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新ウォークマンやXperiaなどで“ソニーが日常の一部”に。平井社長会見

 ソニーは、ドイツ・ベルリンで1日(現地時間)に行なった「IFA 2016」のプレスカンファレンスにおいて、スマートフォンXperia XZやテレビの4K BRAVIA Zシリーズ、ウォークマン、ワイヤレスのノイズキャンセリングヘッドフォンなどの新製品を発表。今回の会見は、ポータブルオーディオやスマートデバイスなど、“パーソナル”な製品を中心に据えた内容となった。

平井一夫社長兼CEO

“ラストワンインチ”の代表格としてパーソナルオーディオを訴求

 平井一夫社長兼CEOは、ソニーの製品作りについて「全ての人々に最も近い“ラストワンインチ”にある存在となることが、感性に訴える価値をもたらす」と強調。その具体的な例として、最初に紹介したのが、新たなオーディオ製品「Signature Series」。パーソナルな空間での音楽リスニング体験を豊かにする製品として、ヘッドフォンアンプ「TA-ZH1ES」、最上位ウォークマン「NW-WM1Z/WM1A」、ヘッドフォン「MDR-Z1R」を発表した。

ラストワンインチをキーワードに紹介
Signature Seriesのヘッドフォンアンプ、ヘッドフォン、ウォークマン

 この他にも、Bluetoothワイヤレスヘッドフォンで最新のノイズキャンセリング技術も搭載した「MDR-1000X」も紹介した。

MDR-1000X

 続いて触れたのは、10月に発売される「PlayStation VR」。全世界で実売4,000万台を突破したPlayStation 4のエコシステムの中で、PS VRへの周囲の期待が高いことに触れつつ、「VRはゲームだけでなく、(カメラなどの)デジタルイメージング、コンテンツ制作にもつながりが深く、ソニーの強みを活かせる良いポジションにある」とした。

PlayStation VR

 このほか、新規事業の創出を図る「Seed Acceleration Program(SAP)」の最新動向として、電子ペーパーでデザインが変えられる腕時計の最新モデル「FES WATCH U」を紹介。平井氏自ら装着し、盤面やストラップ部のデザインを自由に変えて楽しめる点をアピールした。

FES WATCH U
英国でも「グラスサウンドスピーカー」を発売開始したことなどを紹介
ロボティクスやAIへの取り組みにも言及した

Xperia新フラグシップ登場。Xperia EarやProjector/Agentも

 モバイル製品は、ソニーモバイルコミュニケーションズ EVP セールス&マーケティング担当の古海英之氏が紹介。

Xperia XZを紹介した古海英之氏

 スマートフォンの新たなフラッグシップ機「Xperia XZ」は、カメラ部の“トリプルイメージセンシングテクノロジー”によるAF精度や色再現などの向上を強調したほか、素材の質感を活かした新デザイン、バッテリの長寿命化への取り組みなどを軸に“よりスマートでパーソナル”な存在となったことをアピール。

トリプルイメージセンシングテクノロジー
メタリックな質感のデザイン

 Xperia周辺機器としては、SNSなどのコミュニケーションが行なえるイヤフォン型のスマートプロダクト「Xperia Ear」の発売を発表。スペインでのMobile World Congress発表時からのアップデート情報として、うなずく動作などで操作できる機能などを紹介した。

Xperia Ear

 また、発売時期は未定ながら、プロジェクタで投写した画面をタッチしてアプリやゲームを使える「Xperia projector」や、ロボットのような「Xperia Agent」を紹介。いずれも現在はコンセプトモデルの状態だが、今回は他社とのコラボレーションでデモが行なわれており、ProjectorはYahoo! JAPANのショッピングが画面上で行なえるという使い方を紹介。Agentはネスレのコーヒーメーカーと連携して、ユーザーの好みに合わせたコーヒーを自動で作れるといった利用シーンを提案する。

Xperia projector
Xperia Agent

ソニーが日常の一部に

 平井氏は、最近のソニーの安定した経営をベースとしたうえで、「好奇心を刺激し、生活をシンプルにし、“KANDO(感動)”を実際に味わってもらうことで、ソニーが日常の一部になれる」とし、改めて“ラストワンインチ”の製品作りに意欲を見せた。

 そのために大切な要素として、「他のイノベーターや技術者、コンテンツクリエイターとのコラボレーション、パートナシップ」を挙げ、「数多くあるコンシューマエレクトロニクスの中から選ばれる存在であり続け、ソニーがユーザーの生活の一部になることを目指す」とした。