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「Onkyo AI」ネックバンド端末は、声優による音声案内も? パイオニア初の左右分離イヤフォン

 オンキヨーは、独自の「Onkyo AI」を用いたネックバンド型のスマートウェアラブル端末「VC-NX01(仮称)」をCES 2018で披露した。

VC-NX01(仮称)の装着例

 同社が'17年に製品化した据え置き型のスマートスピーカーに続き、今回は場所を選ばず自由にAIアシスタント機能を利用できるウェアラブル端末として提案。イヤフォンではなくネックバンド型にしたことで、使いながら周りの人の声や音なども聞こえるように配慮している。発売時期や価格は未定だが、今回のCESで受けた意見などを元に、'19年までの発売を目指しているという。

ネックバンド型を採用

 AIアシスタントの声を変更できるのも特徴。東芝デジタルソリューションズのコミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)」の音声合成技術と、オンキヨーの音声入出力に関する技術を組み合わせて開発したもので、「onkyo voice」と呼んでいる。今回のデモでは、「キャシー(女性)の声に変えて」というように話しかけて変更できる。リカイアスの合成音声機能により、例えば芸能人や声優などの声を元にしてアシスタントすることなども可能になる。なお、今回のデモで使用されている言語は英語。

 Sound Houndの対話型音声対応知能「HOUNDIFY」を採用したことで、近くのレストランを探すときなどのコンシェルジュ/ガイダンスを受ける場合には、例えば「カリフォルニアのロングビーチでいいレストランを探して」と聞いた後、次の質問は「寿司メニューで」、「Wi-Fiはある?」などと尋ねれば、前回の質問の内容を受けた答えが返ってくる。

 天気などの質問にそのまま答えるだけでなく、位置情報、ユーザーの属性などを元にして回答する「App連携」にも対応。例えば、レストラン情報を尋ねている時に、近くの駐車場の状況などを聞くといった複合的な情報取得が可能になる。

主な特徴

 「onkyo AI」は、オンキヨーがAIそのものを開発するということではなく、既にGoogleアシスタント、Amazon Alexaのスマートスピーカーを既に製品化している同社が、サービス提供者や想定ユーザーなどに適したAIアシスタント機能を選択して製品やサービスに適用できることや、オンキヨーが協業するSound HoundやNAIN(ネイン)など、他社の技術を自由に組み合わせて提供できるといったことを指している。

 ネックバンド型端末の他にも、音声アシスタントを使うシンプルなデバイスとして、Siriの利用を想定したLightning端子のスピーカードックのコンセプトモデルを参考展示。iPhoneを装着して充電やスピーカーとして使えるもので、遠くの場所からでも“Hey Siri”の声を認識でき、iPhoneのスピーカーよりも高音質で聴ける点なども特徴としている。

Siriの利用を想定したLightningのスピーカードック

 スマートスピーカーは、Googleアシスタント搭載の「G3」や、Amazon Alexa対応の「FLX1」、ELITEブランドの「F4」を展示。他のAV機器との連携機能を含めて紹介している。

ELITEブランドのスマートスピーカー「F4」

 オンキヨーが手掛ける加振器(当社「Vibtone」シリーズも紹介。採用例として、タイガー魔法瓶製の炊飯ジャー「JPG-X100」を展示。高品位で耳障りしない音を実現している点をアピールしている。

Vibtoneを搭載したタイガー魔法瓶製の炊飯ジャー「JPG-X100」
Vibtoneのユニット

 さらに、Vibtoneを鏡に備えた「LEDミラー」を参考出品。身だしなみを整えながら、音楽などが聴ける。住宅の水回りなどを手掛けるメーカーなどとの協力を見込んでいる。

参考展示されたLEDミラー

 パイオニアブランドでは初となる左右分離型イヤフォンの「C8」は、100ドル前後と低価格で、3時間の利用(ケースからの充電で合計9時間)の利用が可能。

左右分離イヤフォンのC8
装着例
バッテリ内蔵ケースなどが付属する

 ポータブルオーディオプレーヤーは、ラウンドフォルムと片手で使えるコンパクトサイズの「XDP-20」(パイオニア)などを展示している。

ポータブルオーディオやイヤフォンの展示

 日本では femimi(フェミミ)として展開している、パイオニアのボイスモニタリングレシーバー(集音器)「PHA-M70」を、海外向けに“Nani?”という愛称で初展示した。

PHA-M70