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Lenovo、単体で動作するDayDream対応HMD「Mirage Solo」。約51,200円

 Lenovoは、スタンドアロンで利用できるVR用HMDとして、Google Daydreamに対応した「Mirage Solo」を国内で発表した。5月11日発売で、想定売価は51,200円前後。

Google Daydreamに対応した「Mirage Solo」

 なお、同日には、4K解像度の180度VR動画が撮影できるカメラ「Mirage Camera」も35,800円で発売する。このカメラに関しては、別記事で紹介する。

左から「Lenovo Mirage Camera」、「Mirage Solo」

Mirage Solo

 HMD市場にはパソコンやゲーム機と接続するHMDと、スマートフォンを内部に入れて使用するスクリーンレスタイプのHMDの2種類が存在する。一般的に、パソコンやゲーム機接続タイプは、没入感やインタラクション性が高い一方で、高価であったり、ケーブル接続が必要で移動性が低いという欠点がある。スクリーンレスは、低価格でケーブルレスだが、画質面に欠点があったり、外部に動きを検出するカメラを設置しないのでインタラクション性が低い傾向にある。

「Mirage Solo」

 「Mirage Solo」は、両者の利点を兼ね備えた製品を目指して開発されたもの。画質面では、5.5型の液晶パネルを内蔵し、解像度は両目で2,560×1,440ドット。視野角は110度で、リフレッシュレートは75Hz。

 Androidベースのシステムとなっており、CPUにSnapdragon 835 VRと4GBのメモリを内蔵し、ストレージは64GB。OSはDaydream OS。Androidスマホのように、VRアプリの追加や、YouTubeで360度動画を見るといった使い方が可能。microSDカードスロットも備えており、256GBまで対応する。

装着したところ。ケーブルレスで利用できる
5.5型の液晶パネルを内蔵し、解像度は両目で2,560×1,440ドット。視野角は110度で、リフレッシュレートは75Hz

 最大の特徴は、Googleの6DoF、Inside-out式のモーショントラッキング技術「WorldSense」を搭載する事。従来のVRでは、頭の動きをジャイロセンサー、加速度センサー、電子コンパスの組み合わせで検出する「3 Degrees of Freedom」(3DoF)が主流だが、この場合、左右、上下を見る動きや、左右に首を振るという動きは検出できるが、装着者が歩くような動きは検出できない。

 6DoFでは、3DoFに加え、空間における体の移動軌跡を認識可能。前後に進む、サイドステップ、しゃがむ/立つ/ジャンプするという動作も検出できる。その際、部屋の中に、装着者を撮影するカメラを配置したり、目印となる柄の壁紙を用意するといった用意をする事なく、HMDを装着するだけで動きをトラッキングできるのがWorldSenseの特徴。

 これにより、例えば敵の攻撃を横にステップしてかわす、かがんで障害物をくぐるといったアクションゲームアプリでも利用できる。

 なお、行動検出の範囲は、安全対策として1.5mに制限されている。アプリ開発者はこの制限を解除できるが、一般ユーザーは解除できない。

しゃがむ/立つ/ジャンプするという動作も検出できる

 本体にはジャイロセンサー、加速度センサー、電子コンパス、近接センサーを搭載。IEEE 802.11ac/nの無線LANと、Bluetooth機能も搭載。4,000mAhのバッテリも搭載しており、約2.5時間の利用が可能。電源ケーブルも繋がず、完全ワイヤレスな状態でVRが楽しめる。

「Mirage Solo」

 外形寸法は204×269.5×179.9mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約645g。人間工学に基づき、装着感を高めているほか、バッテリを搭載しながら、頭部に負担をかけにくい重量バランスにするといった部分にもこだわっている。

 VR空間での選択操作などを行なうために、リモコンが付属。先端部がトラックパッドになっているほか、アプリボタン、ホームボタンを用意する。

左にあるのがリモコン。右は4K解像度の180度VR動画が撮影できるカメラ「Mirage Camera」
「Mirage Solo」のリモコン

 Daydream OSは、Android OSに似た見た目だが、VR空間に並んだアイコンの選択や、VRアプリ内での項目選択、ゲームアプリでのアイテムの操作といった、様々な用途にリモコンが利用できる。

 Daydream OSでは、YouTube、AbemaTV、360Channelなどの動画視聴アプリを用意。Google Play Movie、Netflix、dTVなどの有料動画配信も利用できる。Daydream対応のゲームとしては、GREEの「釣り★スタ VR」、「BLADE RUNNER」などが楽しめる。

発売記念のキャンペーンも

 発売を記念し、ショートショートフィルムフェスティバルと連携。フェスティバルでVRの映像作品が上映される事を受け、そのVR映画12本を6月から随時配信。有料配信となるが、Mirage Soloのユーザーであれば3カ月間は半額で視聴できる。

 さらに5月の発売日から一カ月限定で、360ChannelのVR CRUISE有料コンテンツ7本を半額にする。

 7月からは、有料となるが、アニメキャラクターとのコラボVRコンテンツを、Daydream Mirage Solo向けサービスとして展開する予定。