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エアロセンス、垂直に離着陸できる米スウィフト製VTOLドローンの日本展開で協業

 エアロセンスは、米スウィフト・エンジニアング製VTOL(Vertical TakeOff and Landing:垂直離着陸型固定翼)ドローンの日本国内での事業化に向けて7月に提携し、協業を開始した。

スウィフト・エンジニアリングの自律飛行型VTOL「Swift 020」

 スウィフト・エンジニアリングは、1983年にレーシングカーの設計・製造会社として創業。先進的な機体設計・製造技術を強みに、2000年以降は航空宇宙分野にも進出。ボーイング、ノースロップ・グラマン、シコルスキーなどの次世代製品の開発・生産プロジェクトを受託している。

 過去20年近くにわたる無人航空機システムの開発・製造経験の集大成として、現在自社ブランドの自律飛行型VTOL「Swift 020」実用化を目指している。

 マルチローター型ドローンは国内でも普及が進み、航空法改正により法的な枠組みも整理され、更なる実用化に向けた規制緩和、基準作りが進められている。一方で、VTOLドローンはマルチローター型に比べて飛行制御が難しく、安定した自律飛行を実現しているプレーヤーが少なく、制度面、実用面ともに課題があるという。

 しかし、VTOLドローンは、固定翼の高速性とマルチローターの場所を選ばない離着陸性という、両方の利点を兼ね備えている。迅速に広範囲の状況を把握し、物資を届けることも必要な災害時での活用や、広範囲のインフラ点検・監視などに向いているという。

 エアロセンスでも、自律飛行型VTOLを2016年に開発。既にザンビア共和国での医薬品などの物流サービス支援や、沖縄での離島間飛行実験などで事業化検討を進めている。

エアロセンスの自律飛行型VTOL

 今後エアロセンスとスウィフトは協業を通じ、「Swift 020」の日本国内における飛行実験のサポートや、自律飛行型VTOLドローンの基準作り、実用化に向けたマーケティング活動を実施していくという。