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ソニーが超コンパクトカメラ「RX0」やBluetooth/NCの「1000X」、スマートスピーカー披露

 ソニーは、「IFA 2017」のプレスカンファレンスにおいて、Xperiaの新機種「Xperia XZ1」や、ウォークマン「NW-ZX300」、Googleアシスタント対応スマートスピーカー「LF-S50G」などを発表した。

 今回登壇したのは、昨年までとは違って平井一夫社長兼CEOではなく、ソニーヨーロッパの粂川滋社長。ソニーがミッションとしている“深い感動を届ける”、人のすぐ近くにあって感性に訴える“ラストワンインチ”というコンセプトは改めて強調しつつ、欧州におけるビジネス的な好調さと、それをベースにソニーが強みとする部分をさらに確実に進化させる意思を強く印象付ける内容となった。

ソニーヨーロッパの粂川滋社長

 まずは4K有機EL(OLED)テレビの「A1シリーズ」において、最大となる77型を9月末に発売すると発表。日本でもこの製品は発表されたが、欧州では4Kテレビにおいて55型以上の伸びが2016年に前年比40%増となるなど、大型化の波は進んでいるという。テレビ全体における4K対応の割合は、30%から50%まで伸長している。

有機ELテレビの「A1シリーズ」

 続いてデジタルカメラについては、高級コンパクト「RXシリーズ」の高画質を、アクションカムのような小型筐体に凝縮した「RX0」を発表。10m防水や2mの落下耐性などに対応し、1インチ/1,530万画素のExmor RS CMOSイメージセンサーと画像処理エンジン「BIONZ X」により高品質な静止画/動画を撮れるだけでなく、複数台をワイヤレス接続して連携できるのも特徴。別売ワイヤレスリモコンを使うと最大15台のリモートレリーズ撮影が行なえ、多視点からの新しい映像表現ができるという。960fpsスーパースロー撮影や、16コマ/秒の連写にも対応する。

「RX0」を披露
高級コンパクトの増加(グラフのオレンジ色の部分)
ミラーレスのフルサイズの割合(オレンジ色)

 オーディオ関連で最初に紹介したのはノイズキャンセリング(NC)対応のBluetoothヘッドフォン「1000Xシリーズ」の新機種となる3モデル。アラウンドイヤーの「WH-1000XM2」、ネックバンド型の「WI-1000X」、左右完全分離型の「WF-1000X」を用意し、欧州では9月以降に順次発売。ヘッドフォン/ネックバンド型イヤフォン/完全分離型のそれぞれのカテゴリで“業界最高のNC”を特徴とし、スマートフォンアプリの「Sony | Headphones Connect」を使ったカスタマイズも可能で、「いつでもどこでもいい音」を楽しめるモデルとして打ち出すという。いずれも9月より順次発売する。

アラウンドイヤーの「WH-1000XM2」
ネックバンド型「WI-1000X」
左右完全分離型「WF-1000X」

 さらに、オーディオの新たな取り組みとして、ソニー初となるGoogleアシスタント対応のスマートスピーカー「LF-S50G」を発表。音声操作によって音楽再生やニュースなどの情報取得が可能。

スマートスピーカー「LF-S50G」

 音楽をスマホやワイヤレス音楽配信サービスなどから聴くことが可能で、「ソニーの高音質技術により、360度方向に音を出すことで部屋のどこからでも良い音で聴ける」としている。IPX3防滴にも対応する。

 最後に粂川氏は欧州市場の今後について、ソニーは今の好調なポジションを維持するとの見方を示し、「今後もイノベーションを続け、よりよい“ラストワンインチ”体験を提供する」とした。

XperiaにHDRや新たなカメラ機能を備えた「XZ1」とセルフィーに強い「XZ1 Compact」

 スマートフォンは、ソニーモバイルコミュニケーションズ EVP グローバルセールス&マーケティング担当の古海英之氏が紹介。

ソニーモバイルコミュニケーションズの古海英之氏

 新たなプレミアムモデル「Xperia XZ1」と「Xperia XZ Compact」をポケットから取り出し、「新たなエンターテインメント体験を届ける」と説明。既存のフラッグシップモデル「XZ Premium」と同様に960fpsスーパースロー撮影機能などを継承しつつ、XZ Premiumを超えるスペックとして、初めて「Android 8.0 Oreo」を搭載。さらにXZ1はHD解像度ながらHDR表示にも対応している点を紹介。

「Xperia XZ1」(左)と「Xperia XZ Compact」(右)

 また、“他に類を見ないユニークなテクノロジー”として紹介されたのは「3D Creator」。カメラを使って人の顔などをスキャン/キャプチャして、高品質な180度または360度撮影が約1分で行なえるという機能。このデータを元にアバターなどを作ってSNSなどでシェアするといった使い方を提案している。

カメラで撮影して3Dデータを作成

 サンプルとして、古海氏と粂川氏の3Dデータを使ったアバターがコミカルにダンスする姿を披露すると、会場からも歓声と笑い声が上がった。スマホで作ったとは想像できないリアルな3Dデータであり、高い技術を投入しながら、でき上がったのは“ダンスをするアニメキャラクター風の動画”であり、見方によってはばかばかしくもある。ただ、何かの役に立てるための技術というよりは、“シェアしたくなる一瞬の楽しさ”に高い技術と情熱を注いでいるような点が、今の時代に合った面白さであるとも感じられる機能だ。

アバターを作成して動かせる
SNSでのシェアや、3Dプリンタ出力などにも活用できる

 スペック面では、クアルコムの最新プロセッサ「Snapdragon 835」を搭載し、さらに初のAndroid 8.0 Oreo対応スマートフォンであることも明かされると、会場からも歓迎の拍手が上がった。

Snapdragon 835を搭載、初のAndroid 8.0 Oreo対応

 XZ Compactは、4.2型の小型筐体に、XZ1と同様のカメラ機能を備えつつ、独自の特徴としてセルフィー時に背景まで含めたワイドな画角で撮影可能となっている。

XZ1 Compact
左がSuper wide-angle selfie

 発売時期については、XZ1がグローバルで「(発表日の31日から見て)来週」から、Compactは9月から順次発売すると発表した。なお、地域によって販売時期は異なり、日本での発売時期は現時点ではアナウンスしていない。

 古海氏は「たくさんのプロダクトを紹介したが、実際に手に取って使っていただくのが一番。ぜひブースで体験してほしい」と述べ、今回の会見を締めくくった。