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大河原克行のデジタル家電 -最前線-

iPad 2で最も売れているのは「Wi-Fi 16GB ブラック」

BCN調べ。Wi-Fiが7割越え、ホワイト人気


品薄の状況が続くiPad 2。店頭に在庫が確保される日はいつになるのか

 2011年4月28日にiPad 2の国内販売が開始されてから、約2週間を経過した。オンラインのApple Storeでは、納品まで1〜2週間という状態が続いており、発売直後からの品薄が継続している。同サイトでは、一人2台までという制限がついている状況だ。

 では、iPad 2の売れ行きは初代iPadに比べてどれほどの動きを見せているのか。また売れ筋はどのモデルなのか。2011年4月28日〜5月7日までの発売10日間の動きを、全国の主要量販店のPOSデータを集計しているBCNランキングから追った。なお、同集計には、アップルストアなどの数字は含まれていない。



■ 初日は12%増も、10日間の販売台数は8掛け

 

iPadとiPad2の販売台数累計比較
(日次累計)

iPad iPad 2
発売当日 1.00 1.12
2日目 1.46 1.38
3日目 1.63 1.51
4日目 1.71 1.60
5日目 1.75 1.66
6日目 1.80 1.73
7日目 1.96 1.82
8日目 2.17 1.89
9日目 2.42 1.94
10日目 2.55 2.05
iPad:2010年5月28日〜6月6日
iPad 2:2011年4月28日〜5月7日
※iPadの発売日当日の販売台数を基点に算出
出典:BCN
 BCNの集計によると、iPad 2の発売初日の販売台数は、初代iPadに比べて、12%増となった。東日本大震災の影響によって、3月25日に予定していた日本での発売を延期。当初予定よりも約1カ月遅れて発売されたiPad 2だけに、発売を待ちわびていた人たちは少なくなかったといえよう。

 発売当日は、前日夜に正式に発売日が発表されたにも関わらず、アップルストアのほか、各量販店で長蛇の列ができていたことからもそれが裏付けられる。

 しかし、品薄という状況を考えれば、この販売指数は、アップル側の供給力の問題に影響するところが大きい。過去の初代iPadの販売状況と比較してみると、初日はiPad 2の方が販売数量が多かったが、2日目以降の販売指数は、初代iPadの方が多いことがわかる。

 10日間合計での販売指数は、初代iPadに対しての出荷量が80.1%に留まっており、量販店への供給量は8掛け程度となっているようだ。

 今後のiPad 2の供給体制の拡大が望まれるところだ。



■ Wi-Fiモデルに人気が集中、7割を占める

 では、どんなモデルが売れているのだろうか。初代iPadとiPad 2で大きな差が出ているのが、通信機能である。

 

iPadとiPad 2のWi-FiとWi-Fi+3G販売台数比率
(日次累計)

Wi-Fi Wi-Fi+3G
iPad 45.0% 55.0%
iPad2 73.8% 26.2%
iPad:2010年5月28日〜6月6日
iPad 2:2011年4月28日〜5月7日
出典:BCN
 初代iPadでは、2010年5月28日〜6月6日までの発売10日間の集計で、Wi-Fi+3Gが55.0%と過半数を占めていたのに対して、iPad 2ではWi-Fi+3Gの構成比は26.2%と約4分の1にまで下がっている。Wi-Fiモデルが73.8%と圧倒的なのだ。

 家庭内や屋外での無線LAN環境が広がっていることや、ポケットWi-Fiなどの通信デバイスを所有するユーザーが増加したことで、モバイル環境でもWi-Fiモデルが利用できるシーンが増えたことが背景にあるようだ。また、ソフトバンクの3G回線がつながりにくい、速度が遅いといったiPadやiPhoneでの経験も、Wi-Fiモデルの構成比を引き上げる要因となっていそうだ。


 

iPadとiPad 2の容量別販売台数比率
(日次累計)

16GB 32GB 64GB
iPad 21.3% 27.5% 51.2%
iPad2 31.6% 31.4% 37.0%
iPad:2010年5月28日〜6月6日
iPad 2:2011年4月28日〜5月7日
出典:BCN
 容量別でも違いが出ている。初代iPadでは64GB版が51.2%と過半数を占めていたが、iPad 2では37.0%と減少。代わって、16GB版の構成比が初代iPadの21.3%から、iPad 2では31.6%に増加。32GB版も27.5%から31.4%に増加している。

 iPad 2の特徴のひとつに、デュアルコアA5プロセッサの搭載と、最大9倍となるグラフィック性能の向上により、iMovieによる動画編集や、PhotoBoothによる写真加工など、クリエイティブな用途での利用に適している点があげられる。そうした利用をする場合は、単純に大容量モデルが欲しいともいえるが、むしろ手軽にiPad 2を利用したいと考えているユーザーが多いことを示したのかもしれない。

 この結果、通信機能と容量の組み合わせで一番売れているのが、実は、最も廉価なWi-Fiモデルの16GB版ということになった。全体の26.0%と4台に1台は同モデルだ。iPadでは14.8%だったのに比較すると、急増しているのがわかる。初代iPadではこの仕様の価格が47,800円。これがiPad 2では44,800円と3,000円安くなっていることも、少なからず影響しているだろう。

