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菩提樹の響きを活かした、FRANCO SERBLINのスピーカー「LIGNEA」

 アーク・ジョイアは、FRANCO SERBLINブランドのフロア型スピーカー「LIGNEA(リネア)」を12月1日に発売した。価格はペアで74万円。

LIGNEA

 Sonus Faber創業者として知られる故フランコ・セルブリン氏が設立したFRANCO SERBLINブランド。娘婿で愛弟子のMassimiliano Favella(マッシミリアーノ・ファヴェッラ)氏が遺志を継ぎ、今回の新モデルLIGNEAを手掛けた。

 フランコ・セルブリン氏は、2010年にフロア型ktêma(クテマ)を、2011年にブックシェルフ型のAccordo(アッコルド)を発表。ファヴェッラ氏は、セルブリン氏が2013年に他界する前から、2作品の組み上げや、クロスオーバーネットワークの製作などを手がけており、セルブリン氏の想いや情熱はファヴェッラ氏に引き継がれているという。

 新機種のLIGNEAは、フロア型の2ウェイ2スピーカー。既存モデルのアッコルドよりも小型のモデルを目指し、セルブリン氏による生前のデザインスケッチからファヴェッラ氏が選んで製品化した。セルブリン氏のデザインをディテールまで再現し、エンクロージャの素材選定、クロスオーバーネットワークの製作など数年の期間を費やして完成させたという。

LIGNEAの設置例

 ツイータは、27mm径の伝統的なシルク・ソフトドーム型で、バッフルにはラウンドしたホーン形状を採用する。ウーファには特殊加工した110mm径のカスタムメイドユニットを使用。いずれもスカンジナビアのドライバユニットメーカー製。

ユニット部

 平行面のないキャビネットは、木材を美しく加工し木の響きを豊かに奏でる造りとし、メインキャビネットにはTiglioという木材を使用。日本で菩提樹と呼ばれる木材の一種で、楽器制作などにも使われる、音響特性の良い素材だという。

 複雑な形状の背面キャビネットも木材のみで作られ、多数のパーツを組み上げる手法で製作。「容積の小さなキャビネットから独特の響きを奏でる」としている。背面にはバスレフポートを設け、ユニットからの背圧をチューニングしている。

背面キャビネット

 スピーカー端子はシングルワイヤ。周波数特性は58Hz~36kHz。出力音圧レベルは83dB(1W/1m)。インピーダンスは8Ω。外形寸法は500×295×1,050mm(幅×奥行き×高さ)、重量は16kg。