ニュース

オラソニック、大型化し高音質になったTV向け卵スピーカー「TW-D77OPT」

 東和電子は、オラソニックブランドのタマゴ型スピーカーのテレビ向けモデル「TW-D77OPT」を6月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は22,550円前後(税込)。カラーはノーブルブラック。

テレビ向けスピーカー「TW-D77OPT」

 TW-D7OPTの後継モデル。アンプやDACを内蔵したメインユニットと、2つの卵型スピーカーで構成。薄型テレビとの組み合わせを想定しており、入力はステレオミニ、光デジタル(96kHz/24bit対応)を各1系統装備する。HDMI入力は備えておらず、HDMI搭載の「TW-D9HDM」は上位モデルとして併売される。

使用イメージ

 メインユニット部の仕様は、従来のTW-D7OPTとほぼ同じ。スピーカー部分を、タマゴ型USBスピーカーの最新モデルである「TW-S9」相当のサイズに変更したモデルとなる。ただし、スーパーツイータは備えていない。

左が「TW-D77OPT」、右が従来モデル「TW-D7OPT」のスピーカー

 強度を追求し、平行面がなく定在波が発生しないというタマゴ型のエンクロージャが特徴。従来モデルより、エンクロージャの容量は1.2倍に大型化した。ユニットは60mm径フルレンジで、55mm径の大型マグネットを採用している。背面には70mm径のプレッシャーボード付きパッシブラジエータを装備。低域の再生能力を高めている。バスブースト機能もアンプ側に用意する。

背面には70mm径のプレッシャーボード付きパッシブラジエータを装備

 再生周波数帯域は45Hz~20kHz。従来モデルと同様に、SCDS(Super Charged Drive System)を搭載。低消費電力なシステムでも、瞬間的な大音量再生を可能にするもので、内部に大容量のキャパシタを搭載。音楽は常に大きな音が出ているわけではなく、静かな部分と、激しい部分の強弱がある。静かな時にキャパシタに充電を行ない、大音量が必要な時に一気に放電することで、ハイパワーな再生を可能にしている。ダイナミックパワーは10W×2ch。電源は付属のACアダプタを使用。

 メインユニットの仕様は従来モデルとほぼ同じだが、組み合わせるスピーカーに合わせて音質チューニングは変更されている。さらに、カラーも変更。入力端子などの表記部分が日本語になり、わかりやすさを追求したとする。

 メインユニットにはイヤフォン出力も装備。スピーカーから音を出したくない場合に、利用できる。オートパワーオフ機能も用意する。

 外形寸法は、スピーカーが113×117×162mm(幅×奥行き×高さ)、メインユニットが106×108×39mm(同)。重量はセットで1,250g。リモコンや光デジタルケーブル、ステレオミニケーブルなどが付属する。

メインユニットの主な仕様は従来モデル(右)と同じだが、入力端子や機能の表記が日本語になった
上から見たところ
背面
側面にイヤフォン端子などを備える
テレビのスタンド脇に設置した利用イメージ

音を聴いてみる

 最上位モデルは別として、薄型テレビの内蔵スピーカーは総じてあまり音が良くない。“薄い板”であるテレビの筐体が反響する、プラスチックの響きが乗った、カンカン・コンコンした音になりがちで、エンクロージャに使える体積も少ないため、分厚い中低域が出にくい。結果的に、痩せた、高域寄りの音が多い傾向にある。

 従来モデルの「TW-D7OPT」は、卵型エンクロージャを活かした空間表現が秀逸で、テレビの周囲に音がわだかまらず、外へと広がり、映画や音楽番組などが気持ちよく聴けた。余分な振動を抑える卵型エンクロージャにより、音自体もクリアで、アナウンサーの声や、映画のセリフも聴き取りやすかった。

 新モデルの「TW-D77OPT」では、こうした従来モデルの特徴を残しながら、より進化。筐体が大きくなった事で、厚みのある中低域がしっかり出るようになっており、アクション映画や、男性のナレーションなどで、音にドッシリとした安定感が出るようになった。

 音場表現もより進化しており、左右だけでなく、テレビの奥にも音が広がっていく様子がよく分かる。

 アクション映画などでさらに低域のパワフルさが欲しい時は、バスブーストをONにすると、ドシンとした沈み込みが深くなり、迫力が増す。そんな中でも、高域や個々の音像はシャープに描写されているので、音の移動感も聞き取りやすい。テレビのサウンドを改善するスピーカーという枠を超え、映画や音楽番組をよりドラマチックに、迫力あるサウンドで楽しめるスピーカーに進化したと言えるだろう。