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【特別企画】地上デジタル完全移行まであと3年
“地デジの基本”と“今できるデジタル移行準備”


2011年7月24日移行


 2011年7月24日の地上デジタル完全移行まで3年を切った。NHKでは、地上アナログ放送に[アナログ]マークの表示を開始。視聴中の放送がアナログであることを周知している。2009年には民放もアナログマーク表示を導入するともに、デジタル移行を促すスーパーの表示など、アナログ停波に向けた具体的な方策が徐々に導入されつつある。

 とはいえ、そうそうテレビを買い替えられるわけでもない。また、停止の直前まで状況を見極めたいという人も多いだろう。しかし、デジタル移行については、単にテレビを買い換えればいいというだけではないので、アンテナなどの受信環境を整備しておく必要もある。

 また、テレビそのものを買い替えなくても、既存のテレビにデジタル対応のレコーダやチューナを追加することで、当面のデジタル受信環境を整備できる場合もある。今回は、基本事項のおさらいも兼ねて、こうした“今できるデジタル対応”についてまとめてみた。

画面イメージ(NHK提供)

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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080724/analog.htm


■ 機器導入前に受信環境をチェック

マスプロ電工の20素子のUHFアンテナ「U20TMH」(8,610円)

 地上デジタル放送の受信にはUHFアンテナが必要だ。一般的には八木アンテナ(八木・宇田アンテナ)と呼ばれる右の写真のような形状のアンテナが主流だ。これらは、アンテナについている素子(主軸から横方向へ伸びている枝の部分)の、数が多いほど感度が高く、据え置き設置には適している。戸建てで、電気店などに設置を頼む場合はこうしたアンテナの選択が一般的だろう。

 しかし、ある程度電波環境のよい場所でデジタル放送を楽しみたい場合には、ベランダなどに手軽に設置できる小型アンテナを利用するという選択肢もある。屋内外の両方に対応したアンテナもあり、ブースターを内蔵したタイプは1万円を超える程度。非搭載のものであれば5,000円程度から選べる。屋内専用ではパソコン用の室内アンテナなど、3,000円程度の安価なモデルもあり、設置も容易なことから、より手に取りやすくなっている。

同じくマスプロの、ブースター内蔵のUHFアンテナ「SKY PRISM(SPM2B)」(16,275円)。屋内/屋外設置の両方に対応している マスプロの卓上テレビアンテナ「ma*screen」(マ*スクリーン)。ブースター搭載の「MASC2B」(7,980円)、非搭載の「MASC2」(4,410円)を用意。フォトスタンドとしても利用できるのが特徴だ

 とはいえ、受信環境や放送局の対応状況は場所によってまちまちだ。Dpaが公開している放送エリアの目安や、近隣の電気店などでと相談の上、選択するべきだ。

 また、そもそもアンテナを立てなくても、地上デジタル放送が視聴可能な環境もある。例えば、アパートやマンションなど集合住宅で、共同アンテナを設置している場合だ。すでに共同アンテナで地デジ対応していれば、デジタル対応チューナやテレビを、部屋のアンテナ端子に接続するだけで視聴可能となるはずだ。対応していない場合、こうした共同アンテナのケースでは、管理組合や大家などと相談の上、導入を決定することとなる。

 さらに、自宅がCATVに加入している場合。CATV局の多くがデジタル対応を進めており、地上デジタル放送をそのまま視聴できるパススルー方式が採用されている事も多い。こうした家屋/マンションなどでは、アンテナを別途設置することなく、地デジ対応テレビなどを家庭内のアンテナ端子に接続するだけで、地デジを視聴できるはずだ。

 また、CATV以外でもFTTH(光ファイバー)を介したデジタル放送の再送信がスタートしている。NTT東日本/西日本では、FTTHを使った「スカパー! 光」の加入者向けに地上デジタル放送の再送信を実施。NTTぷららの「ひかりTV」でも、IPを使った再送信とVODサービスなどを提供している。月額の基本料金の支払いなどが必要となるが、様々理由でアンテナが立てられない、電波の入りが悪いなどの場合でも、こうした通信網を使ったサービスで解決できるケースもあるだろう。

□アンテナの種類と選び方 (NHK放送受信相談室)
http://www.nhk.or.jp/res/mmenu4/mm412.htm
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-H.264/1080iコンテンツも。NGN含むフレッツ利用者に
http://av.watch.impress.co.jp/docs/20080307/plala.htm


■ 価格だけではない、単体チューナ選びのポイント

 地上デジタル放送がスタートした2003年から2005年頃までは、単体の地上デジタルチューナは5万円以上と高価で、BSデジタル/110度CSデジタルも受信できる3波対応モデルがメイン。接続端子はD3/4端子を備えたものが大手メーカーからリリースされていた。

 しかし、2006年に19,800円という低価格で登場したユニデンのHDMI付地デジチューナ「DT100-HDMI」を皮切りに低価格化が進行。現在では地デジのみ対応であれば2万円以下がほとんどで、3波対応モデルでも3万円以下で購入できるようになりつつある。また、売り場を賑わせているメーカーが大手家電メーカーではなく、バッファローやアイ・オー・データなどのPC周辺機器メーカー、マスプロや八木アンテナなどのアンテナメーカーが多いことも特徴だ。各社のモデルを一覧表でまとめたので参考にして欲しい。

単体デジタルチューナユニット製品一覧

 仕様としてはHDMI端子を備えているのは3波対応モデルのみ。地デジのみのチューナはD端子を備えるか、コンポジット/S映像のみのシンプルモデルに分かれる。EPGや字幕放送には大半のモデルが対応しており、パンスキャン機能の有無やデータ放送への対応などが機種選びのポイントになりそう。

バッファローの3波対応チューナ「LT-H90DTV」(27,720円)。DLNAに対応。NASやPCに保存した映像や静止画などが再生可能。DTCP-IPにも対応し、DLNAサーバー機能を持つBlu-rayレコーダで録画した番組をネットワーク再生できる

 接続するアナログテレビにHDMIやD端子が無ければシンプルモデルを価格で選ぶのが基本だろう。しかし、アナログテレビを使わなくなった後のことを考えると、例えばHDMIやHDCP対応のDVI端子を備えたPC用ディスプレイを持っていれば、HDMI付のデジタルチューナを接続するだけでディスプレイをテレビとして利用することも可能になる。アナログテレビを使わなくなった後のことも考えながら機種選びをするのも重要だ。

 また、機能面ではDLNA/DTCP-IP対応のネットワークメディアプレーヤー機能を備えたバッファローの「LT-H90DTV」にも注目だ。アナログテレビでPCやNAS内に保存された音楽/映像ファイルを再生できるようになるほか、将来的には外部HDDへの録画にも対応予定という高機能モデルだ。

 単体チューナは“古いテレビを使い続ける”という現状維持的な製品だが、同モデルを使えば“今よりも高機能に生まれ変わらせる”ことが可能になる。また、予算に余裕がある場合は3波チューナを内蔵したHDD/DVDレコーダも5万円以下まで下がっていおり、レコーダをチューナとして使うという選択肢も視野に入ってくるだろう。

□総務省の地上デジタルテレビ案内ページ
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/digital-broad/index.html
□全国地上デジタル放送推進協議会のアナログ放送終了計画案(PDF)
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/joho_bukai/pdf/080526_1_sk3.pdf
□Dpaのホームページ
http://www.dpa.or.jp/
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20071201/dpa.htm
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http://av.watch.impress.co.jp/docs/20031201/gdb.htm

(2008年7月25日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp/nakaba-a@impress.co.jp/yamaza-k@impress.co.jp/]


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