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エレキット、ヘッドフォンでも低ノイズな300B真空管アンプキット

 イーケイジャパンは、電子工作キット「エレキット」より、ヘッドフォン駆動も可能な「300Bシングル真空管アンプキット TU-8600」を9月下旬に数量限定で発売する。価格は108,000円。真空管は付属せず、ユーザーが別途用意する必要がある。

TU-8600に真空管を装着したところ

 300Bを使った真空管アンプキット。増幅回路や電源回路の構成、フィードバックのかけ方などを見直し、「スピーカーだけでなくヘッドフォン使用時も満足できる低ノイズと音質を実現した」という。既に300Bを所有しているマニア向けとしており、TU-8600に真空管は付属しない。また、組み立てにはハンダ付けが必要。

ボンネット装着時

 使用真空管は300B×2本、12AX7×1本、 12AU7×2本。定格出力は9.2W×2ch(THD 10%)。周波数特性は7Hz~40kHz(-3dB)。出力インピーダンスは4~6.3Ωと8~16Ωで、背面スイッチで切り替えられる。

背面

 電源トランスに高効率、 低漏れ磁束のRコアトランスを採用し、 整流用のダイオードに回復時間が短いショットキーバリアダイオード、 ファストリカバリーダイオードを採用してノイズを抑えるなど、電源回路を強化。トランス巻き線はフィラメント・ヒーター用のA電源、 B電源とバイアス用のC電源それぞれの巻線を独立させ、 各電源をクリーン化。これにより残留ノイズレベルは、同社「TU-8300(R)」の1/10以下を実現した。

 300Bの特性を引き出すため、安定した音質重視のフィードバック回路を搭載。プレート電流を検出してグリッドの負電圧を自動調整する「新アクティブオートバイアス」方式を採用して、 自己バイアス方式と固定バイアス方式の利点を生かすことで、音質向上を実現する。また、300Bを強力にドライブする電圧増幅段や、300Bへの負荷を抑える設計も採用した。

 コンデンサは、導電性高分子ハイブリッド電解コンデンサやポリプロピレンフィルムコンデンサなどを採用。さらに、ユーザーによるカップリングコンデンサの交換にも対応でき、大型タイプも実装できるスペースを確保した。

カップリングコンデンサの取り付けスペース

 入力はアナログライン×1で、出力はバナナプラグも使用できる金メッキネジ式ターミナルが1系統。前面にヘッドフォン端子を備え、接続するヘッドフォンの感度に合わせて4段階の音量設定が可能。パイロットランプの色は基板上のショートプラグの差し替えで変更できる。

ヘッドホンの音量設定、 パイロットランプの色は基板上のショートプラグの差し替えで変更可能

 AC電源で動作し、消費電力は90W。外形寸法は385×325×217mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約12.6kg。真空管を保護するボンネットが付属する。

パーツ一覧