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SOULNOTE、完全バランスのプリメイン上位機「A-2」。新方式BTL採用

 CSRは、SOULNOTEブランドのプリメインアンプ「A-2」を12月下旬に発売する。価格は50万円。カラーはプレミアム・シルバーとプレミアム・ブラックを用意する。

A-2(プレミアム・シルバー)

 '16年4月に発売した「A-1」の思想を受け継ぎ、さらに高音質/高機能化を図った上位モデル。「現在におけるSOULNOTEオリジナルの完全バランス無帰還テクノロジーの集大成として、全ての技術を惜しみなく投入した」という。新方式のBTL/バイアンプモードや、パワーアンプモードも搭載する。入力端子はバランス(XLR)とアンバランス(RCA)を各3系統備える。最大出力は100W×2ch(8Ω)、200W×2ch(4Ω)、1台のモノラルアンプとしてBTL接続する場合は400W(8Ω)。

A-2(プレミアム・ブラック)

 SOULNOTEオリジナルの完全バランス無帰還回路を、音質優先で最適化して採用。出力ステージのほか、電圧増幅段、電源回路においても電圧帰還を徹底して排除したという。DCサーボ回路やカレントミラー回路など音質に影響がある回路を省いたほか、電圧増幅段の定電流回路やバイアス回路も、音質で選んだ定電流素子(2SK209)と定電圧素子(LED)のみのシンプルな回路とした。電圧増幅ステージは、エミッタフォロア出力まで完全バランス化している。

内部

 音量調整には回転型摺動子付きボリュームや電子ボリュームではなく、SOULNOTE独自のリレーで高精度抵抗を切り替えるアッテネータ方式をバランス型で採用。透明感が向上し、音像が立体的に浮かび上がるという。小音量時のクオリティも向上させた。

 入力端子、入力セレクタ、ボリューム、無帰還電圧増幅ステージまでを一枚の多層基板に集中させ、入力信号ラインを最短化。リレー切替え方式バランスアッテネータにより実現できた構造だという。

 出力ステージとメイン電源で構成するパワーブロックは、銅箔厚70ミクロンの基板内層プレーンを電源バスバーとして使用。整流コンデンサ、出力トランジスタ、スピーカー+端子、スピーカー−端子、整流コンデンサの大電流ループを最小化し、大電流ラインのインダクタンス成分を排除。周波数特性と安定性を向上させた。信号ラインだけでなく電源ラインもコネクタを排除し、ケーブルを直接基板に半田付けして無接点化した。

銅箔厚70ミクロンの4層基板を採用
A-2_出力トランジスタ

 ヒートシンクは、冷却効率が高く固有振動が少ない形状を追求した新開発のチムニー型を採用。電源は“SOULNOTE史上最強クラス”という600VAバイファラ巻きトロイダルトランスを採用。ファーストリカバリーダイオードによる±独立整流回路をトランス巻線直近に配置して整流電流ループを最小化した。整流コンデンサは音質で選び抜いたエルナー製の弊社専用品を採用。小容量コンデンサを多数パラレル接続することで高周波特性と総合容量をコントロールして最適化した。

トランス

 ファイナルステージはハイスピードトランジスタの2SC2837と2SA1186の4パラレル構成。強力無帰還電源との組み合わせにより、余裕のあるスピーカー駆動能力を持つという。特別設計の装置を使用して出力トランジスタを選別/ペアリングした。ファイナルトランジスタを完全にドライブするために高周波トランジスタによる4段ダーリントン構成とし、各電流量を最適化している。

 電源トランスは直接スパイクで接地。凹凸断面形状で共振をコントロールしたアルミパネルの組み合わせで剛性を向上。アルミパネル同士の直接接合は避けて不要な共振を排除した。トップカバーは、ベース鉄板とアルミパネルを互いにダンプしないように3点接合させた二重構造で、筐体アルミ部に固定せず3点接地とし、音の重心を下げたという。

 ステレオアンプの左右チャンネルを逆相で使用する従来のBTLモノラルではなく、1個の無帰還作動アンプの作動出力を左右ファイナルステージに分配する新しい方式のBTLモノラルモードを採用。「BTL駆動の豪快さと繊細で解放的な音楽表現を両立させた」としている。BTLモノラルに加え、モノラル入力を左右チャンネルに分配するバイアンプモノラルモードも選択できる。

 パワーアンプモードも用意。同モード時はマイコンの電源を停止し、セレクタとボリュームをバイパスしてSN比を高める。入力はXLR/RCAから選択可能。

 全高調波歪率は0.03%(50W 8Ω)、周波数特性(スピーカー8Ω/1W)は3Hz~240kHz(±1.0dB)、SN比は110dB、外形寸法は430×410×160mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約20kg。リモコンやスパイク、電源ケーブルが付属する。

背面