLACのリニアPCMで384kHz/32bit、DSD 12.2MHzまで対応する。パソコンのほか、iPhoneなどのiOS機器ともデジタル接続でき、カメラコネクションキットを使わずに接続できるという。