三洋、温度検出回路を内蔵したオーディオアンプ用IC

-自動調整回路を搭載したラジオチューナICも開発


オーディオアンプ用IC「STK412-700-E」シリーズ

3月26日発表


 三洋半導体株式会社は26日、オーディオアンプ用ハイブリッドIC「STK412-700-E」シリーズを開発したと発表した。3月からサンプル出荷を開始し、サンプル価格は1,500円。出力別に3モデル用意する。

 また、オーディオ機器用のラジオチューナIC「LV23400V」の開発も同日に発表。サンプル出荷は同じく3月からで、サンプル価格は500円となっている。


■ STK412-700-Eシリーズ

 アルミ板をベース基板とした同社独自の絶縁金属基板技術と、新開発のプリドライバーICや、出力素子に個別MOS-FET(ベアチップ)などを採用し、1パッケージに集積したオーディオアンプ用ハイブリッドIC。ホームシアター製品やミニコンポなどのオーディオ機器への実装を想定する。

 出力別に3モデルのICを用意。「STK412-740-E」には200W×2ch、「STK412-750-E」には250W×2ch、「STK412-770-E」には300W×2chのハイパワーアンプ出力回路を搭載する。本製品でオーディオステレオアンプを構成できるため、セットの小型化が可能だとしている。 

 高低2系統の電源電圧を備え、スピーカーの出力信号レベルに応じて電源電圧を切り替える「電源電圧切替方式」を採用。電力損失を最大45%削減(同社製品比)。省電力化と低歪率化を実現するという。

 またプリドライバーICに「温度検出回路」を内蔵し、ハイブリッドICの金属基板が設定温度以上に上昇した時にアラーム信号を出力する機能を搭載。過熱時に冷却ファンを始動したり、ハイブリッドICへのオーディオ入力信号レベルを絞るなどのアンプの過熱状態を回避することが容易になるとしている。

 従来のアナログアンプ製品とのピンコンパチブル仕様で、既存製品と組み合わせてのセット設計が可能。パッケージは44.1×78×9mm(縦×横×厚み)。


■ LV23400V

ラジオチューナIC「LV23400V」

 オーディオ機器用のラジオチューナIC。自動調整回路(ステートマシーン)を採用し、ラジオシステムの生産工程において必要であったほかの部品との調整作業を省略できるとしている。

 また、同社独自技術であるBi-CMOSプロセスを使用したアナログフィルタ回路を搭載。ラジオ機能に必要な部品を全て1チップに集積し、部品点数で約70%の削減(同社従来比)に成功。基盤面積の縮小やトータルコストの削減が可能だという。

 受信周波数はFMが64~108MHz、AMが520~1,710kHzに対応し、世界の全バンドの受信が可能。また、FMが225kHz、AMが53kHzの低IF周波数も採用する。

 4段階のプログラム制御によるオーディオ出力レベル調整が可能。7段階のプログラム制御によるソフトミュート機能、ソフトステレオ機能も搭載する。パッケージは7.6×10.2×1.5mm(縦×横×厚み)のSSOP30ピン。


(2009年 3月 26日)

[AV Watch編集部 大類洋輔]