プロ野球を好きな角度からライブ観戦、KDDIが自由視点映像リアルタイム配信に成功

　KDDIとKDDI総合研究所、沖縄セルラー電話は、次世代移動通信システムの「5G」に対応したタブレットを使い、プロ野球を好きな角度でライブ観戦できる、自由視点映像のリアルタイム配信実験に世界で初めて成功した。

自由視点映像リアルタイム配信の操作イメージ

　スタジアムでのエンターテインメント高度化に向けた実験で、既存のモバイル通信では実現が困難であった多数の観客に向けた大容量映像の同時配信を5Gを使って実現している。

　実験は、2018年6月26日に沖縄県の沖縄セルラースタジアム那覇で開催されたプロ野球公式戦、北海道日本ハムファイターズ 対 福岡ソフトバンクホークスにおいて実施。自由視点映像を撮影するため、バッターボックスに向けてカメラを16台設置。16台のカメラで同じタイミングで多方向から撮影した打者の映像を元に、任意のアングルからの自由視点映像に加工。

　その映像を、観客席に構築した5Gのエリアに配信。5Gタブレットでリアルタイムに、任意のアングルで鑑賞できるようにした。これにより、モバイル端末を介した新たな観戦スタイルを提供すると共に、遠隔でのイベント視聴において、テレビ中継とは異なる臨場感を体感できるという。

　自由視点映像は、複数のカメラの映像から抽出した選手などの人物領域やスタジアム背景を、3DCGモデルで表現。実際のカメラ映像がなくても、あらゆる視点からの映像視聴を、少ないカメラ台数で実現できるという。

複数のカメラの映像から抽出した選手などの人物領域やスタジアム背景を、3DCGモデルで表現

　また、5Gタブレット内の録画ボタンを押すことで、もう一度見たい映像のリプレイ再生も可能。

自由視点映像を観客席に構築した5Gのエリアに配信

　スタジアム2階のコンコースには、自由視点映像のリアルタイム配信とバッター視点の臨場感のあるライブ映像を、VRを通じて体感できる「au 5G体感」ブースも設置された。実験には、国際電気通信基礎技術研究所、サムスン電子が協力した。