 初代iPadで最も構成比が高かったWi-Fi+3Gモデルの64GB版は、35.2%の構成比から12.1%に大きく減少している。

iPadとiPad 2の販売台数比率
(日次累計)

16GB 32GB 64GB
iPad Wi-Fi 14.8% 14.2% 16.0%
Wi-Fi+3G 6.5% 13.3% 35.2%
iPad2 Wi-Fi 26.0% 22.9% 24.9%
Wi-Fi+3G 5.5% 8.5% 12.1%
iPad:2010年5月28日〜6月6日
iPad 2:2011年4月28日〜5月7日
出典:BCN

iPad 2機種別販売台数順位
2011年4月28日〜5月7日(日次合算)
(出典:BCN)
順位 種別 台数
構成比
(%)
1 Wi-Fi 16GB ブラック 13.7
2 Wi-Fi 64GB ホワイト 12.8
3 Wi-Fi 16GB ホワイト 12.5
4 Wi-Fi 64GB ブラック 12.3
5 Wi-Fi 32GB ホワイト 11.9
6 Wi-Fi 32GB ブラック 11.2
7 Wi-Fi + 3G 64GB ホワイト 6.6
8 Wi-Fi + 3G 64GB ブラック 5.4
9 Wi-Fi + 3G 32GB ホワイト 4.4
10 Wi-Fi + 3G 32GB ブラック 3.9
11 Wi-Fi + 3G 16GB ホワイト 3.1
12 Wi-Fi + 3G 16GB ブラック 2.3

■ 過半数に達したホワイトの構成比

iPad 2のホワイト iPad 2のブラック

 では、今回から追加されたホワイトの構成比はどうなっているのだろうか。BCNの集計によると、51.3%を占めており、ブラックの48.7%をわずかに上回る結果となっている。

 発売当日、大阪の量販店で取材をしていたのだが、このときもホワイトが先に売り切れになっていた。話を聞いてみると、テクニカルライターなどの間では、ブラックを選択する例が多いのだが、一般ユーザーの間では、ホワイトを選択する例がかなり多いようである。

 もともとホワイトは女性に人気が高い色であるが、「iPadは以前から女性の購入が多い製品。また、女性に限らず、男性でもホワイトを選択している人が目立つ」(量販店)という声が出ている。

 今回のiPad 2は、通信機能、容量、そしてカラーに組み合わせで12種類の製品が用意されていることになる。これをランキングとして並べるとどんな順番になるのか。

 BCNの調査によると、1位は「Wi-Fi 16GB ブラック」で13.7%。2位は「Wi-Fi 64GB ホワイト」で12.8%、そして、3位は「Wi-Fi 16GB ホワイト」で12.5%となった。さらに、僅差で4位には「Wi-Fi 64GB ブラック」で12.3%、5位には「Wi-Fi 32GB ホワイト」、6位には「Wi-Fi 32GB ブラック」となる。

 Wi-Fi+3G版では、7位の「Wi-Fi 64GB ホワイト」の6.6%が最も人気ということになる。ただし、繰り返しにはなるが、今回のデータは、品薄という状況のなかでの集計であるため、店頭に出向いて自分が欲しいモデルがないために、仕方なく在庫があるモデルを入手したというユーザーもいるだろう。アップル側の供給体制に依存した上での集計であることも書き加えておきたい。

BCNの調査は、全国23社2,336店舗の量販店のPOSデータを集計。POSデータ提供店は2010年12月現在、アベルネット(ボンバー各店舗)、アマゾン ジャパン(Amazon.co.jp)、エディオン(ishimaru、エイデン、デオデオ、ミドリ)、NTTレゾナント(NTT-X Store)、大塚商会(P-tano)、グッドウィル(グッドウィル)、ケーズホールディングス(ケーズデンキ)、サードウェーブ(ドスパラ)、サンキュー(100満ボルト)、上新電機(上新電機)、スタート(onHOME)、ストリーム(ECカレント)、ソフマップ(ソフマップ)、ZOA(ZOA)、ナニワ商会(カメラのナニワ)、ビックカメラ(ビックカメラ)、ピーシーデポコーポレーション(PC DEPOT)、ベスト電器(ベスト電器)、三星カメラ(三星カメラ)、ムラウチドットコム(ムラウチドットコム)、MOA(A-Price)、ユニットコム(パソコン工房、Faith、TWO TOP)、ラオックス(ラオックス)。

(2011年 5月 13日)

[Reported by 大河原克行]


= 大河原克行 =
 (おおかわら かつゆき)
'65年、東京都出身。IT業界の専門紙である「週刊BCN(ビジネスコンピュータニュース)」の編集長を務め、2001年10月からフリーランスジャーナリストとして独立。BCN記者、編集長時代を通じて、15年以上に渡り、IT産業を中心に幅広く取材、執筆活動を続ける。

現在、ビジネス誌、パソコン誌、ウェブ媒体などで活躍中。PC Watchの「パソコン業界東奔西走」をはじめ、クラウドWatch、ケータイWatch、家電Watch(以上、ImpressWatch)、日経トレンディネット(日経BP社)、Pcfan(毎日コミュニケーションズ)、月刊ビジネスアスキー(アスキー・メディアワークス)などで定期的に記事を執筆。著書に、「ソニースピリットはよみがえるか」(日経BP社)、「松下電器変革への挑戦」(宝島社)など