ニュース

MSB、UHD BDやネットワーク再生もできるトランスポート2機。電源別筐体

 アクシスは、米MSB Technologyのデジタルメディア・トランスポート2機種を8月に発売する。どちらも4K Ultra HD Blu-ray、Blu-ray、SACD、DVD、CDなどの再生が可能。ネットワーク再生機能も備えている。価格は「Select TRANSPORT」が330万円、「Reference TRANSPORT」が250万円。これらは電源ユニットとして標準仕様の「Desktop Power Supply」が付属する。

Select TRANSPORT。下部はSelect用の「Transport Power base」

 さらに、アップグレード仕様として本体と同じアルミ削り出しシャーシによるさらに強固な「Transport Power base」も別売で用意。価格は「Select Transport Power base」が220万円、「Reference Transport Power base」が150万円。トランスポートとPower baseのセット販売では、Select TRANSPORTが550万円、Reference TRANSPORTが400万円となる。セットモデルの場合、Desktop Power Supplyは付属しない。

Reference TRANSPORT。下部はReference用の「Transport Power base」

 Select TRANSPORTは「Select DAC」と、Reference Transportは「Reference DAC」との組み合わせが最適という。

 高精度短波長レーザーを使ったディスクドライブ・メカは、OPPOのドライブをベースとしている。ビデオプロセッサは、Media Tek「OP8591」を採用。

 ディスクはUHD BD/BD/SACD/CD/DVD/DVDオーディオなどの再生に対応。4K再生、HDR表示、BT.2020もサポート。HDRのDolby Visionもサポートする。HDMI出力は2系統備え、1系統はオーディオ専用出力となる。

 USBメモリやHDDの接続も可能。保存した音楽ファイルを再生できる。ネットワークプレーヤー機能も備え、DLNAやSMBに対応するNASなどからの再生が可能。

 デジタル出力として、同軸デジタル×4、光デジタル、AES/EBU、MSB PRO ISLを装備。これらでは、PCMで最大 192kHz/24bitまで、DSDは2.8MHzまでの出力が可能。MSBのDACとMSB PRO ISLインターフェースで接続した場合は、PCM 32bitまで、SACD/DSD信号のネイティブ伝送も可能。

 マルチチャンネル音声では、ドルビーTrueHD、DTS-HD Master Audio、Dolby Atmos、DTS:Xなどをサポート。HDMI出力だけでなく、同軸デジタル×4出力も可能で、4機の2ch DACと接続した7.1ch環境を構築する事もできる。

Select TRANSPORTの背面
Reference TRANSPORTの背面

 一般的なプレーヤーでは、マスタークロックはディスクドライブ系に置かれ、そこからオーディオ回路にも供給されるが、ドライブの回転とビデオ系の駆動に影響され、クロックの品質が悪化したり、オーディオ信号処理にジッタを与える問題があるという。

 そこで、高精度なマスタークロックをオーディオ回路側に置き、クリーンなオーディオ信号データをピックアップ。そのデータを一旦ソリッドステートメモリに取り込み、再整列して送り出している。これにより、ジッターフリーでビットパーフェクトな転送が可能としている。

 MSB PRO ISLインターフェースで、MSB DACと接続した場合は、さらに高精度/低ジッターでの伝送を実現。信号の扱いは、これまでのMSB PRO I2Sと同様に、I2Sフォーマットに準じ、MSB DAC側からトランスポートに対して超低ジッターのマスタークロックを送って完全同期させた上で、L/Rデータとワードクロック、ビットクロックを分離したシリアルバス・データをDACに送り返すが、PRO ISLでは、その信号授受に従来のLAN方式よりもスピードを増した「双方向赤外線レーザー」方式を新導入。

 光ケーブルにはシングルモード・デュプレックス・グラスファイバーを採用。大容量/低損失の超高速通信とアイソレーションによって、ハイビット/ハイサンプルレートのデジタル信号を超低ジッターでビットパーフェクト伝送できるとする。

 オーディオ回路とビデオ回路相互のレイヤー間に独自のアイソレーション機構を配置。電気的、電磁的干渉を抑制している。

 筐体は、分厚いアルミブロックから削り出したシャーシを採用。トレーもシャーシと同じく自社でアルミを削り出している。

 セパレート電源ユニットからの電源供給は、ビデオ系とオーディオ系を完全分離。ビデオ出力とデジタルオーディオ出力の相互干渉を排除している。標準仕様のDesktop Power Supplyと、アップグレート仕様として、本体と同じアルミ削り出しシャーシによるTransport Power baseを用意。Transport Power baseとのコンビネーションでは、「超低ノイズで安定性に優れた強力電源供給を実現する」という。

 消費電力は30Wで共通。本体と電源の外形寸法は、Select TRANSPORTが445×445×89mm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体が16kg、電源が21kg。Reference TRANSPORTの本体と電源が、444×444×73mm(同)。重量は本体が12.5kg、電源が18.5kg。どちらの製品もリモコンが付属する。