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オーディオテクニカ創業54年、最上位MCカートリッジ「AT-ART1000」

 オーディオテクニカは、MCカートリッジのフラグシップモデル「AT-ART1000」を7月8日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は60万円前後。販売店限定で、取り扱い店はAT-ART1000専用サイトで案内している

AT-ART1000

 ドイツで5月に開催された「HIGH END 2016」で初披露し、「創業から54年、カートリッジ製造54年」という同社の新たなフラッグシップカートリッジとして開発。アナログ・レコードのニーズが高まる中、「独自のアナログ技術と最先端材料をもって製品化し、理想をカタチにした」という。

 ARTの名を冠したMCカートリッジのフラッグシップ機。日本国内でハンドメイドで製造している。発電コイルをスタイラスチップの真上に配置する、独自のダイレクトパワー方式を採用。発電コイルをカンチレバーの根元に配置する従来方式と比べ、カンチレバーの長さや材質に起因する音質への影響を抑制。音の細部まで描写し、忠実度の高い再生を実現したという。

 コイル材には20μm径のPCOCC線を用い、0.9mm径で8ターン巻いた空芯コイルを採用。空芯型でありながら、コイルインピーダンス3Ωで0.2mWの出力電圧を獲得したという。

 ボディはチタン製。ハウジングはアルミニウム、カバーには硬質樹脂材を採用し、素材と異なる組み合わせにより音質に悪影響を与える寄生共振を分散している。周波数特性は15Hz~30kHz、出力電圧は0.2mV(1kHz、5cm/sec.)。チャンネルセパレーションは30dB(1kHz)。重量は11g。

 カートリッジケースは、天然木ウォールナット無垢材を採用し、北海道の工房で作られたMADE IN JAPANのハンドメイド。シェルごとに収納でき、ロックしなくても蓋が開かないバネ付き蝶番を備えている。