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“聴くVR”、ヤマハが立体音響技術「ViReal」本格展開。「モンハンワールド」に採用

 ヤマハは、 VRコンテンツなどと相性の良い立体音響技術「ViReal」(バイリアル)を使った、3Dヘッドフォン再生技術の本格提供を2018年1月から開始する。これに先立ち、カプコンが2017年12月14日に発売するゲームソフト「バイオハザード7 レジデント イービル ゴールド エディション」と、 2018年1月26日発売予定の「モンスターハンター:ワールド」に、この技術が採用される。

チャンネルベースのオーディオではなく、スピーカーの制約にとらわれず、自由な設定で最適な音空間を提供できるという

 「“視る”VRに対して、 ViRealは、 ヤマハが提案する“聴く”VRを実現する技術の1つ」という。前後・上下・左右、あらゆる方向から聴こえてくる音をヘッドフォンやイヤフォン、スピーカーでも再現できるというもので、再生だけでなく、独自のマイクテクノロジーとサウンドエンジンによって立体音響の“収録”、“制作”も総合的にサポートするのが特徴。

 収録には、全方向の音を方向の情報を保ったまま、一度に64chで収録できる「ViReal Mic」を使用。「高解像度の収録により、その場の空気感までも再現する」という。

 Danteネットワークを利用し、LANケーブル1本で録音することも可能。マイクもケーブルも1本のみ。コンパクトな録音環境で、設置時間も削減できるという。

一度に64chで収録できる「ViReal Mic」

 チャンネルベースのオーディオとは異なるため、立体音響をチャンネルベースオーディオにダウンコンバートせずに、立体音響のままミキシングや加工ができる編集ソフト「ViReal Sound Engine」も用意。収録音響を正確に再現するだけでなく、音素材を自由に空間に配置し、立体音響としてミキシングできる。

編集ソフト「ViReal Sound Engine」

 こうして作られたサウンドを、ヘッドフォンやスピーカーで再生するのだが、ヘッドフォンの場合は耳の形状に個人差があるため、人によって音の聞こえ方が変わる。そこで、人間の耳・頭部の形状を約100人分収集、解析、学習することで、独自のHRTF(頭部伝達関数)を開発。

独自のHRTF(頭部伝達関数)を開発

 これを使ったヘッドフォン再生技術により、「どんな人でも、どんなヘッドフォンでも、最大限の立体音響効果が得られる」とし、2,000方向以上の分解能でなめらかな音源移動を実現。「未だかつてない圧倒的な高品質サラウンド音響を提供する」という。専用のヘッドフォンは不要。

 スピーカー再生時は、事前にスピーカーレイアウトを決めて音の制作をする必要がなく、「ViReal Speakers」では、スピーカーの数や位置に応じてリアルタイムにレンダリング。スピーカーの制約にとらわれず、自由な設定で最適な音空間を提供するという。つまり、立体音響でコンテンツを作れば、それをヘッドフォンでも、スピーカーでも、再生環境にあわせてレンダリングできる。

スピーカーの制約にとらわれない、ViReal Speakersのイメージ